「田んぼで笑っている姿に」 みつき

7月11日

●田んぼで笑っている姿に
 
 長かった雨が上がって、カラッと晴れていました。
 取り込んだ洗濯物はほかほか熱を持っていて、夏の天気が戻って来てくれたのを感じました。

 1日、まえちゃんたちと、桃横田んぼの草取りをしました。
 桃横田んぼは、草が多く生えているゾーンと、草があまり生えていないゾーンが、点在していました。そして、その生えている草も、ホタルイが多い時もあれば、ヒエが多い時もあったし、混在して生えているときもありました。その条間に入ってからじゃないと、どんな草取りが待っているのかが分からない! というのが、なんだかドキドキして、楽しかったなあと思います。
 振り返ったとき、整然と並んだ稲の列、みんなが足を踏み入れた印に、少し濁った水面が見えるのが、うれしかったです。

 午後には、まえちゃんが、
「疲れもたまってきただろうから、隣の人のこともいたわって、みんなで終わらせようね」
 と話してくれました。
 ついつい、自分の任された範囲ばかりに目が向いてしまいがちだけれど、少し隣の人の範囲にも目を向ける、助けるという気持ちが、やさしいです。終了時間が迫っているときも、いつもまえちゃんが、「○○ちゃんのヘルプにお願いします」と話してくれます。それはキリ良く終わらせるためということもあるだろうけれど、みんなと協力し合って終わらせる、1人にさせないということなんだろうなあと感じました。
 
 草を入れた袋もバケツリレーで回収して、みんなで田んぼを後にしました。まえちゃんが、「これで田んぼの草取りは終わりです!」と話してくれました。
 それを聞いて、少し寂しいような気持ちに襲われました。
 皆勤賞といってもいいくらいに、すにたちゃんと一緒に、毎日のように田んぼの草取りに入らせてもらっていました。「泥ついちゃった!」と言いつつも、いつも晴れ晴れとした笑顔で居てくれて、驚くほど草取りのスピードが速い、すにたちゃん。すにたちゃんがいつも快く、喜んで田んぼの中で動いている姿に、わたしは力をもらっていました。
 
 ふたりで、
「本当に楽しいと思い始めたころに、楽しいことが終わってしまうよね」
 と、話していました。
 すにたちゃんから教えてもらうことは多くて、大きいです。すにたちゃんが日に日に変わっていくのがわかって、わたしも、同じような1日ではなく、少しでも変化できる1日を作っていきたいです。
 
 お父さんが、
「自分の身体にいる病気が嫌がることを、あえてしてやるんだよ。そうしたら病気が飛んでいってしまうから」
 と、話してくださっているのを、すにたちゃんの隣で聞いていて、わたしにも当てはまることだと思い、ハッとしました。
 人が億劫だと感じそうなこと、苦しいからと言って避けてしまいそうなことを、喜んで、進んで向かっていきたいです。それが、自分自身を変えることだと思いました。