1月31日(水)「味噌の仕込みをしました! イエローファミリーの、おはぜとはぜ吉 & 桃の剪定、目標達成」

1月31日のなのはな

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 ~只今、糀中~ byイエローファミリー

 味噌作り第1弾、いよいよ最終日を迎えて、みんなと一緒に、味噌の仕込みを行いました。

 種付けから3日間、8人の味噌作りメンバーで大切に育て、ついに昨日、出糀した米糀、「おはぜ」と「はぜ吉」。米糀は、白大豆味噌になるべく、白大豆と混ぜ合わせて味噌玉になって、樽に仕込まれます。

「おはぜ」と「はぜ吉」の名前の由来は、糀菌がお米の中まで食い込むことを、「糀がはぜる」と言われることから来ています。
 種付けをした日、味噌メンバーでマラソン練習のランニングをしながら、一人ひとり、それぞれが考えた糀の名前でお題回しをしました。そこでは、「みるかちゃん」「コメ・コージン」「あまふわちゃん」「マロロン・モンロー」など、たくさんの案が出たけれど、翌朝、“盛り込み”の手入れをしながらメンバーで投票したところ、満場一致だったのが、「おはぜ」と「はぜ吉」でした。
 名付け親は、なるちゃん。古風だけれど、なんとも糀にぴったりに感じる、愛着のわく名前だと感じました。糀室の向かって左列が「おはぜ」、右列が「はぜ吉」になりました。

 また、私たち、第1弾の味噌作りチームの名前は、初日から決まっていた、「イエローファミリー」。
 初日にメンバーが家庭科室に集まったとき、全員が黄色いバンダナをつけていて、この名前に決まりました。それ以来、ずっとお揃いの黄色いバンダナで、家庭科室での作業を行ってきました。

 

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 今回の味噌作りを中心になって進めてくれたのは、ゆりかちゃんです。なのはなのお米を蒸米して、糀菌の種付けをするところから、8人のイエローファミリーで、味噌作りを行いました。

 糀に使ったのは、なのはなで育てているミルキークイーン。モチモチとした粘りのある品種で、菌が繁殖するには、難しい品種です。けれど、去年までの積み重ねを元に、ゆりかちゃん、なるちゃんが、たくさんの工夫を考えてくれて、実践することができました。
 お米に対する糀菌の分量を多くしたり、種付け後、なまこ型に成形するとき、一人では歩けない糀が繁殖しやすいように、ぎゅっとお米とお米をくっつけたり……、より糀菌が繁殖しやすいように、と工夫を重ねて、本来は糀作りが難しいミルキークイーンでも、最後にはお米の中心まで菌糸が食い込んで、しっかりと“はぜた”、甘く香る糀になっていきました。

 

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 平日は、1時間ごとの見回りや、手入れをして、32度から40度が保たれるように、温度管理をしてきました。
 小さな命が、ちゃんと息をしているか確かめるように、夜中も見回りを続けていくこと。
 それは、赤ちゃんを育てるお母さんが、毎日していることだと、ゆりかちゃんが話してくれて、命を守る存在の尊さを、感じました。
 私はひろこちゃんとペアになって、見回りをさせてもらったのですが、夜の見回りでは、ひろこちゃんがアラームが鳴る前に、いつも確実に起こしてくれて、体内時計まで正確なひろこちゃんのすごさを、感じました。
 夜や早朝、お仕事組さんの、よしえちゃんやなるちゃんも、お仕事に行きつつ、糀を気にかけて、一緒に手入れを行ってくれました。
 手入れのたびに、少しずつ繁殖して、自ら温かく発熱していく糀を、イエローファミリーのみんなで手入れしていく時間、心が温かくなって、本当に嬉しかったです。

 そうして、大切に育ててきた「おはぜ」と「はぜ吉」が、樽に仕込まれて独り立ちしていくことに、寂しさも感じました。
 けれど最終日は、大勢のなのはなのみんなと一緒に、味噌の仕込みを行えたことが、嬉しかったです。

