1月1日のなのはな
新年あけましておめでとうございます。いつものように朝が来て、目が覚めました。昨日、家族みんなでセブンブリッジをしながら年越しをしたのが幻のように思えるけれど、昨日までが2023年、今日から2024年、元日なのだと思うと、それだけで空気が一新したかのように、気持ちも新鮮で清々しい気持ちになりました。
リビングでお正月の飾りつけをしていると、「大きな虹が出ているよ!」と声を弾ませながら、教えてくれた人があり、その場にいた人みんなと、急いで窓に駆け寄りました。すると、窓のフレームいっぱいいっぱいに、古吉野の校舎の端から端まで繋ぐように、大きくて濃い虹がかかっていました。外は、お日様が出ている中に、パラパラと小雨が降って、不思議な天気。だけれど、そんな雨も忘れてしまうぐらい、大きな虹が、私達の心を明るく照らしてくれるようでした。
今年はどんな1年になるのか、心もとない気持ちを埋めるかのように、神様が私達にくれたプレゼントのようで、とても嬉しい気持ちになりました。今年も、きっと良い1年になりそうだと、希望が持てて、安心した気持ちになりました。早朝の綺麗な虹が、大きなパワーをくれました。
新年を、お父さん、お母さん、たくさんの家族に囲まれて、迎えられることが、とても幸せで恵まれているなあと思いました。朝食は、昨日、みんなと詰めたおせちとお雑煮を頂きました。お雑煮は、みんなが作ってくれただし汁に、餅つきの日に丸めたお餅が入っています。おせちも、一人ひとりの前にお重が置かれて、私のところに配られたおせちも、誰かが詰めてくれたものだと思うと、お箸をつけてしまうのがもったいないと思うぐらいに、嬉しかったです。
私は、伊達巻きを作りました。焦がさずに焼けるかどうか、綺麗に巻けるかどうか、作る前はとても緊張していたけれど、結果的に綺麗に巻けて、みんなのお重に詰められて嬉しかったし、食べる時に、作っている時の様子が思い起こされて、心が温かくなりました。自分たちで育てた作物を使って、手作りしたおせちが、とても貴重なものだなと思うし、毎年毎年、受け継いでいけることが嬉しいなと思いました。
元日の午前は、まず、お屠蘇を頂いて過ごしました。お父さん、お母さんが、2024年は、どんな1年になりそうなのか、話してくださりました。個人ベースではなくて、もっと大きな社会的な面での、これからの在り様を聞き、視野がとても広くなったように思いました。そして、それは他人ごとではなくて、一人ひとり、私も例外なく、背負っている責任があるのだと思いました。これからの新しい世の中を作っていくのは、自分たち一人ひとりで、その役割は切り離せないものだと思いました。毎日をどう過ごしていくか、その日々の積み重ねが、これからの世の中を作っていく基盤となるのだと改めて感じて、その意識を持って、役割を果たしていく1年にしたいと思いました。
みんなの抱負を聞かせてもらい、私も背筋が正されるような気がしたし、私も、お父さんお母さん、みんなの前で発表することにより、決意表明のような、どう1年を過ごしたいのか、その意思がはっきりと自分の中に入ってくるような気がして、その時間がとても嬉しかったです。誰もが新年に前向きに、より良い方向を目指して希望を持っている空気がとても清々しく、澄んで感じました。目指す先を同じくした仲間が、こんなにも近くにたくさんいることが、とても心強く思えました。お屠蘇をして、これまでにけじめをつけて、新たな心持ちで、また1年を過ごす節目となりました。
小雨が止んだ頃、長い列を作りながら、初詣に行きました。外に出て歩いていると身体がポカポカして、とても暖かくなりました。遠くに見える那岐山の山頂に雪が降り積もって白くなっていたり、石生の畑は豆が刈り取られて島立てされている光景など、普段よく見る景色でさえ、細部まで鮮明に目に飛び込んできて、まるで初めて通る道のように、新鮮に感じました。
神社の鳥居を越えると、とても神聖な気持ちになりました。雨上がりの湿った空気と、神社を囲う背の高い大木とで、別世界に来たようでした。大きな木も、岩も、草も、全部生きているように感じて、大きな存在に守られているような感覚になりました。本殿を前にすると、本当に自分という存在がちっぽけに感じるし、大きなものに生かされているんだなと思いました。祠に手を合わせながら、本当に毎日を、手を合わせるような心持ちで過ごさないといけないなと思いました。どこを見られても恥ずかしくない日々を、作っていきたいなと思いました。
初詣に行って、新年へのスタートダッシュをみんなと切ることができました。2024年を、未来に希望を持って、明るい気持ちで迎えられて、とても嬉しかったです。今日の気持ちを忘れずに、これからも過ごしていきたいです。
