【7月号⑫】「勝ちたいけれど、やっぱりエンターテイナー? 星座セブンブリッジ決着」 えつこ

今回のテーマ「薬草」を思わせる爽やかな飾り付け

 

 去年の七月からやってきた、セブンブリッジの星座別対決。ついにフィナーレの月がやってきました。リビングの黒板には、お洒落な文字で「7bridgefinalstage」と書かれ、周りは葉の飾りで、爽やかな雰囲気になっていました。セブンブリッジ大会は、その月々によってテーマが決められますが、今回、新緑の季節に開かれたセブンブリッジは、野で見られる「薬草」がテーマになっていたのです。

 しかし、私の心は熱くなっていました。一年間、蟹座・蠍座チームでやってきて、ほぼ毎回罰ゲームをしていたのを、今回で挽回したいと、熱くなっていました。あんなにたくさん罰ゲームをしたのだから、運がたまって今夜こそは勝てるだろうと、ドキドキしていました。

 頭の中で勝つイメージをしながら待っていたら、実行委員のお仕事組さんたちが、真剣な顔で入って来ました。何がはじまるのだろうと思っていたら、音楽がはじまりました。私の大好きな『育つ雑草』だ! と思ったら、歌詞が違う……。
 ――奇跡の幕開け
 「探してきた」と野草を見せて
 あなたはどんな草を
 見つけてこれたの探してきたの
 
 『育つ雑草』ならぬ、『育つ野草』でした。
 すごく真剣に歌う表情と、実用的でおもしろい歌詞とのギャップがおもしろくて、お腹を抱えて笑いました。私も育つ野草のように、強くたくましく、今夜は戦おうと、気合いが入りました。

 

■エンターテイナーとして

 たくさん笑って福を呼び寄せたところで、セブンブリッジ大会スタート!
 試合に入る前に、それぞれのチームの代表者で、くじをひきました。くじには、「勝ったら得点三倍」「親になれる」「ストップ・ポン、チー」などと書かれていました。私のチームから、まえちゃんが代表でくじをひいてくれました。ドキドキしながらまえちゃんを見守り……私たちのチームは「親になれる」権利を獲得しました。

 いざ、試合スタート!
 私はえみちゃんとペアになりました。私は気合いを入れていました。今回罰ゲームをするのは、一年間の総得点で最下位だったチームです。先月までで、蟹座・蠍座チームはマイナス一万点の積み残しがあります。かなり気合いを入れなくてはこれは挽回できません。私は以前、マイナス六千五百点の大失点をしてしまったことがあります。何としてでも挽回したいです。私は前のめりな気持ちで試合に向かいました。
 一回目では、なんと、一発上がりをすることができました。よし、来たぞと思い、二回目……上がりそうで、上がれなかった……。三回目、これも良いカードだ!
 ……あれっ、上がられてしまった……。これは雲行きが怪しくなってきたぞ!?
 他のリーグの蟹座・蠍座チームもなんだか静か……。

 途中、お父さんが、「蟹座・蠍座チームは、最終試合で勝ったら得点十倍にします」と、声をかけてくれました。えみちゃんと私のペアは、二回目以降は全て負けてしまったので、最終試合で何としても勝つぞと、気合いを入れました。しかし、みんなも負けず嫌い。全力で阻止されてしまい、最終試合も、負けてしまいました。悔しい。
 でも、他のリーグで誰か勝ってくれていないかと、周りを見渡したけれど、最終試合のわりには、みんな静かです。なんと、最終試合では、蟹座・蠍座チームで誰も上がれなかったとのこと。
 ということは……?
 いや、もしかしたらということもあるかもしれないと、一パーセントの望みは捨てずに、結果発表。まずは、今月の結果発表。蟹座・蠍座チームは、四位。最下位は免れました。しかし、総合結果発表が残っています。ここまできたら、もう決まっている。私たちは、罰ゲームでみんなを楽しませるエンターテイナーとして最終回を飾ろう。そう決心して、結果発表を聞きました。六位は……蟹座・蠍座チーム!

 

■新チーム結成

 そして、恒例の罰ゲームです。今回の罰ゲームは、ジェスチャーです。ある身体の不調を、仙人に訴えます。すると、仙人が、薬草をくれます。その薬草をいただき、回復の喜びを伝えます。それらを全て、声を出さずにジェスチャーだけで表現します。そして、どんな困り事が薬草で治ったのか、見ているみんなに当ててもらいます。

 

演技派揃いの蟹座・蠍座チームによる罰ゲー ム

 

 勇気あるトップバッターは、まえちゃん。さっきまで元気に動いていたのに、腰を落として、腰と膝を押さえて痛そうに歩いています。何の症状だかわからないけれど、すごく痛そうなことはわかります。仙人からの薬を飲んで、また元気に立ちます。嬉しい!
 答えは、ぎっくり腰とリューマチでした。まえちゃんの、自分を捨てて表現する姿に勇気をもらい、私も手を上げました。

 私が引いたくじは、冷え性。冷え性になったことはないけれど、寒いことを全力で表現しました。仙人から薬をいただき、回復して、あたたかくなったことを表すため、上着を脱いで両手を挙げて、喜びを表現しました。すぐに、誰かが「冷え性」とあててくれました。

蟹座・蠍座チームでは、ほとんど罰ゲームだったけれど、自分を捨てて何かを表現して、みんなに笑ってもらえるのは、とても楽しかったです。私たちはエンターテイナーチームでした。

 セブンブリッジが終わってすぐに、もう次のセブンブリッジのチームを決めてしまおうということになりました。お父さんが、身長別にチーム分けをしてはどうかと、言いました。さっそく身長順に並んで、チームを決めました。背が高い人、中くらいの人、低い人で、セブンブリッジのやり方にどんな違いが出るのか、とても楽しみです。

 

次回からは、身長が似た人同士で組んだチームで セブンブリッジ勝負です!