12月3日
●生きているということ
2日間の音楽合宿が終わりました。
「主人公3人の物語を自分の物語にする」「この物語を自分の道しるべにする」。
食堂のどこから見てもはっきり読み取れる、大きくて力のこもった字。あゆちゃんが、いつものように、今週のテーマを黒板に書いてくれていました。
しかし、コンサートまでの残り日数が限られてきて、わたしは、みんなと違う方向を向いてしまっていたことに気がつきました。
自分が踊れているかどうか、歌えているかどうか。自分ができているか、できていないかに必死になってしまっていて、肝心な「表現したい」という意志を置いてきてしまっていました。練習をしていても、指摘されることや、自分の足りていないことに直面すると、気持ちが波立ってしまっていました。
「自分を捨てるのよ」。
やよいちゃんが、ステージいっぱい動き回って、全身を使って伝えてくれている。通し稽古で後ろで待機しているとき、ハッとしました。その姿も台詞にも、衝撃を受けたようでした。今の自分に言われているようで、やよいちゃん演じる主人公の言葉に、わたしもすくい上げてもらったようでした。
自分が不出来だとか未熟だとかも超えた先にあり、ただ真剣に、一生懸命に、表現し続けながら生きていく。
主人公たちの気持ちをなぞって、包み込むように。迷い込んだ非現実の世界をアピールするように。いくつもの場面を、それぞれ違う役割であっても、みんなでバトンを繋ぎ合っていると、やっぱり、ものすごく面白いです。楽しいです。こんな形容詞では言い表しきれない、幸せな気持ちになります。
まさに、生きているという感覚を味わっているのだと思えます。
生きていることがこのような感覚なら、毎日、どんなときでも、この気持ちであらなければいけないと思います。そうでしかわたしたちは生きていけない。
他人の話じゃない。この物語は、わたしたちの物語でしかありませんでした。
こうやってコンサートで、みんなとこの物語を道しるべにして、進み続けられることがうれしいです。
今回の通しで、みんなと、「本当の本当に、コンサートの舞台に立つ」というビジョンが鮮明になりました。
ちゃんと生きたい。明日からも、誓いを立てて過ごします。