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1月29日のなのはな
なのはなの大人気作業と言えば……『落ち葉集め with 永禮さん』。落ち葉が落ちている光景を見たたびに、落ち葉集めを思い出しては、いつ行くかな、とワクワクしていました。
そして遂にこの日が来ました。お昼早くからダンプとブロワーを持って永禮さんが駆け付けて下さって、軽トラにはテミ、熊手、箒、鍬、みつ鍬を載せて、道具も気合も準備満タン! それでは、落ち葉集めへ……。
車内では、しりとりをしたり、やすよちゃんが、この日の落ち葉集め会場である大井が丘の魅力を話してくれたり。そうこうしているうちに、あっという間に、大井が丘へ突入。聳え立つ木々に、たくさんの落ち葉、それを目の前にすると(いよいよだ)という気持ちになり、より気合が入ります。
なのはなのファンでいてくださる方が、落ち葉を集め、山にして下さっていました。
初めは皆でその山に取り掛かって、ダンプへ積んでいきます。テミいっぱいに落ち葉を入れて、ダンプの上にいる子に渡す。それを何回か繰り返しているうちに、たくさんあった落ち葉の山が、みるみるダンプの中に吸い込まれていく。あっという間に積み終わってしまいました。既に、ダンプの3割ほどが落ち葉で埋まっています。山もりまでは、まだまだ。ここからが本番です。
続いて、道の脇や、溝に落ちた落ち葉を集めました。ここから3つのチームに分かれて、進めていきました。鍬部隊がどんどん道路へと落ち葉を上げてくれて、それをテミ部隊の皆で集め、ダンプ部隊がそれをダンプの中に入れ、圧縮。
そして、永禮さんが、私たちの集めた後に散らばった落ち葉を、ブロワーで綺麗に飛ばして下さったり、私たちの進み具合に応じてダンプを進めて下さったりしました。
皆がたくさんの落ち葉を目の前に、全身で集め、走って、受け渡し、受け取り、声をかけあって、落ち葉を集め、それを持って駆けていくと、ダンプで、いま帰ってきてくれている卒業生のさとえちゃんや、ほのかちゃんが笑顔で受け取ってくれて、その光景が、とても活気があって温かくて。その中で作業をさせてもらっていると、私自身も、自然とみんなからパワーをもらうことを感じました。
どんどん、どんどん、上で受け取る子の身長が高くなっていく。どうしてか。それは、もちろん、落ち葉が集まっているから!
ダンプの中に落ち葉がたまるに連れ、その上に乗る、ほのかちゃんとさとえちゃんは高くなっていっていました。その時点で大体6割くらい。まだいける!
そうして道の落ち葉を集めていると……ある地域の方が、落ち葉の穴場を教えて下さりました。そこへ行ってみると。
ここは落ち葉の宝庫でしょうか。茶色や黄色の大きな落ち葉がたっくさん。一枚一枚が大きくて、それが集まるとふかふかしていています。
永禮さんがブロワーで、奥から手前に、あっという間に吹き寄せてくださり、まえちゃんがそれを山にしてくれて、皆で寄ってたかって集めていきました。
すると、隣でぼそっとみつきちゃんが、
「ここで寝たら気持ちがよさそう。落ち葉ベッドみたい」
と。
ステキ、その言葉に私は胸が躍る思いに。「3・2・1・ダイブ!」ふかふかの落ち葉の山に寝転がって、しかも私たちの全身に、まえちゃんたちが落ち葉を布団のようにかけてくれて、顔以外落ち葉状態。
ふかふかの落ち葉、そこからかおる香りが心を癒してくれる……糀のような優しい香り。温かくて。落ち葉の下で冬を越す生き物たちの気持ちがよーく分かる。とっても気持ちが良くて、安心……落ち葉という自然が生み出す温かさというか、そういったぬくもりを感じました。
落ち葉ベッドでパワーチャージ。この落ち葉の宝庫により、ダンプ8割。山もりまで、あとちょっと。
引き続き、道の落ち葉を集めていきます。
すると、まえちゃんがこう話してくれました。
「集める前よりも綺麗にして帰ろう。私たちは、落ち葉堆肥を作るために集めているけれど、それによって道が綺麗になって、地域の方にも喜んでいただける。綺麗にしていくことで、次に落ち葉集めへ来る子たちも、作業がしやすくなるから」
と。
落ち葉の上澄みだけを集めて帰るのではなくて、道や溝には落ち葉をなるべく残さないで、集める前よりも一段と綺麗にしていくこと。これから先も落ち葉集めをするみんなのことを考えて、今、目の前の作業をすること。その、まえちゃんの言葉が心に残りました。
鍬で上げて、テミで集めて、最後には熊手や箒も使って、綺麗に……みるみるうちに綺麗になっていく道、そして山になっていくダンプの中、気が付けば、下からも中に入った落ち葉が見えるほど、山盛りになっていました。
もう、これ以上積めないくらいに落ち葉が集まりました! これを、帰って畑に下ろすまでが落ち葉集めです。
畑につき、ダンプのあおりを下げると、隙間が少しもないくらいにぎっしりと詰まり、そこには、落ち葉の壁が。真四角。よーく踏み固めてくれていたみたいです。
それが相当だったのでしょうか。落ち葉を下ろすためダンプを傾けて下さったのですが、なかなか落ちない。45度になっても、なかなか落ちない。ほぼ垂直、となったところでようやく、どかーっと固まりでダンプから地面へ落ちていきました。
その迫力、あの軽い落ち葉とは思えない、ずっしり感。
すべての落ち葉が地面に下りると、思っていた量の倍ほどの落ち葉が、目の前に。
最後に、少し山を皆とえっさ、ほいさと移動させて、無事に、第1回落ち葉集めが完了です!
