新しいメンバーで始まった、藤井さんの木版画教室。私も今回、初めて参加させていただきます。食事のコメントで版画教室のことを聞いていたり、リビングには教室に参加したみんなの作品が並んでいたりして、なのはなで版画を身近に感じています。
制作にあたって、校舎やその周りをまわり、自分たちが好きなもの、版画にしてみたいものを写真に撮りました。
私は、リビングに置いてある赤や青、緑のそれぞれ形が異なるランプを写真に撮りました。ランプの温かみのある感じや、大小のランプが並んでいる可愛らしさ、また、ランプの硝子の部分を版画でどう表現するのだろうと思うと、自分の中でこの作品を作ってみたいと思いました。
みんなの中には、大好きなウズラやお花、あゆみちゃんとたけちゃんが遊んでいる様子などなど、いろんな写真がありました。
■三つのランプ
初めの版画教室は藤井さんが、写真を見て描いた下絵を見ながら、どんな構図にするか一緒に考えてくださいました。
私はランプが三つ並んでいる下絵を描いたのですが、並んでいるだけだと単調になってしまうことを藤井さんが教えてくださいました。
一番右のランプは小さくて、一番左のランプは大きめ。
だから左のランプは全部書かずに、半分ほど切ってしまうことで、右と左のランプの大きさが釣り合ってバランスが取れること、面白くなることも話してくださいました。
全部表現するのではなく、一部を切ってしまうことで空間ができたり、その作品の面白みもまた変わってきたりするそうで、作品をどう見せたいか、考えて作る難しさを感じました。
鉛筆で下絵が描けたら、次は墨で色を塗っていきます。墨の黒、薄墨、白を使い分けて、どんな完成形にしたいかイメージして色をつけていきます。「一色刷りの版画は、黒の割合は七割か六割」藤井さんは初めに教えてくださいました。思い出せば、小学校の時、教科書に載っている版画の作品は黒の割合が多くて、そういう理由があったのか、と知れて嬉しかったです。
藤井さんは一人ひとりの作品を見て下さるときに「どう表現しようか」と一緒に考えてくださいます。
その作品の何が面白いか、どこを見ている人に伝えたいか、ダンスや演奏と同じように、自分たちで意思を持って表現しないと見ている人には伝わらないのだ、と藤井さんの言葉から感じます。版画という新しい表現の仕方を知ることができて嬉しくて、新しい世界がまた広がることが楽しみです。
色を塗っていく時間は、いろんな色の配色ができて見え方が少しずつ変わってきたり、背景をどうするかまだ考え切れていなかったり、まだまだ悩むことが多いです。
■楽しみがまた一つ
二月の中旬あたりまでには下絵を完成させて、それからは次の工程に入っていきます。どうしたらランプの温かみが出るか、背景をどうするか、まだ決まってはいないのですが、何を見せたいかを常に置いて粘り強く作品に向かいたいです。
版画教室をしてから、これも版画で作ってみたら面白いのではないかと、校舎や植物を見てふと思うことがあります。
以前、版画教室をしていた子もそういう気持ちになったことがあるということを知って、みんな同じで嬉しかったです。
毎週木曜日の版画教室。楽しみがまた一つ増えました。