8月21日(月)「夏の夜の盆踊りコンテスト&花火大会」

8月21日のなのはな

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 川遊びに続いて、夏ならではのイベント、盆踊りコンテスト&花火大会が開かれました!
 盆踊りはコンテスト形式で行われ、昨日の川遊びのチームが今度は盆踊りのチームになり、全7チームのなかでどのチームが最も美しいか、踊り手としてなりきって踊れているかを、お父さんお母さんが審査し、グランプリを決めるというコンテストなのです。

 チームごとに浴衣の色、帯の色を揃えました。なのはなにある100着以上もある浴衣の中から、チームのみんなと話し合って、「何色にする?」と自分たちのチームカラーに合うものを選び合いっこしました。自分に合う浴衣を選ぶのは難しいけれど、仲間の浴衣を選ぶのは楽しくて、「これはりなちゃんに似合いそう」「これ、さやねちゃんにどうかな?」と話し合う時間だけでも十分に楽しめました。

 あゆちゃんがリーダーのわたしたちのチームは水色の浴衣で統一することにしました。夏にぴったりな涼しげな淡い水色の浴衣を着られることが嬉しくて、あゆちゃんやチームのみんなが選んでくれた浴衣がとても気に入りました。帯は7チームに揃えて、赤、ピンク、黄、オレンジ、黄緑、青、紫の7種類がありました。わたしたちはその中から青色の帯を選び、帯の色がそのままチームカラーになり、青チームとなりました。

 

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 少し早めの夕食をとって、着付けを行いました。他のチームは紺地の浴衣に黄色の帯を締めていたり、華やかな色合いの浴衣にさらに鮮やかなオレンジ色の帯を締めているチームがあったりと、みんながどの浴衣を選んだのかを眺めていると、これから始まるコンテストがどんなものになるのか余計に嬉しくなりました。

 会場となる体育館へ行くと、真ん中に紅白幕に飾られた大太鼓があり、ステージの前にはお父さんとお母さんの審査席もありました。体育館にいる誰もが、お父さんもお母さんもたけちゃんもたいちゃんも、みんなが浴衣を着ていて、本当にお祭り会場に来たみたいでした。

 コンテストは前半3チーム、後半4チームに分かれて、大太鼓を囲んで円をつくり、4曲の踊りを踊ります。その中から最も上手だったと思うチームを前半1チーム、後半1チームが選ばれ、決勝戦ではその2チームが戦い、グランプリを決めるのです。さらに最も美しく踊った子1人が選ばれる、MVP賞もありました。

 まずチームの代表がクジを引き、前半にピンク、青、オレンジチーム、後半に赤、黄、黄緑、紫チームが踊ることになりました。

 

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〈くじ引きを引いて、前半、後半に踊る組が決まりました〉

 

 早速、前半チームから踊りが始まります。曲は『勝央音頭』『ヤットサ節』『サンサン勝央』『四つ拍子』の4曲です。始まりから3曲は先月に行われた天神涼みでも披露した曲で、たくさんたくさん練習を積み重ねてきた曲でした。

 そして4曲目の『四つ拍子』はこの地域の踊りで、お母さんが大好きな踊りでもあります。手をこねたり、腰を使ったり、クセの出やすい難しい踊りでもありますが、他の曲と比べると機械的でなく、情を込めやすい踊りだと、毎年お母さんが「絶対に踊りたいんだ」とも話してくれました。

 

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 一曲一曲、お父さんが教えてくれたポイントを思い出しながら、いつもよりちょっと緊張しながら踊りました。そんなわたしたちをお父さん、お母さん、後半チームのみんなが温かく見て、ときには手拍子をしたり、「るりこちゃん!」と声を掛けてくれて、応援してくれました。

 

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 そうそう実はこのお祭り、盆踊りコンテストと花火大会だけではないのです。なんと、この日のためにと須原さんと台所さんが、鯛焼き機でなのはな産の餡子がたっぷり入った手作り鯛焼きと、なのはなの夏のスターになりつつある、マクワスムージーの屋台を用意してくれました。体育館の入り口に2つの屋台が並び、鯛焼き機からはぷんぷんと良い香りが漂ってきます。応援する子は鯛焼きとマクワスムージーをいただきながら、踊りを応援できるという、さらにスペシャルな内容になっているのです!

