【6月号⑰】「新しい草刈り機が仲間入り ―― 6台の自走式草刈り機講習会 ――」 あけみ

 古吉野なのはなの農機具置き場。少し薄暗い中、六つの影が現れた。彼らが通ると道が拓く。この夏、私達の心強い仲間となるでしょう。

 なのはなファミリーの農機具に、新しい草刈り機が六台、仲間入りしました。草刈り機と言っても、今まで使っていた刈払機ではなく、自走式草刈機です。手押し草刈機ともいわれることもあるそうで、前に自走して草を刈る機械です。自走式なためいつも使っている刈払機よりも軽労化できると言われています。

 新しい仲間を効果的に、安全に、正確に皆で使えるように、お父さんによる自走式草刈り機の講習会が開かれました。

 まず今回仲間入りした自走式草刈り機を紹介しましょう。新しく入った仲間は主に三種類。

 まずは、クボタの〝刈るマックス〟です。二サイクルエンジンのもので、他の自走式草刈り機よりは小柄ですが、斜面にも柔軟に対応できる心強い仲間です。

 

 

 ハンドルが上下、左右に大きく動き、斜面での草刈りにも対応ができます。お父さんが少し機械を傾けて刃がついている部分を見せてくれました。刈るマックスは、円盤のようなものに、小さな刃が四つついている形になっています。お父さんが古畑を試しに刈ってくれました。平面でも、少し斜面になっているところでも草を刈り、さらに草を刈った後、草が均等の高さに刈り揃えられていて、さらに草も塊になることがなく、とても綺麗でした。

 続きまして、平地での草刈りに使われる〝オートモアー〟です。刈幅が六十センチのものと、七十センチのものがありました。赤色と青色のオートモアーは、機械の前方が丸くなっていて、その先に小さな車輪が一つ。後輪は二つの車輪がついています。フォルムもなんだか可愛らしかったです。

 

 

■道が拓けていく

 この機械でも、刃の部分がどうなっているのか見ることが出来ました。先端に刃がついた長いバーがあり、そのバーが回転して草を刈っていくそうです。

 草を刈る高さを調節していく部分が、小さな前方の車輪についていました。ボルトを緩め、ねじを回していくと、少しずつ刃の部分が高くなる仕組みになっていました。

 刈幅は六十センチや七十センチということで、すこし大きいのですが刈るスピードがとても速いと感じました。

 古畑には、桃の木が二本植わっているのですが、その周りの草をお父さんがオートモアーを押して歩いていきました。お父さんが通った後、草が伸びていたところから道が拓けていくように草が刈られました。刈った草が塊になることもなく、刈りすぎて地表が露出することもなく、桃の木の足元が涼し気になり、桃も心地よさそうでした。

 残る最後の種類は、〝ウィングモアー〟です。この機械は、車体の左側に角度が変えられる部分があり、畔や法面の草刈りなど対地角度の調整を行えるものです。

 水平にも使えるし、地面から三十度までか、六十度までの角度を選択して刈ることができます。
 毎年、たくさんの田んぼで稲作をするため、田んぼの畔などの草刈りを助けてくれるのではないかと期待しています。

 

 

 実際に、私は古畑の桃の木の周りを少しですが〝オートモアー〟で刈らせてもらいました。あんなちゃんや桃のメンバーの何人かと交代しながら刈っていきました。

 最初はなんだか、私が機械に散歩させられているような感じでうまく使いこなせなかったのですが、だんだんと回数を重ねるたびに前輪ではなく後輪に体重をかけたほうが旋回しやすいことなど、どんな風に自分が力を入れたり動かしたら、操作しやすいのか分かってきました。古畑の草をあっという間に刈り終えることが出来ました。

 

■好きになれるもの

 その後も、桃の畑の草刈りが自走式草刈り機を使って行われていて、半日、約四人で三つの桃の畑の平地と斜面の草刈りを同時に進めることが出来たと喜んでいました。本当にとても心強い仲間だと感じています。

 なのはなでは、農作業でエンジンがついた機械や道具、ユンボやトラクター、軽トラ……、ハウス修繕や建築などでは電動のこぎりやインパクトレンチなど様々なことを経験する中で、色々な道具や機械を使うことが多いです。私は、そういった機械や道具をつかったり、仕組みを知ること、見ることが好きだなと思います。

 


 

 草刈り機の中だって、私の知らない仕組みや仕掛けがたくさん隠れていました。〝前進をする〟という一つの動作をとっても、エンジンをかける仕組み、エンジンの仕組み、それをタイヤに連動させる仕組みなどが隠されているのです。また、それをいかに使う人が使いやすく設置できるか、製造や開発に工夫が重ねられていることを知ります。

 上手く機械をつかえたときは、製造してくれた人達の工夫を理解できたような気持ちにもなります。

 そこで、場所や時間をこえて気持ちがつながっていくような感覚があるのだと思います。より良い作業が出来るように、より使う人が使いやすいように、という気持ちが小さなボルトやレバー、細かい道具の位置など、小さく緻密に自分の解らないぐらいの知識や工夫の上で言葉ではなく、形や場所、動きなどで隠されているのだと思います。その、隠された小さくて大きな利他心の一つひとつを見つけたとき、体験として、(うまく操作できた。良い作業につながった)と意思疎通ができたとき、なにかキラキラしたものを見つけたような喜びがあると感じます。

 利他心のつながりは、機械ひとつでも出来るのだと発見しました。

 なのはなで自分が好きだと思うことや、素敵だと思うことに出会わせてもらったり、またそれを使って実際に作業をして、なぜ自分がそこにときめきを感じたのかも、皆の中で見つけられることが日々あって、とても豊かだと感じます。

 新しい仲間の自走式草刈り機を大切にたくさん活かし、良い作業や畑、作物、桃につなげていきたいです。

 そして、私も、利他心のつながりをまだ見ぬ誰かにつなげられる人でありたいです。