「一つひとつに真っ正面から向き合う心」 ふみ

2月5日

○一つひとつに真っ正面から向き合う心

 土日は、仕事がお休みで桃作業に入りました。
 あんなちゃんともう1人で、枝つりの修正をして、他のみんなでポールの修正のために、ポールとポールを繋いでいるマイカ線とワイヤーを外しました。

 マイカ線を外しているときに、昨年の夏にネットがけをしたときのことを思い出しました。
 昨年は、1本の木にネットをかけるのに、5分くらいでかけ終えられるときもあって、うまくいった部分と、台風の影響でネットが飛ばされてしまって、みんなでかけ直しをしたときもあり、ネットがけは桃作業のなかでも、私のなかで一大イベント的になっていて、今年は昨年よりもうまくいくように、スムーズに行く方法を考えたいです。

 昨年の桃の収穫期が終わったときに、お父さんとお母さんと桃チームでミーティングをしたときに、来年のネットがけに向けて、お父さんが考えてくださったことを話してくださいました。
 真ん中の枝を吊っている真ん中のポールのてっぺんにも滑車をつけて、ネットに紐をつけて、引っ張ったらうまくいくのではないかということや、ネットのセンターやネットの向きが解りやすいように、印をつけるなど、お父さんが考えた方法を教えてくださいました。
 毎回、よりよくしていきたいし、自分も昨年よりも成長していられるように、桃の木と一緒に成長していきたいです。

 成木になる木があったり、幼木も今年から実をつけるという木もあったり、実をつける数がどんどん増えていることを、桃の収穫のときも、そして、日々の作業のなかでも感じています。
 そのため、実をつける木が多くなっていくなか、美しい桃の実を収穫するために、ネットがけのためのポールもしっかり立てたいと思いました。

 作業をしていて、あんなちゃんから、もっとよくしていこうという気持ちや、桃の木が大きくなって、つける実も増えてきた分、さらにグレードアップした作業をしていくこと、そして、ポール一つでも誠実に向き合うあんなちゃんの気持ちを感じました。

 大きくなっていく桃の木。
 昨年は、畑の枚数も一枚増えて、スケールが大きくなっていくけれど、そのスケールの大きさに負けない勇気や責任感をあんなちゃんから感じます。まだ見ぬだれか、なのはなの桃を待っていてくださる方、そして、応援して下さる方、未来のたくさんの人のために、今できる精一杯で私も向かっていきたいです。

 26aの畑のポールを抜いているときに、ポールの多さと木の大きさに、改めて、自分がすごく小さく感じて、作業中も桃の木に見守られている感じがしました。
 桃の木を守るために、なのはなの桃を守るために、そして、まだ見ぬだれかのために、私はもっともっと自分から放れて、桃の木の数に向き合える、それ以上の強い気持ちを作っていきたい、成長していきたい。そう思いました。

 桃作業は難しかったり、スケールが大きくて、自分のなかに幅があるとしたら、自分の幅よりも遙かに大きい作業もあります。
 自分の意志、自分の決断力、勇気、感覚、勘を働かせること……さまざまな要素で、自分にまだまだ足りないところ、未熟なところも実感するけれど、なにができてもできなくても、なのはなの桃を好きでいて下さる方や、なのはなファミリーを応援してくださる方、まだ見ぬだれかのためを思うと、今の精一杯で、一緒に桃作業に入るみんなと、よりよい作業をしていきたいし、未来のなのはなの桃のために、一つひとつ道筋をつくっていく道中なのだと思いました。
 だから、今の自分の未熟さにあぐらをかかず、今やっていることが一つひとつが未来に繋がると思って、謙虚な気持ちで、今のベストで向かっていきたいです。

 昨日は、ポールを抜く前に、剪定した枝がまだ少し落ちているから、みんなでその枝を拾ってからポールを抜くのに入ろう、とあんなちゃんが言いました。
 1本1本の木の下、周りには小枝が落ちていて、私が拾ったところでは、1本で両手で抱えるくらいの量の小枝が集まり、みんなが集めた分を集結すると、思っていた以上に小枝が集まりました。
 その作業一つでも、畑をいつでも美しい状態にしておくことや、剪定した枝からも、もしかしたら、病気が桃の木に感染するかもしれないし、そういったことを考えると、私はそういった細かいところを見落としてしまいがちだけれど、あんなちゃんはそういうところも一切手を抜かないでいることを感じました。
 あんなちゃんと作業をすると、もっとちゃんと生きたいという気持ちになったり、作業の奥深さをあんなちゃんが教えてくれて、今の自分は、その奥深さをちゃんと深く感じられていない部分もあるのですが、桃作業が楽しいなと感じます。さらに、深く楽しさを感じられるように心を耕していきたいです。

 ちょうど17時になり、17aと26aのポールを修正したいところのポールは抜くことができて、きりよく作業が終わりました。

「ありがとうございました」
 作業を終えて、挨拶をするとき、達成感や、また頑張ろうという気持ちが同時に自分のなかに生まれて、みんなで気持ちよく作業を終えることができると、本当に嬉しいです。
 一緒に作業をする仲間と達成感を感じたり、大変なことがあっても乗り越えてきたストーリーがあると、それが永遠に自分のなかの力となってくれることを、今の、この一瞬一瞬が未来に繋がっていることを感じます。

 これからも自分にできることを頑張りたいです。