「使命」 ななほ

9月11日

 3日間、卒業生のさとえちゃんがなのはなに帰ってきてくれていて、さとえちゃんの変わらない笑顔が嬉しかったです。

 作業が一緒になることも少なく、あまりさとえちゃんと話をさせていただく機会がなかったのは残念だったのですが、廊下をすれ違うたびに「ななほちゃん!」と言って温かくて優しい笑顔を向けてくれたり、当たり前のように当番に入ってみんなの中で自然と動いているさとえちゃんの姿や、いつも朗らかで、優しくて謙虚なさとえちゃんの姿があり、私もさとえちゃんのようになりたいなと思いました。

 ゆりかちゃんから、さとえちゃんを駅まで送りに行ったときに、さとえちゃんが、「みんなの姿に力をもらって、また頑張ります」と笑顔で話してくれたことを聞いて、こんな風になのはなを軸に外でも働き、こうしてなのはなファミリーへ帰ってきてくれるさとえちゃんが嬉しくて、こんなに素敵な仲間、卒業生がいてくださることが嬉しいなと思いました。

・ウィンターコンサートを鑑賞して

 2016年のウィンターコンサートを鑑賞して、今の自分にとってもたくさんの答えが詰まっていて、感動しました。

 2016年のコンサートは私がなのはなに来る直前に、DVDで見てきた作品でした。その時はまだ何に感動したのか言葉にできなかったり、(私も、こんな世界で生きていきたい。なのはなファミリーに行ったら、私が生きられる道もあるかもしれない)と感じた驚きや不思議な気持ちをどう自分の中で処理したらいいのか分からなかったり理解が追い付かないところもあったのですが、今、落ち着いた気持ちで鑑賞させてもらって、ここにすべてが詰まっていて、涙が溢れてきました。

 2016年のコンサートでお父さんとお母さんが書いてくださった脚本のストーリーには、どうして摂食障害になったのか、そしてどうしたら私たちは希望をもって生きていけるのか、その答えが詰まっていて、もう何年も前の作品なのですが、その時と今とで、なのはなファミリーの考え方やお父さんとお母さんの答え、伝えたいことは何も変わっていないことを感じました。

 宇宙船に乗っている乗組員たちの姿が自分と重なり、改めて自分たちが何に苦しんできたのか、そして生きる意味、どこを目指していくのかをこのストーリーからも再確認させてもらえて、心が正される思いがしました。

 宇宙船に乗った乗組員たちは、実はもう空の上の世界へ行ってしまっていて、もう一度地球に帰るときには新しい魂として、生まれ変わるという結末には驚いたのですが、船長さんを初め、乗組員のみんなが「誠実に、謙虚に生きていきます」と、使命や責任をもって、最後の最後まで生きていく姿に感動したし、未来に保障を求めずに、仲間と力を合わせて道を切り拓いていく姿勢に勇気をもらいました。

 いつもお父さんが、「なのはなファミリーのみんなはカナリアです。今の時代の生きにくさを真っ先に感じて、警鐘を鳴らしているカナリアです」と話してくださるけれど、改めて私たちは、よくしか生きられないのを感じます。

 私たちは自分さえよければいい、自分が得したらいいという利己心を持つことはできなくて、少しでも利己心を持ったらすぐに症状や依存の渦に巻き込まれてしまいます。

 だけれど、利他心でまだ見ぬ誰かのために生きていたら症状は二度と、ぶり返すことはないし、普通以上によく生きられるとお父さんは話してくれます。

 ウィンターコンサートの最後にお父さんが、
「よく、自分は何のために生きるのですかと聞かれることがあるけれど、それは自分の魂を磨いて神様に返すためと答えている」
 と話してくださっていたように、今ある身体は借り物であり、地球や宇宙が誕生してからのことを思うと私たちが生きている数十年なんてちっぽけなものだけれど、その中で、神様から授かった心と身体を使って、まだ見ぬ誰かのために、良い生き方、利他心の生き方をすることで、魂を磨いて、高めて返すことができると思うと嬉しいです。

