「2016年ウィンターコンサートのDVDを見て」 えつこ

9月13日

 遅ればせながら、2016年のウィンターコンサートのDVDを見ての感想です。心が洗い清められました。どんなに進化しても、なのはなの精神性は変わらなくて、伝えたいことはただひとつなのだと思いました。今の私にも必要な答えがそこにありました。宇宙船の乗組員は、私たちでした。オープニングの『セット・ファイアー・トゥ・ザ・レイン』で、セリフは何もないのに、音楽から、ダンスから、言葉を越えて心に訴えてくるものを感じて、鳥肌がたちました。

 地球温暖化により生き物が地球に住めなくなってしまい、乗組員たちは、生き物が住める惑星を見つけて生き延びるという使命を持って、宇宙船に乗ります。

 これは、2016年に書かれた脚本なのに、今を予言しているようでした。もの凄いスピードで地球温暖化が進み、異常気象で、野菜を育てるのも難しくなってきています。気候がおかしくなって、暮らしにくくなってきています。この状態が進んだら、この脚本のように、生き物が棲めなくってしまう状況は、本当になるかもしれないと、危機を感じました。
 また、脚本の中で、アインシュタインのことや、宇宙と地上とでの時間の流れるスピードの違いの話も出てきて、それが去年のスプリングコンサートにも繋がっていて、大きな時間のスケールの中でのあるべき形があったんだと、感じました。

 宇宙船が何かに衝突してしまい、食料は1日分しか残っておらず、乗組員たちの気がたってきてしまったときの、智子さんのセリフが心に響きました。
「あと1日分食料があるじゃない。私たちは人類の希望なのよ。最後まで自分の役割を果たしましょう」
 智子さんの言葉に勇気をもらいました。私も智子さんのように、どんな状況であっても希望を持ち続けたいです。

 辿り着いた場所で、閻魔大王様に出会い、天国と地獄とで振り分けられ、忠雄さんは一度は地獄行きということになったものの、チャンスをもらい、乗組員たちと「蜘蛛の糸」で繋がれます。この場面も心に残りました。忠雄さんは私です。摂食障害で苦しみ、たくさん悪いこともしてしまい、それでも神様からチャンスをもらい、なのはなに出会って自分を育て直している私は今、蜘蛛の糸を持って、旅をしています。仲間と共に、先に進む。利己的になったら糸が切れて、逆戻りをしてしまう。私も、蜘蛛の糸を持っています。

 話は飛びますが、『神の庭』の場面。『神の庭』では、みんなが良かれの気持ちでいっぱいです。そこで乗組員たちはしばらく過ごしますが、毎日楽しくてもどこか虚しく、地球が恋しくなります。
 そこでの乗組員のセリフに、とても共感しました。地球は、優しい人もいるし、意地悪な人もいます。私の中にも、悪い心も住んでいます。苦しいこともたくさんあります。でも、その中でも、生きたいと思います。苦しいこともあるけれど、たくさん転んでもその度に起きて、精一杯に泥臭く生きて、成長しながら生きていることが、楽しいです。だから、私は、どんなに辛くても、地球で生きたいと思います。こう思えるようになったのもなのはなに出会ったからです。生きることは、とても難しくて大変だけれど、だからこそ、楽しいです。

 乗組員たちの、地球に謝りたい気持ち、流されて生きてしまった私でも、今からでも何かをしたいという気持ちが、痛いほど共感して、セリフのひとつひとつが心に刺さりました。後半ラストの曲『ハロー』の、祈るような振り付けが、自分の気持ちと重なりました。

 もっと書きたいことはたくさんあるのですが、時間の都合上、最後の場面に話は飛びます。忠雄さんは、人に認められたいという自分の欲に負けてしまって、悪魔に騙されてミニパンドラの箱をもらってしまいます。このときの忠雄さんの気持ちが、自分にも身に覚えがあり、自分の弱さを責める苦しさに、とても共感しました。しかし、その後、忠雄さんは、自ら閻魔大王様に名乗り出ます。仲間のために、本気で、炎に焼かれる覚悟を持って、自分の罪をつぐなおうとする忠雄さんの誠実さに心を打たれました。

 仁さんの「忠雄くんも僕たちと同じ」という言葉に、救われた気持ちになりました。心に弱さや未熟さがあったとしても、よくありたいと願い続け、自分の最大限の誠実さで生きていきたいです。
 『ステイイング・パワー』では、はじけるような笑顔で踊っているのに、すぐ後ろに切なさを感じて、泣きたくなりました。

 そして、ラストのシーン。乗組員たちは、神様に、まもなく地球に到着することを告げられます。しかし、そのままの姿ではありません。新しい命として、誕生します。これまでの記憶は全てなくなってしまいます。そのことが切なくて、涙が出てきました。しかし、与えられた使命を果たすために力を尽くして生きていたならば、記憶がなくなったとしても、その利他心は、永遠になるのだと思いました。乗組員達の高い魂は、新しい命に繋がっていくのだと思うと、生きることに希望を感じました。そして、もっと毎日を丁寧に生きたいと思いました。

 仁さんが、神様に何かを質問しようとしますが、質問するのをやめて、「謙虚な心で、精一杯頑張ります」と言います。これが、私たちが回復して自立していくときの姿勢なのだと思いました。こうなったら絶対に大丈夫、という保障なんて、どこにもないです。自分の使命から逃げたら、すぐに穴へ落ちてしまいます。前を見て進み続けるしかありません。摂食障害はそういう病気です。人に幸せをもたらす良い生き方か、依存にはまるか、どちらかしかありません。こうしたら絶対に大丈夫、という保障はありません。前を向いて、魂を高めて、誰もが優しく生きられる世界、誰も心に傷を負うことのない世界を作る1人として力を尽くさなくては、生きていけません。このことが、私の誇りです。
 
 このタイミングで、2016年のコンサートを見ることができて、本当に良かったです。私も誰かに希望を与える表現がしたいです。私たちだからこそ表現できることがある。そのことを誇りに思います。今年のウィンターコンサートに、今の仲間で向かっていけることが、とても楽しみです。