(りな)
***
年越しセブンブリッジから一夜明け、三が日の1日目。
セブンブリッジで厄落としをしたピンクチームの運気は、いかに……。
サービス精神旺盛な実行委員さんは、「福笑いと豆つまみ、どっちをやろう」と迷った末に両方の遊びを企画し、準備を進めてくれて、午前中はお屠蘇の後に福笑い、午後には初詣の後に豆つまみをして遊ぶことができました。
集合の時間になり、リビングに入ると、黒板にはお福さんののっぺらぼうと、その両サイドには、たくさんの顔のパーツがはられていました。
お福さんらしい丸い眉毛もあれば、歯ぎしりをしている口、少女漫画のようなキラキラした目や、鼻水が垂れている鼻などもあり、一体どんなルールなのか、パーツを見ているだけで、ワクワクしてきて、人生初めての福笑いに期待が高まります。
まずは、実行委員さんからのルール説明。
1種目目は、お多福さんの顔を使っての福笑い。
チームごとに、それぞれ違う見本を提示されるので、自分たちのチームの見本に忠実な表情となるよう、各パーツを配置していきます。
2回戦、続いて行い、1回戦につき、制限時間2分30秒。
5人ずつが出場します。1人が指示役となり、残り4人は目隠しをして、たくさんのパーツがある中、指示役の声を聞きながら正解のパーツを配置していきます。
私たち、お父さんお母さんチームは、1回戦目、お父さんがコーチゾーンに立ち、よしえちゃん、ちさとちゃん、さやねちゃん、わたしは、パーツがはられた黒板の前で目隠しをして、お父さんの指示をよく聞いて、パーツを配置していきます。
昨夜、苦難を共にした仲間と共に、いざ参らん。
「よーい、スタート!」の声と共に、お父さんが一人ずつに、「右手を上げて、もっと左、上!」と言いながら、正しいパーツを掴めるように誘導してくれます。
パーツを掴むと、そのままお福さんの顔にはり付けるのですが、正しい場所にはるのが、とっても難しい。お福さんの顔をイメージして張っているはずなのに「もっと右!」と指示が飛んで来たり、お父さんは、元日からたいへんなコーチになってしまって、福笑い、思ったよりとーっても難しい。
「終ー了!」の、あゆちゃんの声を聞いて、目隠しを外して、みんなと作ったお福さんの顔を見ると、あれれ、なんだか唇が顎についていたり、眉毛が全剃りされたのか、生えていない。鼻もないので、なんだかすっきりしすぎてアンバランス。
これは、お父さんが、もどかしくて叫んでしまうのも分かります。
続けて2回戦目。
やはりお父さんが指示役、お母さん、さやねちゃん、ちさとちゃん、ちかちゃんでパーツをはっていきます。2回戦目は、1回戦目と違って、見本の顔がどんなものかわかるので、かなりイメージしやすい様子。みんな、手に持ったパーツは、(あぁ、これは眉毛だな)とわかっているようで、かなり順調に、正しい場所にはっていき、完成した顔は、見事、見本のお福さんそのものに。
ピンクチーム、年が明けたからか、勢いを感じます。
採点には、3つのポイントがあり、まず、お福さんの顔の上に、見本通りのパーツが1つ配置されるごとに2点。見本とは違うけれど、同じカテゴリーのパーツが配置されていたら1点。そして、1つのパーツが顔の中の正しい場所に収まっているごとに、ボーナス2点の「整ってるよポイント」があります。
2回戦目は1回戦目の倍、22点を獲得できました。
福笑いトップバッター、上々なのではないでしょうか。
ピンクチームの福笑いを見た、他のチームも作戦を練り直して試合に臨んでいました。
1種目目の福笑いの点数はどこも僅差で、2種目目に入ります。
実行委員さんが持ってきた大きな紙。広げてみると、なんだか見覚えのある髪型の、のっぺらぼうが。
「お父さんだ!」
そうです。2種目目は、名付けて「美男子お父さんを作ろう!」
これは、お父さんの顔で福笑いをする種目で、何としても、お父さんの娘として、ハンサムに仕上げたいところです。
私達ピンクチームは、指示役をお父さん、じゃんけんで勝った、ちさとちゃん、さやねちゃん、よしえちゃん、ちかちゃんがお父さんのパーツをはっていくことになりました。
トップバッターは、台所のりゅうさんチーム。
制限時間は2分で、パーツが少ない分、時間もお福さんより短めとなっていました。
さぁ、早速始まってみると、とっても難しいことがわかります。
何が難しいかって、ちょっと眉尻が下がったり、ちょっと目頭が上がると、お父さんではなくなるのです。
