【マラソン日記】「2月17日 ななほ ― カメラを片手に ―」

   

2月17日 ななほ

「カメラを片手に

 津山加茂郷フルマラソン全国大会へ向けて、なのはなファミリーのみんなとランニングを初めて、約1か月。正直、マラソン練習が始まったばかりのころは、「本当に私が、42.195キロを走り切れるのだろうか」と楽しみな気持ちよりも不安な気持ちのほうが大きかったです。
  
  
  
  
 でもこの1カ月、みんなとランニングをしていく中で、当日がどんな結果であっても、今みんなと同じ目標に向かって走り続ける時間がとても楽しく、大切なものだと感じます。
 それに、なのはなフルメニューの実行委員さんが考えてくれたメニューのお陰で、少しずつマラソンコースの距離が伸びたり、坂道の数が多くなっても自然と、身体も心もついてきているのを感じ、(あと、2カ月あるのだから、走れるかもしれない。いや、走ってみせる!)と思えるようになりました。
  
  

   
 私はフルメニューが始まってから、毎日、マラソン日記専属カメラマンとして写真を撮りながら走っています。私にとってカメラは、走るときの相棒です。なぜか、写真を撮りながら走っていると、普通に走るときに比べて坂道も身体が軽いです。

 「今日もみんなのベストショットを撮るぞ!」と思いながらスタートして、マラソンで『走る』という目的と同時に『写真を撮る』という目的も持っていると、みんなのいい写真を撮る為なら何でもできるし、坂道も全力ダッシュできてしまうくらい、心も身体も軽々としています。

  

   
 けれど、毎日写真を撮っていたら、似たような構図や雰囲気になってしまうことも多く、ここ最近から何人かの人と協力して写真を撮ることにしました。
 毎朝、ランニングに出る前に急に「今日、マラソンカメラマンになっていただけませんか?」と声をかければ、声をかけられた子が「わかりました!頑張ります!」と満面の笑みで答えてくれます。

 この日はりなちゃんとさくらちゃんと私の3台体制で写真を撮ったのですが、2人が急な登り坂でも猛ダッシュでみんなのランニングの列より少し先を走り、カメラを構えてくれていて、写真を撮られる側と同じくらい、写真を撮る側も満面の笑みでした。

 マラソンをしていると、走る道は変わらないのに、毎日ドラマが生まれます。この日は、なのはなに来てまだ日の浅いほのかちゃんが、初めて、石生一周コースの心臓破りの坂をみんなと一緒に登り切りました。

 心臓破りの坂を上り終えたとき、みんなで「ほのかちゃん、よかったね~!」「嬉しいね」「よく、登れたね」と拍手をしながら口々に言いあえた時間が嬉しかったし、そんな風に誰のことも置いていかないし、誰も1人にならずにフルマラソン大会へ向かっていけるこの過程が、尊くて嬉しいなと思いました。

 

  
 また、マラソンが終わった後にお仕事組さんのひろちゃんが「みんなのお題回しの声が、先週に比べてすごくはっきり、大きくなっていて、私も頑張ろうと思いました」と話してくれました。

 毎日走っていると、自分では気づかなかったことなのですが、確かに、石生一周コースのランニングが始まったころは坂を上る途中、お題回しの時間になると息も切れ切れだったのですが、今では先頭から最後尾まで、みんなのお題の声が届くし、私も楽しくみんなのお題を復唱することができています。
    

〈梅の蕾〉

  
 他にも、毎日梅の樹の側を走り、蕾が膨らむ様子を感じたり、古吉野なのはなの花壇ではスイセンやクロッカスの花が咲いていたり、景色も変化しています。
 こんな風に毎日、自分たちの精神面や体力面の変化や、小さな喜び、小さな成長を喜びながらマラソンを走れることが嬉しいです。