【マラソン日記】「1月16日 ななほ ――梅の木コースへ!――」

 

1月16日 ななほ
「梅の木コースへ!」

 

 空から、銀色に光る桜の花びらのように雪がふわふわと舞い降りてきた朝。ランニングをする私たちを、那岐山が綺麗に雪化粧をして迎えてくれました。

 そう、今日から、フルマラソンに向けてランニングが始まったのです。
 1月16日の今日から9日間は、「走ることに身体をならす週」ということで、フルマラソン練習の実行委員さんが考えてくれたメニューに沿って、梅の木コースのランニングに行きました。

 ランニングへ出る前には、体育館でラジオ体操や柔軟、腹筋・背筋・腕立て伏せ・プランク・三点倒立などの筋トレを行い、身体を徐々にランニングへと整えていきました。

 

 

 フルマラソンは42.195キロです。今はまだ、3か月後に私が42.195キロを完走できるなんていう保障はどこにもないし、私自身も(本当に走り切れるのだろうか)と不安な気持ちもあるのですが、実行委員さんが、それぞれの段階や時期に応じたフルマラソンまでのメニューを考えてくれているため、怖い気持ちや不安な気持ちよりも、挑戦的で楽しみな気持ちのほうが強いです。

 フルマラソンを走るというときは、ただ毎日やみくもに走る練習をしていれば当日に走り切れるというわけではなくて、プランをもって3か月間、本番へ向けて気持ちも身体も徐々に作っていくことが大切です。

 以前、お父さんが、「筋肉があると、自分に自信がついて心も強くなる」と話してくださったことがあります。精神的にも強く、粘りのある人格になるためにも、この日々の柔軟筋トレが大切なのだと感じました。

 私1人では、フルマラソンまでの練習プランを考えるのは難しいけれど、なのはなファミリーでみんなの中でフルマラソン大会に向かっていく、同じところを目指して同じ気持ちで向かう仲間がいるからこそ、フルマラソン大会が来るのを楽しみに練習に向かえる自分がいます。

 そして、梅の木コースのランニングへ!

 

 

 古吉野なのはなの坂を下れば、目の前には180度どこを見渡しても、田畑の景色が広がり、大地の香りを胸にいっぱい吸い込んで、目をパッと開いて走ります。
 普段、当たり前のように目にしている景色だけれど、改めてランニングをしながら周りの景色を眺めれば、那岐山に積もる雪の白さも、寒起こしされた田畑の土にうっすらと霜が降りている白さも、隣にいる子の吐く息の白さも、どれも美しく感じます。

「あぁ、走るって、どうしてこんなにも気持ちいいんだろう!」
 そう、大声をあげて両手を広げて走りたくなるくらい、ただ走るのが楽しくて、気持ちよくて、生きているっていう実感がしみじみと湧いてくると、豊かな気持ちになりました。

 

 

「いち、に。いち、に……」
 右側の列の子たちが「いち、に」と言えば、左側の列の子たちが「いち、に」と言います。

 掛け声を出していると、自然と息が一定のテンポに整って、身体が軽くなることを感じました。

 走っていると、最初は花びらのような雪がちらつく時もあったのですが、太陽の日差しがパーッと私たちの走る道を照らしてくれたりし、身体もポカポカと温まりました。

 そして、梅の木コースの3分の2くらいまできたところで、恒例の「お題回し」の時間です。

 この日のお題は、「みんなの、フルマラソンに向かう意気込み」でした。
 急な坂道は息が上がりやすいのですが、みんなとお題回しをして、みんなの意気込みを聞いて復唱していると、気が付けば坂は上り終わっていて、何の苦も無く走り続けることができてしまいます。

「心と身体を鍛える」「仲間を想って走る」「粘り強くなる」など、みんなのお題を聞かせてもらう中でより、背筋が正される思いがしたし、毎日、色々なお題を回しながらランニングをしていくのだと思うと、「次はどんなお題が待っているんだろう?」と明日が来るのが楽しみになります。

 

 

 そして、あっという間に梅の木コースを一周して、古吉野なのはなの見慣れた景色に。最後はスキップをしてクールダウンをし、今日のマラソンはおしまいです。

 初日の梅の木コース、2.5キロのタイムは約17分で、時速約8キロだと、最後に実行委員さんのあけみちゃんが教えてくれました。

 これから9日間、梅の木コースを走る中で、走りやすさや身体の使い方がどのように変化していくのかを感じるのも楽しみです。

 3か月後、42.195キロを完走するなんて、今は信じられないような気持ちもあるのですが、フルマラソンの練習を通して、心と身体をより粘り強く、まだ見ぬ誰かのために十分に活かせるように心身を鍛えていきたいです。

 そして、フルマラソンに向かう過程で地道に努力し、計画的に距離を延ばしたり、タイムを縮めていくように、普段の生活でも、目標や、それを達成するためのプランを具体的に立てて、自分の人生というフルマラソンを楽しく走り続けられるように頑張ります!