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12月22日のなのはな
「この脚本で何度も何度も繰り返し通しをする中で、1人ひとりが自分のこととしてこの脚本の答えを自分の中に落とし込んでいってほしい」
通し練習が始まる前、お父さんとお母さんがそう話してくれました。
コンサートまであと2日。2日後、このステージで、たくさんのお客さんの前でコンサートをしていることを思うと不思議な気持ちがするのですが、コンサートへ向けて着実に準備が進んでいます。
誰もが昨日よりも今日、今日よりも明日という気持ちで最後の最後までよいものを目指して練習に励み、照明やスポットライトの光の中で、コンサートをできることが嬉しいです。
この日は、午前中に昨日の通し練習での修正や確認、午後から前後半の通し練習を行いました。
明日はゲネプロの日ですが、なのはなファミリーのコンサートは毎年、最後の最後までより良いものへと変わっていきます。
その1つが『クリ-ピン』です。
『クリ-ピン』はコンサートの中で重要な場面で使われる曲なのですが、午前中の最後に大竹さんが新しく、なおちゃんが踊るラップの振り付けを考えてくださりました。
大竹さんが「僕は、動きをつけることしかできませんが」と言いながら、センターでスポットライトに照らされながらラップの振り付けを踊ってくださり、みんなに囲まれて真ん中で踊る大竹さんの姿がとても輝いていました。
そして、午後の通し練習ではさっそく、なおちゃんがその振り付けを踊っていて、より印象的で迫力のある『クリ-ピン』となったのが嬉しかったです。
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それからもう1つ、変わったことがあります。それは、ラストシーンで新しい台詞が加わったことです。
お父さんとお母さんが作ってくださったウィンターコンサートの脚本。毎年、物語や内容は違うけれど、伝えたいことは1つで私たちが摂食障害から立ち直り、よく生きていくための答えが示されています。
今年のウィンターコンサートのテーマは『魔女』。
魔女となる選択をした主人公たちの姿は私たち自身のことであり、主人公たちが、魔女たちがこのコンサートの脚本を通して変わっていく姿も自分たち自身のことです。
何のために生きるのか、何のために摂食障害から立ち直るのか。そして、よく生きていくには、ちゃんと自立して生きていくのはどんな心持ちで、どこを目指して生きていったら良いのか。
その答えが詰まっています。
お父さんとお母さんが書いてくださった脚本で通し練習をする度にこの脚本が自分たちのものになっていき、「お話」ではなく、本物になっていくのを感じます。
主人公たちの姿は紛れもなく、自分のこと、みんなのことであることを感じるし、このコンサートで私たちを代表して主人公の女の子たちが私たちの気持ちを、私たちが生きる道を言葉にして、私たちを代表して表現してくれることが嬉しいです。
通し練習をする度にみんなの気持ちが1つにまとまり、舞台の上も、舞台袖も空気が透明になり、洗練されていくのを感じます。
1人ひとりが自分から離れて、舞台の上でこのコンサートを作る1人としての責任を持って表現する姿、台詞の言葉を通してお客さんに気持ちを届けたい、思いを届けたいという意思を感じます。
それは、役者の子たちだけではなく、舞台袖に立っていてもみんなが背筋をただして、舞台を回してくれている子たちが演じやすいように、気持ちが出しやすいようにとステージに気持ちを向け続けていて、その中で私もこのコンサートを作る1人としてコンサートを動かしていけることが嬉しいです。
なのはなファミリーのウィンターコンサートは、脚本も劇もダンスも演奏も、照明や舞台背景などもすべて自分たちで作っています。
そして、生身の私たちが気持ちを込めて表現しているから、毎回の通しが全く同じというわけではなく、気持ちで空気が変わっていきます。
いつも綱渡り、いつも崖っぷちで成功する保障はありません。
でも、だからこそ一瞬一瞬を大切にして、その綱渡り、崖っぷちの状態を仲間と共に乗り越え、仲間と気持ちを1つにして乗り越えていくことに生きがいや喜びを感じるし、コンサートに向かう過程を通しても、よく生きていくための答えをたくさん示してもらい、受け取ることができます。
今日の通し練習ではあゆちゃんの提案で、自分の出番が落ち着いているときに客席の方で舞台を見てもいいという機会をもらったのですが、客席の方から舞台を見てみると、照明に照らされて演じ、踊る仲間の姿が輝いていて、1つの芸術作品がそこにはありました。
大竹さんとりかぽんが調光卓の方で照明を動かしてくださっていたり、2階席の上では白井さんたちがピンスポットをしてくださっていて、本当にみんなで作るコンサート、たくさんの人の力が合わさってのコンサートだと感じました。
今日、通しが終わったあとに白井さんが「みんなの演技に何度も感動して、魂が台詞を言っているように感じました」と話してくださり、そんな風に自分から離れて、自分たちは神様に生かされている存在として今できる精一杯でいつも生きていたいし、コンサートを通しても自分の魂を磨いていきたいです。
明後日はウィンターコンサート当日です。
1回1回を本番として、1日1日が人生の本番としてこれまで積み上げてきたものを全て出しきり、今までで1番よいステージにしていきたいし、どこまでも理想を高くもち、その理想を達成するためのプランを立てて表現します。
明日のゲネプロではビデオカメラで卒業生やボランティアのゲストの方々も帰ってきてくださります。また、卒業生ののんちゃんも帰ってきてくれてダンスに出演してくれます。
全員が揃っての通しは明日のゲネプロが初めてになるのですが、緊張感をもって、仲間を想い、仲間と共にコンサートに向かいます。
(ななほ)