【2月号⑪】「幸せが訪れる冬のハウス」 ももか

 扉をあけると、そこには……緑あふれるセロリ。黄色いなのはな、オータムポエム。ほうれん草に、春菊、冬キャベツ。ハウス栽培の野菜たちが、八棟のビニールハウスで、ぐんぐん成長し、収穫を迎えています。
 冬ハウスの代表はやっぱり、セロリ。今季は、全ハウスの半分を占める四棟いっぱいに育てています。
 株数はあくさんあるけれども、担当の子を中心に、みんなで協力し、毎朝夕のビニール開閉、三日に一回のたっぷり水やり、適度な追肥を欠かさずにおこなっています。

 

 

■ポキポキ

 水や肥料が大好きなセロリ。その効果は抜群。綺麗な緑の葉や立派な茎が、わんさか、わんさか。収穫のたびに、軽トラの荷台にセロリ森ができあがります。
 もし、好きな野菜の収穫をしてきてほしい。と頼まれたら、私は真っ先にセロリにハウスに向かってしまうでしょう。あのポキポキという音と感覚がたまらない。一度取り始めたら止まらない。それに、広がる幸せな香り。セロリの収穫が大好きです。

 今は美しさを取り戻しているセロリですが、敵が襲いかかってきた時期もありました。追肥した牛肥が大好物な害虫、葉ダニ。そして、寒さ。それらにより、葉が白くかすれてしまったり、茎が傷んでしまったり、という事態が起きてしまいました。
 そんな時、畝の上に残る牛肥を取り除き、水でしっかりと洗い流し、白い葉、痛んでしまった茎を摘み、綺麗なセロリがまた新しく出てこれるような環境を作りました。そうすることで、セロリが復活し、みんなに愛されるセロリが再び穫れ始めました。

 

 

 オータムポエムは、花が一〜二つほど咲いた花蕾や茎葉を食べます。収穫かごには、黄色のなのはながぽつり、ぽつりと咲いて、かわいらしい。収穫には頭脳が必要。まなかちゃんたちが担当するこの野菜、お父さんや河上さんにも見ていただいて、収穫方法が進化し、ベストな収穫作業へとなっていっています。
 収穫と剪定を同時におこなうのが、この野菜の特徴。脇芽の数を数えて、その脇芽が今後伸びたことを想定して、どれを穫って、どれを残すかを考えます。混みすぎず、空きすぎずの、ベストな位置で剪定し、その穫った茎の中から、手でポキッと折れる柔らかな部分だけを取ります。この部分しか、食べることはできないのです。

 

 

■色とりどり

 毎日のようにまなかちゃんたちが見回りにいったり、剪定をしたり、水やりをしたり、その効果で綺麗なオータムポエムが保たれ、一日に七・四キログラムと大収穫を迎えることもできたのです。
 難しいとされる、ホウレンソウ。今作は、高確率で発芽し、その後も湿気にもやられてしまうことなく、ぐんぐんと大きくなって、あっという間にハウスの中一面にホウレンソウが育ちました。一枚一枚、葉が大きく、根は可愛いピンク色、みんなに愛されるホウレンソウが、収穫されています。
 他にも、春菊はこんもりと、冬キャベツはしっかりと、立派に成長し、収穫できています。
 ハウス野菜は色とりどりで、大豊作、みんなの日々の努力に野菜達が応えてくれているようで、ハウスに行くたびに幸せな気持ちになります。