パーツは、お父さんなのに、角度が違うだけで(誰これ??)と思う顔になってしまって、パーツを正しくはろうとすると、全パーツをはり付けることが難しくなって、片目と口が、はれなかった時は、
「片目に眼帯をして、口にはマスクをしているんですね」
とお父さんがコメントしていて、大分、非常事態なお父さんが出来上がっていました。
パーツが中心に寄って、童顔となったお父さんや、眉毛が逆さまになったお父さん。私達ピンクチームは、全パーツはれたけれど、ちょっと口がひねくれてしまって、ピカソがお父さんを題材にしたら、こんな感じかな、といった顔で、これは本当に難しい。
お母さんが各チームの「美男子お父さん」を写真に残して、点数を100点満点で付けてくれたのですが、
「うーん、全パーツ揃っているけれど、お母さんが好きなお父さんの顔じゃないなぁ」
と、あゆちゃんにこぼしていたそうで、最高得点は70点。悔しいので、もう1回やりたい! そう思わずにはいられない、お父さんの福笑いでした。
そして、ラストの3種目目は、今年の干支「辰年」にちなんで、辰の顔で福笑い。
この福笑いは、今までの2種目とは一味違って、全員参加型のクイズ形式となっていました。
お題が書かれた紙を各チームが1枚ずつもらい、喋らずに、チーム全員でそのお題に沿った表情を作ります。制限時間は1分。
できあがった顔を見て、4択の中から、正解のお題を当てたチームには10点、当てもらったチームは、当てたチームの数×10点が入ります。
私達ピンクチームは、またもトップバッター。
お題は、なになに。
「初めて、生まれたばかりの我が子を見たときの辰」
考える間もなく、あゆちゃんの「よーい、スタート!」の声がかかり、わたしはとりあえず、眉尻下げめにして眉毛をはり、どうしよう、どうしようと右往左往している間に、ウルウルした目がはられ、女性らしい唇がはられ、白いひげが目の下から伸びて、うん、何か感動しているのは、伝わる。
「終ー了!」あゆちゃんの声で、必死にそれらしいパーツをはっていたわたしたちも手を止め、みんなが当ててくれることを祈ります。
4択の1番目が、正解のお題。しかし、ほかにも、そう言われれば、そう見える、と思う選択肢もあって、(どうかお願い……!)と祈っていると、奇跡が起きたのか、みんなが一番を選んでくれて、見事、満点の50点を獲得。
意外と、この種目は点数を取りやすいのかもしれない。そう思い、今度は自分たちが、当てる側となると、案外難しいことがわかります。
まえちゃんチームは、辰の目が血走って、口が梅干しのように酸っぱくなっていて、これは選択肢の「梅干を食べた辰」か「渋柿を食べた辰」のどちらかで、うーん、どっちだろうと悩んだ末に、この口の感じ、梅干しだろうと思い、チームで相談して選択肢の3番を選んだところ、実は2番の「渋柿を食べた辰」だったりして、この微妙な表情のニュアンスの違いが、かなり大事な決め手となっているのだなと思いました。
その後、なっちゃんチームのお題は「お風呂に入ったら水風呂だった」というもので、全員不正解。お父さんが、自分だったらどう作るか見せてくれて、辰から鼻水が垂れた鼻と、眉毛だけを残して、いくつもの目や鼻、眉毛を、辰の周りにはって完成。
つまり、辰の顔には、眉と鼻だけが残り、そのほかは顔の周りに飛んで行ってしまっている光景。
わたしは、
(あぁ、水風呂で驚いて顔のパーツ飛んで行ってしまったんだな)
と理解しましたが、お父さんの感覚の表現は、どこまでも自由で、自分の世界も広がるのを感じました。
顔のパーツは、何も顔の中に納める必要はないのだと、お父さんに教えてもらえて、次の福笑いに、ぜひ生かしていきたいです。
さあ、3種目を終えて、しかし、まだ点数はシークレット。
お昼ご飯と初詣を挟んで、午後には豆つまみで遊びます。
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豆つまみ1ゲーム目は、半径1メートルの円の中心に、赤、青、黄色のペットボトルが1本ずつ置かれていて、赤には小豆、青には黒大豆、黄色には白大豆のみを、1チーム5人で入れていきます。
1回戦目はノーマル戦で、入れただけ、全て得点にすることができます。
しかし、2回戦目は、ギャンブル回。3本のペットボトルのうち1本は、ウィンターコンサートで沈んでしまった“ブリンゲン島”となり、ブリンゲン島に蓄えた豆も一緒に沈んでしまうのです。つまり、そのペットボトルの点数はゼロ点。
豆つまみを終えてから、くじで引いた色のペットボトルがブリンゲン島となり、沈むため、どのペットボトルの中身がゼロ点になってしまうかわからない、ハラハラドキドキのゲームです。
