「愛情について 2つのこと」 えつこ

10月25日

 お父さん、昨晩は本当に本当にありがとうございます。とても楽しくて、濃い時間が過ごせて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。お父さんの愛情をたくさん感じた時間でした。

 書きたいことはたくさんあるけれど、特に強く心に残ったことを2つ書きます。

 ひとつは、強い人格を作る、というお話です。私も、だいぶ薄れてきてはいるけれど、それでもやはり怒られる怖さが残っています。臆病で、意志を持つことをとても難しく感じています。そのことが自分の成長を大きく妨げているように思います。私も、強い人格が作られていないです。
 では、強い人格を持つにはどうしたらいいのか。それは、神様はこう考えている、という背骨を持つこと。私は正しい人として生きようとしている、という鋼のように強い心を持つこと。やはり、どこまでも利他心なのだと思いました。

 また、正当な怒りは真正面から受けて、不当な怒りは鋼のように弾き飛ばす、というお話をしてくださいました。その言葉を聞いたとき、謙虚さは強さだと、思いました。
 私は、正しい人として生きたいです。しかし、私にはまだまだ間違ったところがたくさんあるので、間違っていることを叱ってもらえることは、とてもありがたいことです。大人の年齢になってから、自分の人格を作り直せるのは、とても得難いことです。怒られることから逃げるのは、とても利己的なことなのだと思いました。
 正当な怒りは、真正面から受けて、謙虚な気持ちで間違いを修正します。不当な怒りに対しては、鋼の心で弾き飛ばします。
 鋼の心を、今ここから、作ります。

 もうひとつは、自分の理解してもらいたいところの強弱をつけることで理解されやすい人になる、というお話です。
 私は、お父さんから、日頃のみんなの理解のされ度合いについて聞かれたときに、即答できませんでした。お父さんが、「誰かとトロンボーンの練習をしているときに、どれくらいに同じ練習をしている仲間と心が通じ合えていると感じる?」と質問をしてくださいました。
 その途端に、とてもわかりやすくなりました。私は、トロンボーンのパート練習や、アンサンブル練習をしているときに、とても、仲間と心が通っていることを感じます。それは、言葉だけでなく、楽器の音でも心を通わせ合っていると、感じます。
 また、私は、トロンボーンのパート練習をしているときにリーダーをすることがありますが、そのときに、みんながキラキラとした表情で楽しい空気で気持ちを沿わせてくれることに、とても救われています。私はリーダーとしてとても未熟です。でも、その未熟さも理解して受け入れてくれて、その上で、気持ちを沿わせてくれているのを感じます。
 だから、私は、トロンボーンのパート練習の時間がとても楽しくて大好きだし、トロンボーンパートのみんなのこともとても大好きです。みんなのために、もっとトロンボーンを上達したいし、良いリーダーになりたいです。

 次に、お父さんが、「じゃあ、愛情を感じているわけだね」と話してくださったとき、自分が気がついていなかったことにお父さんに気付かせてもらいました。トロンボーンを誰かと吹いているときの、あの幸福感、これが、愛情だったんだと、思いました。私はみんなからの愛情を感じていたんだと、気がつきました。そう思ったとき、トロンボーンパートのみんなの顔や、一緒にアンサンブルを吹いている仲間の顔が思い浮かびました。心を土に例えるならば、水を拒んでいた固い土が耕されて、その瞬間に水が素直に土に染み込んでいくようでした。

 

 その後、受験勉強を例に出して、お話してくださいました。点数が伸び悩んでいるときに、お父さんが、「数学だったら何が好きか」と聞いたときに、「ありませんでした。平均的に勉強していました」と答えた人のこと。
 それではおもしろくない。好き嫌いを作って、好きなところを勉強することだ。そうお父さんがアドバイスをして、それから好き嫌いを作って、勉強をしたところが出たら、そこはドンと点数が取れたとのこと。

 自分が思う得意分野を意識すると、理解されやすい人になる。平均的に立派な人間になろうとしなくても良い。これをしているときの自分は気持ち良い、これをしているときの自分が好きだと、強弱をつけることが大切。

 私は、このお父さんのお話を聞いたとき、視界が明るく開けてきました。「愛情不足というのは、愛情を出す人だけでなく、受け取る自分にも多少の問題があった可能性がある」という言葉も、とても心に残りました。
 自分が愛情を上手く受け取れていなくて、それで、慢性愛情不足を感じていたのだと気がつきました。

 私は、平均的に良い人になろうとしていました。しかし、平均的に良い人になろうとすると、あれが出来ない、これも出来ないと、自分の嫌なところがたくさん目について、そうなるとどんどん視野が狭くなって、自分で自分を苦しくさせていました。

 平均的に良い人にならなくても良い。トロンボーンが好きで好きで仕方がない私でいても良い。そう思うと、希望が出てきて、これから生きていくのが楽しみな気持ちになりました。私は、トロンボーンが得意分野ですと言うには、まだまだ未熟で、もっともっと修行が必要です。しかし、トロンボーンが好きで好きで仕方ないです。そして、トロンボーンが好きな自分も好きです。そんな私を理解してくれる仲間のことも大好きです。その好きの気持ちをもっと深めていきます。

 お父さんの愛情、仲間の愛情を色濃く感じた時間でした。