 

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 味噌を仕込む1樽目の白大豆は、どれみちゃん、しなこちゃんが煮てくれて、私は、2樽目の白大豆を、ひろこちゃんと一緒に煮させてもらいました。

 白大豆は、なのはなで育て、みんなで選別をしたものです。昨日のうちによく洗って、水に浸けており、煮る前から、水分を含んで膨らみ、表面をつるりとさせていました。
 1樽につき22.5キロ必要な白大豆を、半分ずつ、2つの大鍋で煮ました。白大豆は豆が硬いため、2時間から2時間半、じっくりと煮て火を通します。

 

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 美味しい豆を煮るためのポイントは、「豆を踊らせないこと」、「灰汁をしっかりとること」。そう言葉では分かっていても、実際に理解できているわけでは、なかった……。
 はじめは「豆を踊らせないように」と思いすぎるあまり、かなり弱火で煮てしまっていました。

 それを見かねた河上さんが、豆が踊らないギリギリの火加減でなければ、灰汁がちゃんと出ず、美味しい豆は炊けない、ということを教えてくださいました。
 豆が踊る、とは、お湯がぐらぐらと沸騰した中で、豆が踊るということ。沸騰前の、湯が少しずつポコポコしてきたときに、軽い豆が上下しているのは、豆が踊る、というわけではないため、その状態をずっと保って、灰汁を出させてしっかりとっていくことが大切、と教えていただきました。
 そうして火加減を調整して、水面に浮いてくる灰汁を取り続けていると、段々と豆を煮る水が、透明に近く澄んできました。豆が、親指と人差し指で、柔らかく潰れるようになったら、煮上がりです。

 灰汁をしっかりと出させてとることは、豆だけでなく、野菜を煮るときにも共通している、ということでした。河上さんから、美味しく煮るために大切なことを、詳しく教えていただけたことが、ありがたかったです。

 

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〈大豆が煮上がるごとに甘い香りがただよいます。ミートチョッパーでミンチ状にした大豆と、塩、米糀を混ぜ合わせ、みんなで味噌玉を作ります!〉

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 2樽目は、豆を煮るのに少し時間がかかってしまいましたが、最後はみんなで猛スピードで、味噌玉にしていきました。
 2樽目の米糀、「はぜ吉」と、塩を混ぜます。そこへ、ミートチョッパーでミンチ状にした白大豆を、人肌程度までよく冷まして、「はぜ吉」と白大豆が、混ぜ合わせられました。
 それを、両手でおにぎりを握るように、よく握って、味噌玉にしていきます。味噌玉を作る理由は、空気を抜いて、雑菌を入れないためです。

 和気あいあいとした家庭科室の中には、たけちゃんもいてくれて、みんなと一緒に味噌玉を作ってくれました。みんなに囲まれて、嬉しそうに小さな手で味噌玉を握る様子に、心が和みました。

 

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 みんなで握った味噌玉は、樽に敷き詰めて、1段ずつ潰していきます。味噌玉を潰して、更にてのひらで押して、平らに、空気を抜いていきました。
 最後に、表面に降り塩をして、ぎゅっと空気を抜いて袋をしばり、重石を置いて、蓋をします。樽にはそれぞれ、「おはぜ」と「はぜ吉」の名札をつけて、無事に、第1弾の味噌の仕込みが終わりました。

 

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〈空気を入れないように、しっかりと、樽に味噌玉を詰め込んでいきます〉

 

 こうして、当たり前のように糀ができて、味噌の仕込みまで、無事に終えることができたけれど、その実、当たり前のことではないと、感じています。
 なのはなファミリーで初めて糀を作ろうとしたとき、はじめはこたつで作るところから始まった、と教えてもらった味噌作り。今は、育苗器のセッティング、温度や湿度の管理、手入れの手順など、確実なノウハウがあります。手作りで一から味噌を作るために、試行錯誤があったと思います。
 それが今、60人の家族が、毎日おいしいお味噌汁を頂けるくらい、味噌作りが確立していて、毎年、ずっと積み重ねられ続けている。
 当たり前ではなく、本当に、すごいことだと思いました。なのはなの先輩たちが積み重ねてくれた味噌作りを繋いでいく1人として、今回味噌を作れたことが、とても嬉しかったです。