1回にしてたくさんの落ち葉が集まりました。
水曜日、もう1回、落ち葉集めを行う予定です。そうしたら、堆肥作りがあります。いい落ち葉堆肥ができるように、落ち葉集め、堆肥作りも、みんなと頑張ります。
この日は、永禮さんと皆と落ち葉集めをできた時間がものすごく楽しくて、あったかくて、嬉しかったです。
(ももか)
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***
●米糀づくり●
夜中も、交代で1時間おきに、糀の見回り。
湿度の確認、お湯の入れ替えのために、糀室の毛布、カーテン、ビニルをめくると、ふんわり糀の良い香りに包まれます。
わたしは、よしえちゃんと一緒に、午前2時と6時に見回りに行き、温度は変わらず34度から37度、湿度は80パーセント前後を行き来していて、温度、湿度共に良好。
7時には予定通り、2回目の手入れ「盛り込み」を行うことができました。
「盛り込み」では、種付けの時からのなまこ型を崩して、薄いなまこ型に成形します。
この時点で、破精回り(編注:はぜまわり/菌糸が育ち、米粒の表面に白く広がっている状態)が3割いっていると順調なのだそう。
ドキドキしながら、糀の上にかかっている白い布巾をはぐってみると……。
「おぉ、白くなってる!」
誕生して1日も経っていないのに、潤みを帯びて、すでに糀菌が繁殖している様子が見てとれて、驚きました。
糀の母、ゆりかちゃんが、「破精回り、いい感じだね」と教えてくれて、我が子が、ちゃんと糀への道を歩き始められたことが、嬉しかったし、そうやって、お米に糀菌がついて、繁殖できるような環境作り、手入れを確立してきた歴代の糀の母、先輩方の経験があるから、ドキドキするけれど、しっかりとした米糀が作れます。
手入れをしながら、ゆりかちゃんが、わたしも布団に入りながら考えていた「糀の名前」のアンケートを取りました。
ランニングのお題で、みんなが考えた糀の名前を聞いて、自分が良いと思う一つに、投票する、糀の名前総選挙。
「みんな、心は決まりましたか」
ミソ・シーラン、マロロン・モンロー、Beautiful koji……等々、8つの候補から、7票を獲得した、糀の名前。さぁ、気になる我が子の名は。
「はぜ吉!」
「おはぜ!」
ほぼ満場一致で、なるちゃんの考えた糀の名前「おはぜ」と「はぜ吉」に決定!
名前の決まった糀箱の中で、なまこ型に身を寄せ合う米糀を見ると、もうはぜ吉にしか見えない。わたしたちが育てている米糀にぴったりの名前が付けられて、とっても嬉しかったです。
糀室の左、青いテープの糀箱で育つ米糀を「おはぜ」、右側、緑のテープの方を「はぜ吉」と命名しました。
おはぜは、糀室の上段と中段、下段で大きな温度変化がなく、比較的に安定しています。
一方、はぜ吉の方は、中段がいつもほかの段と比べ3、4度高め。
お昼以降は、どうしても中段が高温になりやすいので、上段に入っていた糀箱を下段に、中段を上段に、下段を中段に、といった風に入れ替えて、なるだけ40度を超えないように工夫しています。
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夕方5時からは、「一番手入れ」。
35度から39度まで熱を持った糀を冷まして、同時に、酸素を供給する目的があります。
この手入れでは、盛り込みで薄くしたなまこ型をさらに薄くし、真ん中に一本、窪みを入れます。これからさらに菌の繁殖が進み、糀が発熱する時に、自らの熱で菌が死なないように、薄いなまこ型、そして一番熱が溜まりやすい真ん中にくぼみを入れて、糀菌を守ります。
朝7時の盛り込みから約10時間が経過。
おはぜとはぜ吉の様子は、どんなふうでしょうか。彼らを覆う白い布巾をはぐってみると……。
「おぉ、菌糸が伸びている!」
ふわふわもこもこ。わたしが2日前に糀室を作りながらイメージしていた、フワフワの菌糸が、おはぜとはぜ吉を包んでいます。
一つの塊を手に取って、香ってみると、ほんわか甘い栗の香り。
糀菌の香りに包まれながら、今回の味噌づくりチーム「イエローファミリー」のみんなと一緒に、和やかに我が子の手入れをしている時間は、温かい気持ちになります。
一番手入れでは、破精回りが5割だと良いそうですが、おはぜとはぜ吉も、いい具合に破精込みが進んでいて、これが、仕舞仕事になると、もっと米糀が白くなるのだそう。
次の手入れは、夜の10時、11頃に二番手入れが予定されています。
それまでに、またさらに繁殖して、破精回りの良いおはぜ、はぜ吉の姿が見られたらいいなと思います。
(なつみ)