「みんなの力があって」 E

2月27日

 昨日、一昨日と、大学の二次試験を受けに行かせてもらいました。結果がどうかは別として、ひとまず無事に行って帰ってこられたことがありがたくて嬉しかったです。

 今振り返ってみると、本番の2日間も、これまでの1年間も、長かったようであっという間のような、とても不思議な感じがするなと思います。でも、なのはなのみんなの中でずっと勉強をさせてもらって、勉強だけではなくて、みんなとの毎日の生活や、コンサートへの過程があって、それがあっての本番だったなと感じます。

 出発前、みんなが口々に「古吉野で応援してるね」と声をかけてくれました。マラソン練習の時のお題回しでも、エールの言葉を叫んだんだよとみんなが話してくれて、正直すごく恥ずかしかったけれど、みんなの気持ちがとても嬉しかったし、本当にみんなが後ろにいてくれることが心強いなと思いました。
 たけちゃんもお守りを渡してくれたり、出発前日の夜に、みんながいつの間に作ってくれた「褒め褒め単語帳」というものも机の上に置いてくれてあって、みんなの気持ちが特別のお守りだったなと思います。
 

*筆記試験
 今回は、1日目に筆記試験、2日目に面接がありました。
 最初の科目は、英語。英語は、最後の問題に英作文があるので、その対策を主にしていました。英作文のお題は本番問題を見るまで分からないけれど、勉強が暗記というのは英作文も同じで、事前に5つくらいの作文を覚えておいて、その中から質問に合った答えを作ることをお父さんが教えてくださりました。
 5つだと心配だったので、結局13くらいの作文を頭の中に入れておいて、実際聞かれた内容も、その中のうちから繋がるものがあって、それは乗り切ることができました。

 2科目目は、数学でした。自分の中では正直、一番心配だったのは数学でした。数学は、一番問題によって当たりはずれを感じてしまっていて、最後までちゃんとした自信は持てていませんでした。いい問題に巡り合えますように、と願いながら問題用紙を開きました。
 最初、解き始めた時は、初っ端の問題から自分のあまり好きではない分野の問題であったこともあって、正直あちゃーと思いました。でも、そこで詰まるのも嫌なので、まずは他の問題を見て、自分の中では比較的解きやすい分野の問題から取り掛かりました。ひとまず、それは無事に解けて、次に進むことができました。でも、そこからが、少しつまってしまいました。やっぱり駄目かもしれない、という気持ちが一瞬頭をよぎりました。
 でも、そこでみんなの顔が思い浮かびました。それを思った時に、それだけで、できてもできなくても、とにかく最後まで諦めたくないと思いました。そして、そこで少し気持ちが落ち着いて、目の前の問題に向かっていたら、気づいたら、ほとんどの問題で答えまでたどり着くことができました。最後、1つの小問は途中になってしまったけれど、もう、それは後悔しないで次に進もう、と思いました。

 最後の科目は、理科の生物と化学でした。理科の科目は、毎年、難しいことというよりは、基本的なことを細かく聞かれる感じで、今回もそうでした。
 数問、迷うところはあったけれど、全体的には割とすらすら解くことができて、最後40分はひたすら見直しをしていました。
 理科の2科目は合わせて3時間だったけれど、あっという間に感じたなと思います。
 全部が終わった時、ほっとして、でもそのことが半分信じられなくて、不思議な感覚でした。

*面接
 今回、特に緊張していたのは、どちらかというと面接の方でした。面接に対して、なかなかいいイメージを持つことができなくて、できることなら逃げてしまいたいという怖さがずっとあったなと思います。
 夏頃から、ウィンターコンサート直前くらいまで、毎晩夜にみんなに昔話の読み聞かせを聞いてもらったり、直前には、お母さんやあゆちゃんに何度も何度も練習を聞いてもらいました。最初は、不安でしかなかったものも、練習をすればするほど、少しずつ慣れていったり、漠然とではあるけれど、大丈夫かもしれないと思えるようになっていったなと思います。

 面接の対策では、面接で聞かれそうな質問を想定して、それに対する答えを準備しておいて、その内容をお父さんに見ていただいて、最初は丸暗記しました。初めは、やっぱり読んでいてもただ暗記してきた文章を読んでいるという風になってしまっていたし、目の前に座ってくれているのが自分のよく知った人であっても、無意識の人前で話す怖さが出てしまっていたなと思います。
「聞いてくれている人は、よかれの気持ちで聞いてくれていると思うんだよ」
 そうお母さんに言ってもらった時に、はっとしました。でも、それを思って、自分も目の前の人によかれの気持ちであろうと思ったら、怖さがすっと消えることを感じました。
 また、練習の時に、あゆちゃんが、謙虚さとは別のところで、もっとアピール力が欲しいねと話してくれた時に、「後ろ手にいる、みんなのことをアピールしようと思ったらいいんだよ」と話してくれたことも心に残っています。その言葉や、みんながいてくれることが自分にとってすごく勇気になったなと思います。
 目線を上にすること。ゆっくり話すこと。はっきり話すこと。そのことを心に置いて、本番に臨みました。

 本番では、面接官の人が2人いて、一人は割と肯定的で明るい雰囲気の人、もう一人の人はどちらかというと表情が硬めの人でした。
「では、まず、全受験生にしている質問です」と、右側にいた面接官の人が最初に質問をしてくださって、その内容を聞いたとき、正直すごくびっくりしました。というのも、もしかしたら聞かれるかもしれないなという質問について、前日の夜にお父さんに聞いていただいて、こう話したらいいんじゃないかということを教えてくださっていて、その質問とほぼ同じだったからです。だから、そのことに対してはすらすら答えられて、面接官の人も「分かりやすいですね」と言ってくださったのが嬉しかったなと思います。
 その他にもだいたい10くらいの質問を聞かれたのですが、全部事前に対策していたことの中から出て、だから詰まらずにいられたし、気がついたら緊張もどこかにいってしまっていた感じでした。

 実際の結果はまだ分からないけれど、これまでの過程もみんなにたくさん助けてもらって、みんなの力があって、本番に精一杯で向かえたことが、本当にありがたくて幸せなことだなと思うし、後は、全部神様や運命に任せようという気持ちです。

 どっちに転んでも、その道を信じて、みんなと同じ方向を向いて進んでいく仲間として、頑張りたいなと思うし、人間的にも、みんなの中でしっかり成長していきたいです。

 最後に、今回もお父さんお母さんが一緒についてきてくださって、そのことも何より心強かったし、安心していることができたなと思います。
 そのことをちゃんと伝えることができていなかったのですが、本当にありがとうございました。