 そして、そうじゃなければ生きられないなと感じます。

 船長さんを演じているりさちゃんが、きりっとした姿勢で真っすぐに自分の未来を信じて、例え生まれ変わった時にこれまでの記憶がなくなってしまったとしても、誰もが生きやすく、地球にとっても生命にとっても優しい世界を作るために使命をもって進んでいく姿に、そのセリフの言葉や表情に何度も感動したし、私もそうありたいと思いました。

 ウィンターコンサートを鑑賞させていただいて、どの役者もダンサーもコーラス、バンド、アンサンブルと誰を見ても、どこを切り取ってもみんなの表情が生き生きとしていて、伝えたい、よく生きたいという気持ちに溢れていて、そんな姿に感動したし、勇気をもらいました。

 あと3カ月後には、私たちがこのステージを作ります。
 今いるメンバーで、今いる精いっぱいで向かうコンサート。

 摂食障害になって、一度は生きることをあきらめかけたこともあり、一度は道に迷って苦しんだ私たちだからこそ、今の世間や枠組みにとらわれず、高いレベルでコンサートができるよう、この3カ月を濃いものにして一生懸命に向かいたいし、ウィンターコンサートを通しても、回復へ向けての気づきを経て、高いところを目指して、利他心の使命感を深いところで持って生きていけるように、自分を成長させていきたいです。

 なのはなファミリーで同じ志を持つ仲間に出会えたことが嬉しいし、これまで卒業生たちが築いてきてくれたなのはなファミリーをより深めて、まだ見ぬ誰かにとって、希望のある世界を作れるよう、これからも目的や向かう先をしっかりと定めて、生きていきたいです。

 話は変わってしまうのですが、試験に向けて勉強をしている期間は、内容や知識を覚えることに全神経と集中力を使ってしまうため、どこか気持ちが狭く、許容範囲が狭くなってしまうこともあるのですが、ここ数カ月で、気が付けば私は自分のことも相手のことも大きな気持ちで受け止めて、許せるようになったように感じています。

 お父さんがいつも、「まずは自分を好きになって、受け入れること」と話してくださるけれど、相手のことを好きになったり、相手のことを許して認めるには、まず自分のことを好きになり、許して、認めることが必要なんだなと改めて感じます。

 昨年のウィンターコンサートが終わったあたりか、あるいはミーティング、勉強組になったあたりか自分ではよく分からないのですが、ある時点から自分のできてなさ、未熟さを痛感してそれを素直に良くしていこうと思った時から、未熟な自分に胡坐をかくわけではないけれど、未熟な自分を許せるようになって、それと同時に周りのみんなに対する許容範囲や共感する気持ち、思いやる気持ち、信頼する気持ちが高まって、人間関係が取りやすくなったなと思います。

 それと、数カ月前からピタッと、気持ちが落ちすぎたり上がりすぎたりということがなくなって(常に、私の平常心は少し高めなので、もう少し落ち着いてみんなに合わせないといけないところも多いですが)、勉強にも当番にもメリハリをもって、集中しやすいのを感じています。

 だからと言って、まだ未熟なところがたくさんあって、人間関係においても口を滑らせたり、自分の準備が不十分だったり、気が付けば相手に迷惑をかけてしまっていたりというところがあるのですが、それもそこに後悔したり反省するのではなく、じゃあどうしたらいいのか、どこを直していったらいいのかを理解して、希望をもって変わっていきたいし、上手に自分のことも相手のことも許して受け入れつつも、ストイックな気持ちで高い志を持って、ちゃんと生きていきたいです。

 ウィンターコンサートに向けてできることを進めていきたいし、また卒業生ののんちゃんとダンス練習をしたり、これからダンスやコーラス、楽器練習なども始まっていくと聞いて、とても楽しみです。

 それと同時並行で勉強や畑の方も進めていきたいし、ゆりかちゃんから近々、金時祭りほかイベント出演もあると聞いていて、その練習も気合いを入れて向かっていきたいなと思います。