8月20日のなのはな
なのはなで過ごす夏の楽しみと言えば、色々ありますが、その中の一つとして外せないのが、川遊び!
今年も、古吉野から車で25分ほどのところにある、蛇渕の滝へみんなと遊びに行きました。
昨日から、あきこさんやかりんちゃん、りひとくん、従妹のさくらちゃんがなのはなに帰ってきてくれていて、家族みんなと行けたのが嬉しかったです。
今日も朝から暑くて、川日和でした。しかし、現地に到着し、森の中に入るとスーッと涼しい風が顔に当たってきました。
目の前には、ザーッと音を立てて流れる川があり、短い橋を渡ったところで、先発で川へ行って用意をしてくれていた人たちが見えました。
これから、この川でどんな生き物や自然に出会えるのかわくわくしてきました。
全員が揃うと、さっそく、全7チームのチームに分かれました。
今日は、川遊びと言っても、ただ、川を散策するのではありません。ある、3つのミッションがあり、それをチームのみんなと協力してクリアします。
1つ目は、マクワウリ探し。先発組の人たちが、全部で70個のマクワウリを川の周辺のあちこちに隠してくれていて、各チームで見つけて集めます。これは、1個見つけるごとに、1ポイントです。
2つ目は、「お宝鑑定団」に出品するお宝探し。川には、色んなお宝が隠されています。それをただの自然と見るか、お宝と見るかは、心次第。とびきりのお宝を見つけて、後で「なのはなお宝鑑定団」の鑑定士、お父さんに鑑定してもらいます。
3つ目は、舟作り。自然の中から舟の材料となるものを探して、1チーム1隻、それを使って舟を作るというものです。川に流しても、沈まないこと、そして、見た目も採点の対象です。
それでは、ゲームスタート! 制限時間は、お昼までの、1時間です。
同じさきちゃんチームでは、ななほちゃん、ももかちゃんが何か目星をつけているのか一目散に駆けだしました。と思った、次の瞬間には、片手に丸いものを持っている。早速、マクワウリを2つゲットしました。
その後は、一旦チームの中で2つの部隊に分かれることに。ななほちゃん、ももかちゃん、りひとくんの子供組さん3人は、マクワウリ探し専属。さきちゃん、あんなちゃん、ちかちゃん、私の4人で、まずはお宝と舟の材料探しに取り掛かりました。
川の上流に向かって道を上がっていくと、両脇には、シダやツルが茂っていたり、小枝が落ちていたり、キノコが生えていたり……。 色んなお宝がありそうで、でもその中でも見つけようと思うと意外と見つからないものです。
少し歩いていると、さきちゃんが、「これ、どう?」と言って、長くて古ぼけたいい感じの木の杖を見つけてくれたり、ちかちゃんが、「これ、かわいい!」といって、細い枝に小さな赤いお花が咲いた植物を見つけてくれました。
そんな風にみんなと探しながら、話しながら、歩いている時間が楽しかったです。
上に向かって歩いていると、ゴーッという音が聞こえてきて、目の前に高さ4,5メートルの滝が見えてきました。
すると、ここで、さっきまで晴れていたけれど、ポツ、ポツ、と急に雨が降り出して、突然の通り雨。ちかちゃんが「これ、傘になるー」と言って、大きいシダの葉を傘にしていて、私も一緒に差しながら、ひとまず東屋で少し雨宿り。雨のやむのを待つ間、さきちゃんたちと舟をどんな材料で作るかや、お宝のルートを考えました。
しばらくすると、雨も、少しずつ落ち着いてきました。
マクワ探しから帰ってきたななほちゃんたちが、今度は舟にする木の枝を集めに行ってくれて、あんなちゃんと私は、木をくくるツルを見つけに行きました。
