「やっぱり畑は楽しい」 ななほ

7月14日 

 

 今日の1日を一言で表すと……。

 「一言で表せないくらいに、充実してた!」という風に誤魔化したくなってしまうくらい、とても楽しかったです。

 朝食前、午前、午後と雨予報も消えて作業が進みました。

 

*今日の、一番好きな作業

 午前中、私はるりこちゃんと一緒に開墾ナッツ畑の草刈りをしました。
 正直、草刈りをするのは春以来で、しかも、桃畑以外の畑の草刈りをするのは初めてで緊張していたのですが、るりこちゃんがいてくれると思うだけで、心強かったです。
 畑について見ると、畑というよりかは雑木林と言いたくなるくらい、この暑さと雨で草が生い茂っていて、2人で顔を見合わせて笑いました。
 でも、ナッツ畑は石も少なく、畑もスケールが大きいので、草刈り機のストロークを広く、伸び伸びと草刈りができ、ものすごく、ものすごく楽しかったです。

 今日、もし誰かに「一番好きな作業は何?」と聞かれたら、迷わず「草刈り!」と答えてしまうだろうと思います。
 そのくらい、夢中になって草刈りをして、汗をかきながらも草を倒して道を切り開いていくのがものすごく気持ちよく、こんなにも面白く、達成感や成功体験を感じられる草刈りは、虜になってしまいます。

 まだ私はどちらかというと初心者で、(というのも、まだ草刈りをするのは3回目)最初は緊張もしていたのですが、るりこちゃんが「ななほちゃん、初心者って言ってたけれど、草刈りが綺麗だし、ものすごく速い」と言ってくれたり、「ななほちゃんが夢中になって草刈りしているから、私も頑張らなくちゃって思った!」と言ってくれて、そんなるりこちゃんの言葉かけが優しいなと思ったし、るりこちゃんの草刈りはとても丁寧で綺麗で、私もそんな風に刈れるよう、もっと慣れていきたいなと思いました。

 ナッツは少し見ないうちに、私の身長をはるかに超えて大きく成長していたのですが、葉っぱを茂らせ、艶々としたナッツの木がとても可愛く、もし、晴れた日の空き時間などにその陰で読書をしたらどんなに素敵だろうかと思うほどでした。

 そのくらい、広くて大きなナッツ畑の空気に安心した気持ちになったし、予想以上に、開墾ナッツ畑は広く、草丈も高くて開墾するような草刈りだったのですが、無事に綺麗に畑全面を刈り、プラスアルファで木の根元も手で刈ることができて嬉しかったです。

 

*キュウリ畑にて

 それと、もう1つ、面白かったのが午後の最後にしたキュウリの洗剤防除です。
 これは、キュウリのカメムシ対策で行ったのですが、通常10リットルに対し30~50mlの洗剤を入れて防除を行うところ、120mlを入れて防除をしました。
 洗剤防除は、アブラムシやハダニなどにはすぐに、器官に洗剤水が詰まってすぐに窒息死してくれるのですが、カメムシは甲羅があるからか、少し手ごわいようです。
 エンジン噴霧器を背負って、キュウリ畑についてすぐ、さくらちゃんが「ねえ、ななほちゃん、ちょっときて!」と声をかけてくれて、さくらちゃんのところに行くと、洗剤をかけられたカメムシが4匹ほど、葉の上でゆっくりとうごいていました。
 さくらちゃんが実験の結果を話してくれながら、「朝にやった時は、羽をパタパタさせて水分を飛ばしてたの」と教えてくれて、そのカメムシを想像すると面白かったです。
 防除では、さくらちゃんが洗剤をしてくれて、私はそのあとを追って洗剤を水で流していきました。
 水で流している感じ、確かにまだカメムシは動いていたのですが、確実に動きが鈍く、洗剤にダメージを受けている様子が伝わってきました。また、1株につき1匹ずつくらい、畝の上にカメムシが倒れていて、確かな手ごたえを感じながら作業を進めていきました。

 作業が半分くらい進んだ時、さくらちゃんが「ななほちゃん、洗剤防除と交換しない?」と声をかけてくれて、洗剤と水の噴霧器をチェンジしたのですが、洗剤をやってみて、第一の感想は「カメムシが困っている姿がとにかく面白い」ということ。
 洗剤水を噴霧していくと、カメムシたちが慌てたように葉の裏側に隠れていくのですが、葉の裏と株の後ろ側とをそのあとにしっかり回っていくので、カメムシたちが困って、慌てながら、何匹かはじっと耐え、何匹かは畝の上に転落し、何匹かは飛ぼうともがき、何匹かは羽をパタパタさせて洗剤水を飛ばそうと頑張っていました。

 私は、4歳ごろからペットショップの店員さんになりたかったり、小学校に入ってからも、犬の里親募集をする人になりたいと思っていたくらい、動物や生き物を大切にする気持ちや、好きな気持ちは強いのですが、畑の害虫であるカメムシとなると、その退治をするのは何とも面白いなと思いました。
 カメムシ隊私たち。こんなに小さなカメムシには負けていられないと思いながら、洗剤をかけていくと、大体、半分のカメムシは畝の上に倒れていて、残りの子たちも確実に弱っているような感覚を受けて、効果抜群に感じました。

 さくらちゃんとにやにやしながら作業を進めた時間が楽しかったです。でも、1つ問題だったのが、私まで、洗剤まみれになってしまったということ。
 洗剤水を補充するときに、みんなは噴霧器に水を入れてから、そこに洗剤を入れていたようなのですが、私はバケツに水と洗剤を入れてからそれを噴霧器に入れたため、噴霧器に5リットルを入れた時点で、魔法のように泡があわあわと溢れてきました。
 そのため、噴霧器を背負った時には私の首にもお腹にも足にも泡がいっぱいついて、泡まみれに。

 それはそれで、面白く、理科の実験でも見たことのないくらいの泡だったのですが、古吉野に帰ってから、私も、キュウリと同じように、水のシャワーを浴びました。

 畑をしていると、突然のハプニングや、面白いエピソードもつきものなのですが、やっぱり畑は楽しいなと思います。

 

 畑作業を1つするのにも、どうしたら害虫を倒せるか、どうしたらうまく作業が進むかを考える中で、畑の計画を立てたり、誰かに協力してもらったり、お父さんやチームの人に相談したりと、たくさん頭も使うし、人間関係の取り方を学んだり、自分の普段の心持が試されたりと、とても興味深いなと思います。

 明日も朝に噴霧器を使うので、明日は泡まみれにならないように気を付けたいなと思います。

 まだまだ書きたいことがあったのですが、今日もダンス練習をしていたらあっという間に消灯時間になってしまったので、ここまでにします。