「新しいこと」 ななほ

8月9日

 なのはなに来てから、変わったことはたくさんあるけれど、その1つに、魚が好きになったことがあります。

 もちろん、見る魚もそうだけれど、食事でいただく魚に関しても、なのはなに来るまでは好んで魚を食べることもなく、魚もホッケや鮭、秋刀魚など王道のものしか食べてこなかったのですが、今夜のシメ鯖も絶品でした。

 それは、境港の仲屋食品さんから直送でやってくる魚がものすごく新鮮で、高級魚ばかりで美味しいからなのは明確ですが、今ではお肉よりも、お魚が好きというくらい、魚好きとなった私がいて、改めて、こんなにおいしいお魚を毎日いただけることがありがたいなと思いました。

 また、ここ数日は大きなお椀に桃や、マクワウリを毎食のようにいただけたり、おやつには採れたてのシュガームーンのスイカと、夏だなと感じます。

 スイカと聞くと、あきこさんの大きな笑顔が思い浮かぶのですが、また近々、あきこさんやかりんちゃんたちがなのはなへも遊びに帰ってきてくれることをお母さんが教えてくれて、楽しみがまた1つ、増えました。

・新しいこと

 最近、新しいことに挑戦する機会、新しいことを学ぶ機会はもっぱら、勉強だったり、スクーリングの授業だったり、桃作業の中だったりが多いのですが、考えてみれば、日常の中でも日々、新しい発見や学びがあるなと感じます。

 まず、今日覚えたことの1つは、冷水器の掃除。
 毎年、サマータイムになると私は桃当番だったので、朝食当番の片づけに入る機会が少なかったのですが、この夏、毎週水曜日の夜は、朝食当番の片づけがあります。

 私だけじゃなく、同じ朝食当番のみんなも冷水機の掃除をしたことがない子が多かったため、急遽、まりこちゃんが提案してくれて、冷水器の掃除講習会が開かれました。(講習会と呼んでいるのは、私だけかな?)

 でも、講習会です。なぜかというと、まりのちゃんが指導者となってくれて、私を含め5人のメンバーが冷水機を囲んで、掃除の仕方や冷水機の部品を分解する方法などを伝授してもらったため、これは立派な講習会だと思いました。

 それはともかく、何か新しいことができるようになること、新しいことを始めることは緊張したり、勇気がいることもあるけれど、嬉しいなと思います。

 他にも、今夜もえみちゃんとぬか床を混ぜたり、キュウリやナスを漬けに行ったりして、ぬか床のおいちとおたまについてや、漬ける時間についてをえみちゃんが話してくれたり、勉強をしていても、学習理論についてが案外、面白く学びがありました。

 また、お昼には久しぶりにハウスミーティングもあり、お父さんのお話を聞かせていただけたことが嬉しかったです。

 先日、スクーリングに行ったときに、駅でも、バス停でも、ホテルでも、街を歩いていても色んな方に声をかけられたり、道を聞かれたり、お勧めの喫茶店を聞かれたりして、そのことをどう考えたらいいのか、お父さんに質問しました。

 確かに、私が真顔なつもりでも、いいのか悪いのかいつも口角が上がってしまっていることや(口角が上がっているのは良いことかもしれませんが、誰かに怒られたときにも真顔なつもりで口角が上がっていることがないよう、気をつけなければいけません)、「なのはなで畑に行くときの癖で、通りすがった人、近所の人には挨拶をする習慣がついていること」も大きく関係があると思います。

 でも、私からしたら、(え、どうして私に道を聞くの? 私、ホテルに行くのにも方向音痴で、散々迷ったのに!)という状態でした。

 それはいいとして、スクーリングの学校に行ってしまえば、私は年齢不詳だったのと、どこか現実離れしているらしく、自分から声をかけなければ相手から声をかけられるということも少なく、年齢を伝えると「え、18歳なの? しっかりしているから、年下だと思わなかった」と驚かれたりもしました。

 これは笑い話なのですが、お父さんにそのことを質問すると、答えが2つ返ってきました。
 1つは、話しかけやすいということは、気持ちがオープンで外向きな状態でいるからで、良いことだということ。
 お父さんも若い頃、パリの交差点で現地の人にフランス語で道を聞かれたことがあるということで、私も場所はパリではなかったけれど、豊岡の人になっていたんだなと思いました。

 そして、2つは豊岡の町の雰囲気や文化が話しかけやすいような空気を出していること。
 これは考えてみると面白いなと思います。
 人が1人1人生まれ育った場所、環境、家族構成、これまで経験してきたことによって価値観とか、文化や土俵が違うのは感じてきたけれど、それぞれの町、それぞれの国によっても、その町やその国らしさというか、文化の違いがあるということを改めて感じて、興味深いなと思いました。

 なのはなファミリーも私たちにとっては、1つの大きな社会です。だから、私は外に出ても、なのはなの空気を好意的に受け取ってくれる人、私がというより、なのはなファミリーの考え方に賛同してくれる人に出会えるのだと思いました。

 スクーリングで、「なのはなファミリーのような場所で働けたらいいのに」「うちの子も、ななちゃんのような子に育ってほしい」と言っていただけたように、なのはなファミリーの利他の価値観をより、広げていき、深めていけるようにしたいなと改めて感じました。

 最後に……。
 夜、さとみちゃん、まみちゃん、えつこちゃんから海のお土産で貝殻をプレゼントしてもらいました。

 それが、とても嬉しかったし、売り物のように可愛らしくラッピングしてあって、6年生に飾りたいと思います。