「書初め、百人一首」 りな

1月2日

 明けましておめでとうございます。新年を、お父さん、お母さん、たくさんの家族に囲まれながら迎えることが出来て、本当に幸せだなあと思います。新しい年がどんな一年になるのか、心もとない気持ちもあるけれど、みんなと一緒に、良い方へ変化できる年にしたいなと思います。

 2日目は、書初め、百人一首がありました。
 午前中、食堂の机に習字セットがずらーっと用意されていて、黒板には、今年の字「行雲流水」が書かれていました。今年は4文字なんだ、と思っていたら、ペアになった人と、2字ずつ書いて、一つの四字熟語をつくることを知り、新しくて嬉しかったです。書初めにも、今年のお正月遊びのテーマ『仲間』を感じられる要素が組み込まれていました。私はまいちゃんとペアになって、まいちゃんが「行雲」、私が「流水」を書きました。

 お父さんが初めに、顔真卿の文字を、どこまでも真似ることが大切だと話してくださりました。文字を真似るというのは、心を真似るということなんだなと思いました。それは書道だけでなく、どんなことも同じで、自分を捨てて、誰かを真似て、真似て、心も真似て初めて、型が出来上がっていくのだと思いました。

 『流水』という字はよく知っている漢字だけれど、顔真卿が書いた見本をまじまじと見ていると、まるで自分が知らない文字のように、新鮮に見えてきました。『流』という字も、『水』という字も、はらいやはねが多かったり、線が直線ではなくて、曲線だったりして、とても難しいなあと思いました。
 1回目は、見本を真似たつもりが、書いた後に見ると、全ての字が太く、ふとマジックで書いたような字になってしまっていました。はねも、起筆も終筆も全部丸くて滲んだようになってしまいました。字にも、我が出てしまっていることを感じました。どうしたら、顔真卿の見本のように、尖った線が書くことが出来るのか、どうしたら、繊細な、細い線が書くことが出来るのか。それは、お父さんが話してくださったように、心を真似ないと書けないなと思いました。字を見て、一画を見て、顔真卿がどんなスピードで書いたのか、どのぐらいの気合、勇気で書いたのか、考えて書きました。

 顔真卿には会ったことはないけれど、こんな人だったのではないか、想像して、顔真卿になった気持ちで書くのが、とても楽しかったです。習字は小学校の頃から苦手意識があったけれど、字が上手か下手かではなく、どこまで顔真卿の文字を真似ることが出来るか、挑戦している時間が、あっという間に感じるぐらい楽しくて、こんなにも字を書くのは楽しいんだ、と思いました。どんどん書いていくごとに、書く字が変わっていくことを感じました。字も、表現の一つで、本当にその時の心がとても分かりやすく映し出されるんだなと思いました。

 後半は、抱負を漢字二字で書きました。私は「立志」という字を書きました。ウィンターコンサートでジャンヌ・ダルクが、
「勇気を持つには、自分を捨てることです。自分と同じ苦しみを、同じように苦しんでいる人がたくさんいるのです。その人たちが生きられる道を、自分の手で切り拓いていこう、そう思うことなのです。そのためには自分の身を投げ出しても構わない。そんな志を立てたならば、その時からあなた自身が救われるのです。」
 と洋子さんに話してくれました。それは、洋子さんだけではなく、私達全員にしてくれた、唯一生きられる答えだと思いました。

 自分を救うのではなくて、仲間を、そしてまだ見ぬ誰かを救うために良くなっていくのだと思いました。お父さんが昨日、お屠蘇の時に、今の世の中が抱えている、目に見えないけれど大きな問題について話してくださりました。それは、他人ごとではなく、変えていくのは、自分たち一人ひとりなんだと思いました。私達は、社会の抱える根本的な問題に、真っ先に気が付いて、苦しくなったのだから、苦しさの原因に目を背けたり、知らないふりをして生きられないのだと思いました。現代のジャンヌ・ダルクになって、新しい道を切り拓いていくのは、私達なんだと思いました。
 食堂に飾られたみんなの抱負を見て、背筋が正されました。みんなの意気込みが伝わってきて、コンサートの時に感じた一体感を、また感じるようでした。仲間の存在が心強くて、今年1年、仲間を大切にしたいと思いました。

 午後は、百人一首で遊びました。2年生教室、3年生教室の畳の部屋が会場だということも新しかったし、実行委員さんからもらった案内状がとても綺麗でした。
 ちらし取りを、楽しみにしていました。毎食一首ずつ、自分の席に配られて、その札を溜めていました。自分のところにきた和歌は、取りたいなと思って少しだけでも必死に覚えました。これまでは、かるたのように、ひたすらに最初の一文字を覚えて、下の句が読まれてから札を探していました。でも、今年は、札が散らばった時点で、読んで、自分の知っている歌がどこにあるかを探しました。読んでいると、意外と見覚えのある句がありました。それは、お父さんが解説して下さったり、食事のコメントで、みんなが和歌を読んでくれたからでした。これまでは、平仮名だけの下の句の札が、まるで暗号のようにしか見えなかったのが、文章として頭の中にインプットされるというか、上の句は思い出せないけれど、誰が読んだ句だったとか、こういう意味がありそうだと予想を付けることができて、札を探しやすくなりました。

 「ちはやふる」と「みちのくの」と、「はるすぎて」の句は絶対に取りたい! と思っていました。結果的に取れなかったとしても、上の句が読まれた瞬間に取りにいくことができて、それだけでも楽しかったです。同じチームのりんねちゃんが、たくさん句を覚えていて、上の句を詠んでいるときに、吸い込まれるようにして、札を取っているのが、とてもかっこよかったです。私も、もう少し知っている歌を増やせたらいいなと思いました。

 2つ目の遊び、青冠では、すごく頭を使って難しかったけれど、2回戦ともドラマがあってとても楽しかったです。2回戦目に、偶然にあゆちゃんペアも、私達のペアも姫のカードがとても多くて、姫に助けられました。あゆちゃんが「大奥」と言っていたのがとても面白かったです。

 3つ目の坊主めくりも、とても盛り上がりました。特に、最後の大きな円で、全員でした回が楽しかったです。「蝉丸」後の大量の札を、たけちゃんが姫を引いてがっぽりと持ち札になったとき、たけちゃんがすごく嬉しそうにしていて、敵チームだけれど、嬉しい気持ちになりました。

 ちーちがさりげなく坊主を引いていたり、りゅうさんがなぜか味方チームに坊主コールをしていたり、まことちゃんが坊主かつらを被りながら3回連続で坊主を引いていたり、面白いシーンがたくさんあって、お腹が痛いぐらい、たくさん笑いました。
 最後の句を作るボーナスゲームも、配膳チームさんの句が、ほっこりする内容で、とても温かい気持ちになりました。

 明日は、コマ回しの実行委員を頑張りたいです。みんなが、アルミや木ゴマを回せれるようになったらいいなあと思います。セブンブリッジもハラハラドキドキします。
 読んでくださりありがとうございました。おやすみなさい。