 

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〈須原さんの鯛焼き屋台がオープン!〉

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 一匹目の鯛焼きにお父さんがかぶりつき一言、「美味しいです!」と満面の笑みで言いました。鯛焼きまで、自分たちで作ろうと思ったら作れてしまうのだなと驚く気持ちもありましたが、みんなのためにと用意をしてくださった須原さんの思いが鯛焼きにも詰まっているように感じました。

 4曲を踊ると汗ばみましたが、踊りはやっぱり楽しくて、さらにチームカラーに分かれて踊れたこともとても嬉しく思いました。続いて後半チームにバトンタッチです。わたしたちも早速、須原さんが焼いてくださった鯛焼きを右手に、マクワスムージーを左手に持ち、応援席でいただきました。鯛焼きを口にすると、生地がとてもモチモチとしていて、中は餡がたっぷり詰まっていて、その美味しさにとても驚きました。熱々の鯛焼きに、冷たいマクワスムージーの両方をいただいていると、とても贅沢な気分でした。

 

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 普段は全員一緒に踊ることが多いので、みんなが踊っている姿を見ることがあまりない分、この日は自分たちが踊っていない間に他のチームの子が踊っているところを見ることができて、一人ひとりの手つきや身体の動きなどから、(きれいだな)と思う瞬間がたくさんありました。輪の中には今回初めて踊る、あきこさんやかりんちゃん、りひとくん、さくらちゃんの姿もあり、4人とも前日に少し振り入れをしたばかりなのに、みんなの輪の中で初めてを感じさせないくらいに溶け込んで踊っていてびっくりしました。

 踊るみんなを真似ながら、甚平を着た、たけちゃんやたいちゃんも輪の中に入っていて、その姿に会場がどっと湧きました。前をぐるぐると回って踊っていくみんなを見ながら、目が惹きつけられる子がたくさんいて、そしてどの子も浴衣がとても似合っていて、見とれている間にあっという間に4曲が終わってしまいました。

 

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 前半、後半が終わり、まず審査員のお父さんお母さんから、各チームの中で最も上手だった1人の発表があり、選ばれた7人の子が代表して踊ってくれました。まえちゃん、あゆみちゃん、さやねちゃん、ゆきちゃん、まよちゃん、ななほちゃん、さくらちゃんです。7人とも踊りに粘りがあり、そして揃っているのがきれいでした。

 

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 続いて結果発表です。「前半……青チーム! 後半は……黄色チームです!」とお父さんが言いました。あゆちゃんリーダーのわたしたちのチームも、見事、決勝リーグに進むことになりました。

 決勝戦では各チームごとに踊りたい曲を1曲ずつ選んで、その2曲を両者で踊ることになり、黄色チームは『ヤットサ節』を、青チームは『四つ拍子』を選びました。みんなが見ているなかを踊るのはとても緊張したけれど、同じチームのさやねちゃん、りなちゃん、えつこちゃんと、「なりきって踊ろう」と気合いを入れて挑みました。踊っているなかをみんなが見守ってくれていて、お母さんも審査しながら手だけ一緒に四つ拍子を踊ってくれていました。代表で踊らせてもらっているけれど、心はみんなと踊っているようで、とても安心した気持ちで踊ることができました。

 

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 そして2曲の審査の結果から、いよいよグランプリの発表です。「優勝は……青チームです!」。お父さんの声を聞いたとき、とてもびっくりして、それから嬉しさがこみ上げてきて、チームのみんなと顔を見合わせました。そして全員の中から最も踊りがきれいだった子に贈られる、MVP賞に選ばれたのは、さやねちゃんでした! 

 最後にお父さんが講評をしてくれて、
「みんな練習の成果が出ていて、正直、甲乙つけられないほど揃っていて、誰もが上手でした。だからその中でもポーズからポーズに移るときの細かい所作とか、そういう微妙なところで審査しました。一応、グランプリは決めたけれど、みんな、本当に上手でした」
 と言ってくれました。さらにまた新たなポイントもアドバイスしてくれました。

 

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 そして総合結果発表です。前日の川遊びで行った4つのゲームの結果がそのまま引き継がれ、今日の盆踊りコンテストの点数が加算されて、1位が決められます。なんと川遊びの結果では、お父さんチームがダントツ1位の43ポイントだったのですが、この盆踊りコンテストで順位が変わりました。グランプリに輝いた青チームに7点が加算され、さらにMVP賞をとったさやねちゃんがいる、これまた青チームに7点か加算され、計14点を獲得した青チームが、下から2番目の6位から1位に繰り出て、見事、優勝することができました。川遊びではあまり結果が奮わなかったので、思いもしない結果にわたしたち自身も驚きでした

 夏と言えば、盆踊りが欠かせませんが、こうしてコンテスト形式にして、みんなともう一度踊りを楽しめた時間、そしてチームごとにお揃い浴衣を楽しめたことも、とても嬉しいことでした。