その途中で、偶然見つけたのが、腰かけにピッタリの切り株。少し朽ちて端がかけていましたが、立派なものが、川の真ん中に横たわっている木の上に座っていました。
あんなちゃんと、これはお宝だ! と言って、喜んでさきちゃんのところへ。
ちょうど同じタイミングで、ななほちゃんたちが、りひとくんたちが見つけたという小さなお魚をバケツに捕まえて見せてくれました。
集めてきたツルや枝を使って、ちかちゃんやさきちゃんが舟も作ってくれて、シンプルだけどしっかり前に進んでくれそうな、立派ないかだが完成しました。
ここで、あっという間の1時間が経過。各チームで集めてきたお宝や作った舟を鑑定会場にセットして、プレゼンと鑑定の時間です。
まずは、一チームずつ、お宝にまつわるルートと、その値段を発表していきました。
どのチームをとってもみんなの創造力やアイデア力がすごいなと思ったし、それに対する鑑定士のお父さんの解説が本当に面白くて、たくさんみんなと笑いました。
私が特に印象に残ったのは、やよいちゃんチームの、さんぶ太郎のへその緒と、体毛筆。一見、これがお宝? というような何でもないような長いツルに見えるのですが、あゆみちゃんの迫力あるプレゼンを聞くと、どんどん本物かもしれないという気持ちになりました。
お父さんの鑑定では、へその緒はなんと本物、そして体毛筆の方は、少し後から手直しした跡があるということで、残念ながら偽物ということ。でも、本物のへその緒のおかげで、何と希望鑑定額を上回る鑑定額。
もう一つは、お父さんチームの、ペリカンの化石。よく見ると、先がとがった石の表面がくっきりとした綺麗な薄緑色で覆われていました。目や、歯もちゃんとついていて、お父さんも「これはすごいお宝です!」と自負していました。鑑定額も、ちょっと控えめと言っても何と最高額の1500万ナノ。
他にも、さんぶ太郎への石手紙だったり、木の枝に生えた小さなキノコの赤ちゃんだったり、珍しいお宝がたくさんありました。
私たちさきちゃんチームで鑑定してもらったお宝は、さきちゃんが物語を考えてくれて、二千年前、この地に住んでいた「山神源次郎」という仙人が使っていたという腰掛けと、杖と、扇子の3点セット。それから、仙人が杖で魔法をかけた、魔法の実。これを食べると、雨を降らすことができるというもの。それから、りひとくんたちが見つけてくれたお魚たちは、仙人の非常食。残念ながら、鑑定の対象に食べ物は入っていないということで、魔法の実とお魚は鑑定してもらえなかったけれど、何と腰かけは本物だということで350万ナノの鑑定額を頂きました。
続いては、舟流し! チームで作った舟を、実際に下流に向かって流して、お父さんお母さんにお気に入り度を出してもらいました。
自分たちのチームを同じように小枝を結っていかだのような形にしたものもあれば、何と笹の葉だけで作った舟もあり、チームによって格好も大きさも全然違うのが面白かったです。
アロマ号、どこまでも進む遊覧船、源次郎丸、……。短い制作時間ではあったけれど、どのチームの舟も、みんなの見守る中、沈むことなく川の流れに乗って下流の方へ進んでいきました。
ちかちゃんやさきちゃんがせっせと編んで作ってくれたいかだも、すごく安定して流れていって、とても嬉しかったです。
最後は各チーム集めたマクワウリの数も忘れずに集計。全部合わせると、ちょうど70個! あるものは木の上に隠されていたりと、隠し術にもびっくりしたけれど、みんなの見つけ術もすごかったようです。
ここで、前半の3つのゲームは終了。
では、ここからの後半は、ななほちゃんにバトンタッチです!