1回戦目は、とにかくひたすら豆を入れる、入れる、入れる。半径1メートルは思っているより遠いのですが、背が高く、腕も長いお父さんがいるわたしたちに怖いものはありません。黒大豆を「あぁ」「うぅ」と言いながら(なぜなら、この競技は非常に腹筋を使うので)、器用に入れていくお父さんの隣で、わたしとさくらちゃんは、無心で白大豆をペットボトルに入れていきます。
結果は、上から2番目の2040点! 1位と30点差で、かなりいい勝負。
2回戦目の、沈むブリンゲン島戦では、なっちゃんチームが、黒大豆を入れる青いペットボトルだけに豆を入れて、くじで青を引いたらゼロ点になってしまうところを、見事に黄色を引いて、1600点ほど獲得していたり、逆に、まえちゃんチームは、青と黄色のペットボトルに豆を入れて、青を引いてしまったり、いろいろドラマがあり、どういう作戦が一番いいのだろうと思って見ていましたが、お父さんが「均等に入れるのが良い」と結論を出して、わたしたちは、どのペットボトルにも均等に入れる作戦で行きました。
お母さんとちかちゃんは、黒大豆、わたしは白大豆、よしえちゃんは小豆、さくらちゃんは白大豆と小豆のハイブリッドでバランスを取り、いざ豆つまみ開始。
無心で入れていきます。白大豆、時々ものすごく小さい粒がありましたが、それも実行委員さんの作戦なのでしょう、わたしもさくらちゃんも動じません。掴んでペットボトルに入れていきます。もう、セブンブリッジのときのように、ピンクチームを負かすわけにはいかないのです。
全集中力を使い果たし、後は、お父さんが引くくじを祈るだけ。
お父さんが引いた色は……青! つまり、黒大豆は全て無効となります。サヨナラ、590点。しかし、小豆と白大豆だけで1400点以上を獲得することが出来、やはり、ギャンブルをせず、自分を捨てて、欲を捨てて戦うことが、大事なのだと、昨日に引き続き、実感しました。
そして、豆つまみ2種目目は、「チームで協力して豆を入れつつ、ピーナッツを回避せよ!」
この種目は、先ほどの種目で使っていた円を半分に割って、それぞれ違うチームの陣地とし、2チームの対戦形式で戦います。
豆の散らばった、自分の陣地、相手の陣地にそれぞれ10個ずつピーナッツが散らばっていて、試合終了の合図の時点で、落花生が自分の陣地にあると、1つにつきマイナス50点で減点されていきます。
つまり、ペットボトルに貯蓄をしながら、自分の陣地にあるピーナッツを、1つでも多く相手陣地に送り込み、マイナスを減らさなければならないということ。
わたしたちピンクチームは3試合目の出場だったので、1試合目、2試合目を見て勉強し、お父さんが、ピーナッツは、残り20秒になるまで手を出さず、お父さんが合図を出したら、1か所に向けて集中的に送るという作戦を伝えてくれました。
わたしたちは試合が開始すると、大人しく、ひたすら豆をつまみ、ペットボトルに蓄え続けます。でも時々、それとなしに、ピーナッツが向こうからそっと、こちらの陣地に置かれていて、それでも無視して、ひたすら豆を入れて、さぁラスト20秒、お父さんが、
「どれみに向かってピーナッツ!」
というGOを出して、わたしたちは、ひたすら自分のところにあるピーナッツをどれみちゃんに向けて投げました。
しかし、終わってみると、(……あれ、場外にいくつも爆弾が飛んでいっている…)。
必死に応戦しているうちに勢い余って場外に行ってしまったピーナッツは、自分たちの物となり、減点となります。
(あぁ、だめかもしれない)そう思ったのも束の間、それぞれの土俵に集められたピーナッツの数は、10個ずつ。つまり、お互いプラスマイナスゼロ。純粋な豆の数の戦いとなります。
さぁ、豆の数はどうか。
なんと、ほんの数個の差で、ピンクチームが勝つことが出来、2試合目も、どういうことか、やはりピーナッツは、最終的に10個ずつ、自分と相手の陣地に残っていて、ピンクチーム、なかなか、豆つまみ優秀だったのでは、と思います。
最終結果発表!
福笑いでは、ピンクチーム2位と、好成績でしたが、豆つまみでも、勢い衰えることなく、そのまま2位の座を譲らずゴールイン!
ちなみに1位は、りゅうさん率いる台所の青チームさんでしたが、やはりりゅうさんの人並み外れたパワーは強いなと思います。
昨夜のセブンブリッジで、お父さんは「厄払いになったんだ」と話していたけれど、本当に、年が明けたから、ピンクチーム絶好調で、お父さんお母さんの笑顔が嬉しかったし、何より、こんなに楽しいゲームを企画してくれた、実行委員のみんなに、感謝の気持ちでいっぱいで、わたしも、明日は百人一首の実行委員。
皆に楽しんでもらえるよう、精一杯頑張りたいです。
(なつみ)