 

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 「おはぜ」と「はぜ吉」が、味噌として完成するのは3年後。3年後の家族のため、美味しい味噌になってくれますように。

 まだまだ、味噌作りは続きます。今年の味噌作りは、第4弾まで。私も引き続き、第2弾の味噌作りをさせてもらう予定です。美味しい味噌を作るため、頑張ります!

(りんね)

 

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 桃の剪定を終えました。
 1月中に剪定を終えることができたのは、理想的で、これまでになかったことです。
 また、今年の剪定は、幾つかの意味で、進化させることができました。

 今シーズンの桃の剪定は、できるだけ短期間で終えるという方針で、進めてきました。質を落として速くするのではなく、強化週間というふうに1月10日から期間限定で、作業時間を確保するために朝昼の当番の時間をメンバーは抜けさせてもらったり、桃のメンバーで朝の早い時間にランニングに行くなどして、日中に集中して作業できる時間を作りました。
 また、時間の確保だけではなく、どうしたらもっと効率よくできるかと日々考えて、やり方を進化させながらきたこともあります。
 1月の天候は、暖冬で開花に影響しないか少し心配ではありますが、雪や雨が少なく、作業が捗りました。

 

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 剪定を開始したときは、今年から初めて剪定をする人もいて、メンバーには剪定を覚えてもらうところから始まりました。その後、切る枝に印つけのあと修正してから切るというやり方や、印付けと切る人をわけて分業にしたりなど、段階を経て、最終的には、私と所々確認や相談をしながら、メンバーの人がそれぞれで切れるようになってくれました。途中からは、それぞれが判断に迷う時間を短縮するために、私が先行して、迷いやすい枝先のほうや、樹全体のプランを決めながら要所を切っていき、それを追いかけて他のメンバーが細かい部分の剪定をするという役割分担をして進めるやり方に落ち着きました。

 終盤では、この方法が今できる最高のやり方だと思えたし、そこまで試行錯誤してきた時間も、密度が濃かったです。たぶん、もっと剪定を続けていたら、さらに進化させられると思います。同じことの繰り返しはすぐにつまらなくなってしまうので、毎日、もっとこうしてはどうか、次はこうしてみようと、前のめりになって、剪定に挑んでいくのが、充実していて、楽しかったです。

 傷口には癒合をよくするためにトップジンMペーストという薬を塗るのですが、その塗り方や、容器や、どうしたら薬のロスがなくせるかなど、メンバーでやりながらよりよくしてこれました。
 また電動剪定ばさみを導入したことで、作業効率が大きく上がりました。

 

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 最後は古畑の白鳳に5人で取り掛かりました。
 白鳳の前年の結実から収穫期、夏剪定時の様子を思い起こしながら、どうしてやったらいいだろうと思ったとき、枝数や勢いは良いけど、あまり切りすぎないようにしたいと思って、メンバーにもそのことを伝えました。

 品種によって、また畑によって、枝や蕾の充実度や、樹勢も、桃のコンディションが違っていて、桃が訴えていることを汲んで、沿うようにして、剪定をすることを心がけてきたし、そのことをメンバーと共有して、剪定を進めてきました。
 いつもメンバーのみんなは、私に沿ってくれて、緊張感のある、集中した空気感で、目標に向かって、作業を進めてくることができたと思います。
 ありがたかったです。 

 

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 剪定を終えたあと、桃の節句に開花させる目標で、花桃の仕込みをしました。
 加納岩白桃、紅清水、白鳳の3品種から、花枝にするのに形がよくて蕾が充実している枝を集めて、水を張った樽に入れて、黒マルチで覆って遮光して、リビングに置きました。
 4樽分できました。

 