(えみ)
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ここからは、えみちゃんからバトンタッチで、ななほが蛇淵の滝でのエピソードをお伝えします。
台所のみんなが作ってくれたお弁当、美味しかったですね。
雨も上がり、お腹も心も満たされたところで、午後は定番の『尻相撲対決』から始まりました。
今回の尻相撲は時間の関係もあり、全員が出場するのは難しかったのですが、各チームの中から一番背の低い子と、一番背の高い子が代表者となって、トーナメント戦で試合が行われました。
私たちのチームからは、1回戦目になのはな最年少のももかちゃん。2回戦目に成長期真っ盛りなりひとくんが出場しました。
「大丈夫かな? どんな感じなんだろう?」
見るからにドキドキワクワク、緊張した様子のももかちゃんの背中を押すように、チームのみんなで「いってらっしゃい! 頑張って」と送りだし、いよいよ、1試合目が始まります。
行司役のお父さんの「はっけよい、のこった」という合図と共にももかちゃんとるりこちゃんのお尻がぶつかり、見事、みつきちゃんが水の中へ。
ももかちゃんが一瞬、キョトンとしながらも「ももかちゃん、やったね!」と声をかけると、こちらを向いてすぐに満面の笑みで手を伸ばして来てくれて、勝利のハイタッチを交わしました。
惜しくも水の中へ飛んでしまったるりこちゃんも悔しそうにしながらも、とても嬉しそうではにかんだ笑顔をむけてくれました。
続いての試合は、つきちゃん対まよちゃん。これは名勝負でした。
まよちゃんの力強いアタックが決まったと思いきや、それはまだ行司のお父さんが「はっけよい」とだけしか言っていない段階での勝負だったため、もう一度取り直し。
すると今度は、つきちゃんの負けず魂に火がついたのか、まよちゃんが水しぶきを上げて川の中に。つきちゃんの満面の笑みが可愛かったです。
その後登場したのは、夏休みで東京から来てくれている、今回が尻相撲初出場のさくらちゃん。さくらちゃんはシード権を握っていたこともあり、つきちゃんとの戦いです。
みんなが真剣に見守る中、始まった尻相撲。試合が始まったと思えば、さくらちゃんの一撃にすぐ決着がつきました。
さくらちゃんはまだ小学6年生なのですが、普段、バスケットボールのクラブに入っているらしく、さすが足腰がとても強く見事な名試合でした。
小さい子組の戦いが終わったら、今度は私たちのチームからりひとくん、お父さんチームからふみちゃんが出場しました。
ここではりひとくんが、一度お尻を引いてから後追いで押すという作戦を立てて臨んでいたのですが、それが吉と出たのか、凶と出たのか、微妙なタイミングでりひとくんが水の中へダイブ。
それでも、爽やかに楽しそうな笑顔を向けながらりひとくんが帰ってきてくれて嬉しかったです。
そして、1位決定戦はりゅうさん対ふみちゃん。
背も高く、がっしりとしたりゅうさんに、華奢だけれど日頃桃畑で鍛えた足腰が自慢のふみちゃん。
勝負の結果は……。
ビシャーン。やっぱり、りゅうさんには敵いません。
ということで、1位はりゅうさんチームとなりました!
そして、川遊びの最後は自由時間。私は早速、みつきちゃんに「ななほちゃん、相撲しよ!」とみつきちゃんに誘われて尻相撲に。
お父さんがそのまま行司をしてくださり、私もここは負けられません。
合図と共に思いっきりお尻を突き出すと、みつきちゃんの「きゃあー」という声が聞こえて後ろから水しぶきが上がりました。その後も3,4回みつきちゃんにリベンジを受けて2人して、笑いながら水しぶきを上げるのが楽しかったのです。
それからも、かりんちゃん、まなかちゃん、最終的にはりゅうさんにも試合を受けて、戦いました。
りゅうさんとは、昨年の川遊びでも自由時間で尻相撲をしたのですが、その時は3回やって全敗し、私は頭までビショビショに。
今回は、あゆちゃんが、「ななほちゃん、最初はお尻を引っ込めて、りゅうさんが押したと思った時に思いっきり押したらいいよ」とアドバイスをくれて、最初は背中を反らせるところまで反らせて待機。
そして、りゅうさんの動く気配を感じて0.3秒遅れてお尻アタックを決めると、思わぬことに、りゅうさんがバランスを崩して水の中へ。
見ていたあゆちゃんも、ももかちゃんも、かりんちゃんやりひとくんたちも驚いていたのですが、一番驚いていたのはりゅうさん、そしてりゅうさんよりも驚いていたのは私かもしれません。
でも、いくら身体は小さくても(りゅうさんとの身長差は約30センチ)、作戦次第でりゅうさんに尻相撲を勝てることもあるんだなと、1つ、学びました。
なのはなファミリーでの川遊びでは、尻相撲は欠かせない種目となっているのですが、身長や身体の大きさに問わず、やる側も見る側も楽しめるこの、尻相撲はとても楽しいです。
今、「今日のなのはな」の記事を読んでいる方々も、もしお子様や家族でこの夏、川へ遊びに行く機会があったら、ぜひ、尻相撲を楽しんでみてください!
