【7月号⑭】「幸せの黄色い梅の実」 ももか

 酸っぱい!?
 甘い!?
 梅干し、梅サワー、梅ジャム、変身して夏にヒートアップした身体をスッキリさせてくれる……みんな大好き、愛しの『梅』の収穫を行いました。
 私は今年、なつみちゃんと野菜の他に梅の担当をさせてもらうことになりました。どんな実がとれるかな?
 見回りに行くときは毎回、どのくらい熟れているかをチェック。初めは真みどりの小さな実だったものから、どんどん大きくなって色づいて、OKサイズより二回り大きく、黄色くなりました。
 そんな黄色くなった梅からは、甘い香りが……そうこうして、あっという間に収穫時期。
 少しではありますが、実によっても熟れ具合は様々。一回で全てをとり切るのではなく、何回かに分けて行いました。

 

■脚立に登ると

 一日目は、初めての収穫にドキドキ・ワクワク、梅林につくと木にはライトのように黄色く熟れた梅がついていました。脚立なし、五段の脚立、十二段の脚立で、それぞれとれる高さで担当する場所を分けて行いました。私は、なつみちゃんと、五段の脚立で、木の中心部についた梅をとって行くことに。収穫が遅れて実が落ちてしまわないように、とれるものは今確実にとっておきます。収穫かごを肩にぶら下げて、脚立を手に、いよいよレッツスタート!
 脚立に登るのは、桃の摘蕾以来。登るだけでもドキドキ。落ちないように慎重に、慎重に、脚立に登り、梅の木の枝の中に入り込むと、辺り一面、梅の実!
 そして鼻をくすぐる甘い梅の香り。そこに立っているだけで、心が癒されしあわせな気持ちになりました。

 

■収穫仲間

 周りを見渡して、ピカッと光っているもの。黄色やオレンジに熟れた梅に手を伸ばして、とって行きます。しっかり熟れているものは、ポロっと触れただけで簡単にとれるのですが、まだ未熟なものは、ちょっととりにくい。自分の見る範囲を見終えたら、次の木、次の木とテンポよく進んで行きます。
 収穫をしていると……たけちゃんとあゆみちゃんが来てくれました。たけちゃんは、「梅っ!」と言って五段の脚立にスイスイと登っては手を伸ばしてとってくれました。それから、「梅どこかなーどこかなー」梅の木を巡って熟れた梅をゲット。小さな身体をうんと伸ばし楽しそうに梅をとる姿がとても可愛かったです。
 たけちゃんたちが手伝ってくれたので、一日目の梅の収穫、無事完了。もう少し日を置いたら、もっととれるはず……。
「ももちゃん、そろそろ穫らないとっ!」
 ある日の夜、なつみちゃんがそう教えてくれました。

 

■二度目の収穫へ

 急いで二人で梅林へ見に行くと、木が黄色。というほど、たくさんの梅が黄色く熟れていました。これはすぐにでもとらなければ、梅が下に落ちてしまう。
 そして翌朝七時からの時間と、日中のチーム作業の時間を使って収獲しました。これはこれはまさに『梅取り放題』……どこを見ても、どこをとっても、甘くて良い香りのする梅がたくさん……しかし、全て簡単にとれる場所にあるわけではありません。

 高いところにあるものもあれば、斜面の上にあるものも。高いところはジャンプ。斜面の上の枝は、踏ん張りながら。アクティブな収穫。時にはなつみちゃんと連携プレーでどちらかが枝をしならせ、もう一人が梅をとりました。そうしてとれた梅は一段と輝いて見えました。
 そうこうして次の木、次の木と進んで行くと、どんどん収穫かごの中やコンテナの中に梅がたまっていきます。二回目の収穫、完了!

 二人とも肩には収穫かごをぶら下げ、二人でコンテナを持ち。すると梅の重みがずっしりと。凄く嬉しい重み。これを梅サワー、梅ジャム、梅干し用の三種類に選別して、加工するのです。
 収穫は二回で終わりではありません。まだまだ木にはたくさんの梅が実っています。また黄色く熟れたら収穫!
 梅の香りといい、見た目といい、しあわせの塊……。