 

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〈グランプリに輝いた、青チームの4人〉

 

 外も真っ暗になってきた20時頃。続いて会場を中庭へ移動して、お仕事組さんたちの花火師による、花火大会が始まります。
 まずは手持ち花火から。チームごとに小さな輪をつくって、思い思いに花火を楽しみました。花火の中には、50秒間も燃え続けるものや、6色に色が移り変わっていくもの、星のシャワーのようにパチパチと弾けるものなど種類が豊富で、一本一本に火をつけるたび、心が踊るようでした。

 花火の火が消えてしまうと、急に辺りが真っ暗になって何も見えなくなります。でもまたそこに花火に火をつけると、ぱっと明かりが戻り、みんなの輪郭が浮かび上がりました。辺りを見回すと、各チームから歓声が上がっていて、闇の中に白や黄、緑色の向こうに、みんなの笑顔が見え隠れするのが幻想的な景色でした。

 

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 わたしたちのチームは最後に線香花火を楽しみました。あゆちゃんが、「火の玉が最後まで落ちずに消えたら、願い事が叶うんだって」と教えてくれて、一人一本ずつ、順に回しながら、その一本を見守りました。火薬部分に火をつけると、小さな火の玉ができ、だんだんとぶるぶると震えるように玉が大きく膨らんでいきます。ボタッと地面に落ちてしまいそうなほど膨らんだ火の玉から徐々に、徐々にパチパチと火花が飛び始め、勢いづくと思い出したかのように燃え出しました。そこだけ時間が止まったかのように、美しく燃え続ける花火を息を飲んで、見守りました。少しぶるぶると震えが始まると、「頑張れ、頑張れ」とみんなで小さな声で囁き、少しの振動もないようにと思うと、見守る手に力が入りました。

 

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 火の勢いが収まり、火の玉がだんだんと小さくなっていったかと思うと、そのまますっと吸い込まれるように火が消えました。「わぁぁあああ!!! やったー!!!」その瞬間、わたしたちの輪から大きな大きな歓声が上がりました。仲間の1本を、みんなで喜び合いました。6人で試したうち、あゆちゃん、さやねちゃん、えつこちゃんの線香花火が最後まで火の玉が落ちることなく消えました。残念ながらわたしの持った線香花火は大きく膨らんだ火の玉は激しく燃えて落ちてしまったけれど、あゆちゃんが、
「大丈夫、私のが落ちなかったから、みんなの願いは叶うよ」
 と言ってくれました。そのあゆちゃんの言葉がとても優しくて、わたしの心にもあの赤く燃える火の玉がぽっと燃え上がったかのようにじんわりと温かくなりました。

 

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 手持ち花火を楽しむと、今度はいよいよ打ち上げ花火です。グラウンドの真ん中にお仕事組さんたちが用意してくれた打ち上げ花火がセットされ、それを半円で囲むようにみんなで見ました。花火に火がつき、しばらく音沙汰がないかと思いきや、シュルシュルと火が夜空に飛び上がり、「パンッ! パンッ!」と大迫力の音が響き渡りました。

 打ち上がり、大きな音を立てて弾けるものから、火花がくるくると回るように落下していくもの、青や赤など様々な色のものなど、こちらもバラエティ豊かで、次はどんなものがくるだろうとわくわくしました。一発上がるごとに、「わぁ!」「きれい!」と歓声が上がって、時には隣の子と顔を見合わせたり、手を叩いて喜びました。中盤には数本の花火を吊し上げて、滝のように降り続ける演出も見せてくれました。

 

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 打ち上がる花火の背景には星空が広がっていました。花火が打ち上がって弾け、煙が消えると、すーっと星空が浮かび上がってきます。その奥にはオレンジ色に光る三日月も出ていて、花火とお月様と星と、ずっと夜空を見上げていても飽きないくらいに美しい景色が広がっていました。

 最後の一発をみんなで見守ると、花火を用意してくれたお仕事組さんにみんなで、「ありがとう」と言いました。どこまでも温かな空気が流れていて、とてもとても嬉しかったです。
 四季ごとに行事はたくさんあるけれど、盆踊りに花火、川遊びに海、縁日とイベントが豊富な夏が、わたしはやっぱり1番好きだと感じました。そしてそういった夏祭りを、なのはなでは自分たちの手でつくって楽しめるところが、何にも代えられない魅力なのだと思いました。幸せな気持ちで布団に入ると、瞼の裏にくっきりと、夜空に浮かぶ打ち上げ花火が焼き付いていました。

(るりこ)