そのあとは、みつきちゃんやかりんちゃん、りひとくん、さくらちゃんと水鉄砲で遊びました。遊ぶというより、遊びすぎて帰り支度をしているみんなにも水がかかって、かかって申し訳なかったのですが、遊んでいる最中は、それどころではありません。
というのも、水鉄砲に水を補充していれば、後ろからりひとくんに水をかけられ、りひとくんに仕返しをすれば、反対側からかりんちゃんがニヤニヤしてこちらに水鉄砲を向けていて、蛇淵の滝が水鉄砲の戦場に。
蛇淵の滝は標高が高いこともあり、川の水は冷たく、膝まで水につかりながら、俊敏に動いて水鉄砲で遊んでいると、何だか小学生の夏休みのようで、楽しかったです。
そして最後は、あきこさんに誘っていただき、滝に打たれてきました。
私は以前にも蛇淵の滝に来たことがあったのですが、滝に打たれるのは今回が初めてでした。
滝のそばまで行くと、天然のミストに肌が包まれて、滝に近づけば近づくほど、滝の流れる勢いの強さ、威圧感に驚き、滝の側は神秘的でした。
それと、思っていた以上に深く、太もものあたりまで水につかり、冷たくて力強い滝に打たれます。
あきこさんが、「六根清浄って、3回唱えてくるんだよ」と送り出してくれたので、みんなで1列になり、手を合わせ「六根清浄、六根清浄、六根清浄!」と声を出してきました。
以前、お父さんが、「少し前になのはなの子たちと滝川に行った時、みんなに『六根清浄』っていうことを伝えたのに、川の音でよく聞き取れなくて、『六本少女』と唱えた子がいる」と話してくれたことがあります。
その時に生まれたるりこちゃんの名句は、「大滝に 聞き取れず叫ぶ 六本少女」。
その印象が強く、私も「六本少女」といいそうになりながらも、はっきりと六根清浄と唱えてきました。
帰ってきて、お父さんに、「滝に打たれてきました」というと、集合でお父さんが、
「滝に打たれるときに『六根清浄』っていうことで、心と身体が清められる。六根清浄の六根というのは、人間の知覚(眼・耳・鼻・舌・身・意)のことなんだよ」
と教えてくれました。
力強く、綺麗な川の水に頭のてっぺんから打たれてきて、どこか心も身体も軽くなったように感じます。
午前の雨が嘘だったかのように、空も晴れて、太陽の光もまぶしく、その中で蛇淵の滝で遊べた時間が嬉しかったです。
また今回、東京からあきこさんと、そのお子さんであるかりんちゃんにりひとくん、従妹のさくらちゃんが遊びに来てくれていたこともあり、子供組も多く私も10代として、みんなと思いっきり遊んで、笑いました。
こんな風にいつでも、童心に帰って全力で遊べたり、同じ気持ちで楽しさを共有できる仲間がいること、大好きな仲間と大好きな家族と、なのはなの夏を楽しむことができるのは幸せなことだと感じます。
最後に一首。
「水凉し 蛇淵の滝で 尻相撲 滝風あたり 六根清浄」
(ななほ)