【マラソン日記】「1月24日 ほし ― 見たことのない境地を目指して ―」

 1月23日 ほし
「見たことのない境地を目指して」

 フルメニューが始まってから、1週間と少し。次第に身体もランニングに慣れてきました。今日は、夜間の最低気温が-6℃と、とても寒い日でした。けれど、冬の空気は、ランニングの後の身体には気持ちが良いくらいでした。

 私は、自分がマラソンを走る、ということを、未だに信じられずにいます。「走る」ということに、私は、幼いころから、何よりも苦手意識を抱いていました。

 自分が走るなんて到底できない、ましてやマラソンを走る、なんてことは思いもしませんでした。
「もう私は、今後の人生、走らない」と心に決めていました。けれど、その苦境は、私に与えられた試練だと、今はそう思います。

 

 

 実は私がなのはなに来た日は、マラソン大会の日でした。
「もう、私は、今後の人生走らない」と心に決めたはずけれど、その時、あゆみちゃんの運転する車の助手席でうとうととしながら、なのはなのみんなの走る姿を応援して、みんなが、笑顔で颯爽と走っていく姿に、心を奪われました。
 一人、一人、みんなの姿が、凄く美しかったです。その時、大きな希望を貰いました。貰った、というよりは、私の心にドストライクに語り掛けてきたかのようでした。
 無理やりこじつけて後ろ向きになって諦めたところに、そうする必要はない、と語ってもらったかのようでした。

 

 

 また、その時、なのはなの応援に来てくださっていた盛男おじいちゃんと2人でお話をする機会がありました。
「マラソンは、摂食障害に似ている。自分との闘い。みんなは傷ついていてもあんな風に活き活きとしているんだから、あなたもそうなったらいい」
 と話して下さいました。
 その言葉と、走るみんなの姿が重なって、涙が止まらなかったのを、はっきりと覚えています。

 理屈で説明できないところで、希望が湧いてきて、「自分もマラソンを走ってみたい」という気持ちにさせてもらいました。

 今年、マラソンの話を聞いた時、一番に思ったことは、やはり不安と怖さでしたが、それ以上に、「できるかもしれない」「やるならやろう」という気持ちでした。

 

 

 実際に、42.195キロ走ってみて、見えてくるもの、自分の知らなかった、見たことのない境地が見えるのだと思います。その経験は、求めているまだ見ぬ誰かに繋がるものだと思いました。

 今日は、少し走るのが辛いな、と感じる日も、そのことを思い出して、くじけずにいられます。

 フルメニューが始まった初日は、ランニング前に凄くドキドキとしたけれど、実際、走ってみると、少し苦しい部分もあるけれど、気持ちがいいな、と感じました。
 みんなと回すお題回しも楽しいな、と思ったし、実行委員さんが作ってくれる明るい空気にも助けられているな、と思いました。
 毎日、走るごとに、身体も心も強くなっていくのと、“みんなと”だから、一緒に走る仲間がいるから、強くなれるのを感じます。

 

 

 今日は、前日よりも、足が重く、息も上がりました。梅の木コースの最後の坂道を上りきろうとした時、挫けそうになりました。
 けれど、自分の後ろと前で走っているみんなと、「1,2」の掛け声を聞くと、息が上がりながらでも、坂を上りきることができました。

 次回からは奈義コースをみんなと走る予定です。まだまだ途中経過、地道に祈る気持ちで、みんなと向かっていきます。