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〈マルチで覆った桃の枝、花が咲くまでおやすみなさい〉

 

 枝回収、枝吊りの修正、ネット用支柱の立て直しなど、今から春の時期に進めたい作業が幾つかありますが、次の大きな手入れとしては、摘蕾を始めます。
 剪定が良い時期に終えられたので、摘蕾も理想的な時期にできそうで嬉しいです。前年の反省を踏まえ、改善したいことを盛り込みながら、また新しい作業にしていきたいです。

(あんな)

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 どうか雨よ、もってくれ! 午後は、永禮さんとの大井が丘での落ち葉集め。古吉野を出発するときは、小雨が降っていて(大井が丘に行くまでに天気がかわってほしい)と思いながら、みんなで出発。今回は20人ほどの大人数での外作業でした。桃の剪定も終わり、桃の剪定メンバーも作業に入っての落ち葉集めが嬉しかったです。

 私とほのかちゃんは永禮さんのダンプの荷台にいて、みんなが集めた落ち葉をダンプに入れる役割でした。大井が丘に着いたら、それぞれ役割に分かれて、落ち葉集めがスタート。雨は止んでいて、天気はなのはなの味方でした。落ち葉は、道路の両脇や側溝の中にあって、鍬担当の子が側溝の中の落ち葉をさらいます。そしてテミを持った子が、そのふかふかの落ち葉をすくって、ダンプまで運んでくれます。

 

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 人数が多い分、落ち葉を運んでくれるみんなの回転が速く、私とほのかちゃんは、運んでいる人たちの手が余らないようにテミを受け取りました。みんながいつでも笑顔でテミを渡してくれるので、プレゼントをもらったぐらい嬉しかったです。ダンプの上から見る景色は、ダンプが進む道路以外は木々に囲まれて落ち葉の絨毯が広がっていました。私は絨毯というよりも、落ち葉の大海原をダンプで進んでいる感じがしていて、みんなからたっぷりと落ち葉をもらうと(大漁だ!)と心の中が満たされた気持ちになりました。
 ほのかちゃんは、ダンプに乗っていて、みんながこちらに来てくれるので「ライブをしているみたい」と言っていました。みんながダンプに向かって走ってくるとき、「(わたしたちの)ファンが来たよ!」と言いながら、落ち葉を待ち構えた時間も面白かったです。

 

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 落ち葉は1時間半ほどで荷台の9割ほどたまりました。9割から最後、いっぱいになるまでが意外に時間がかかります。あおりを超えるぐらい落ち葉を集めても、踏めば踏むだけ落ち葉は圧縮されて、まだまだ落ち葉は荷台に入ります。できるだけ落ち葉を持ち帰ろうと、最後、7人ほどで荷台の上に乗って落ち葉を踏みました。みんなで腿上げをしながら、体重をかけて落ち葉をギュウギュウに圧縮させていきます。

 

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 作業をする前は肌寒く感じるくらいでしたが、身体が汗ばむくらい熱くなりました。サーキットトレーニングをしているかのようで、身体を動かすと気持ちもさっぱりして気持ちがよかったです。

 落ち葉が丁度いっぱいになった頃、雨はまた降り出しました。落ち葉集めが終わるのを空が待っていたようでした。急いで車に乗り込み、古吉野へ。プールで泳いだ後のような心地よい疲労感があって、みんなで集めた落ち葉集めを思うと達成感が湧いてきました。

 この落ち葉は落ち葉堆肥にして、畑で活躍する予定です。この落ち葉でする、スケールの大きい落ち葉堆肥作りも楽しみです。

(ゆきな)

 

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〈古吉野なのはなは、雨模様。温室の建築チームは、作業室のなかで、フレームにはめ込むガラスのカットを進めました。ガラス屋さんから教えていただき、ガラスカットができるようになりました〉
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〈オイル式のガラスカッター。先端に2ミリほどの、小さなローラー式の超硬刃がついています〉
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〈小さな道具で、手早く綺麗にガラスが切れてしまう瞬間。笑顔になってしまいます〉