【6月号⑬】「『ありがとう』の言葉が浮かぶ ミズナとコマツナの収穫」 ほし

 なのはなの畑の種も芽を出し、暖かい日差しを受けて、すくすくと育ち、収穫の時期に差し掛かりました。
 この時期には欠かせない葉物野菜、ミズナとコマツナが収穫の最盛期を迎えています。なのはなの食卓にも豊かな彩りが加わります。

 まずは、コマツナのことについてです。

 

■胸を弾ませながら

 

 コマツナが畑に種まきされてから、水やりに入ることがよくあったのですが、収穫できるのはいつかな、と胸を弾ませながら成長を楽しみにしていました。

 種から、双葉が発芽し、本葉が出て、とその様子を見ていると、豊かな気持ちになりました。

 そして、迎えた収穫の日、畑に向かうと、防虫ネットにぎゅうぎゅうになって、はちきれんばかりに大きくなったコマツナと対面。葉もつやがあり、ピンとしていて、まるで(僕を採って)と、威勢よく言っているような様相でした。私からも、(この時を待っていたよ)と言いたくなる心境でした。

 包丁を根元に入れると、すっと、切れ味が良く、柔らかく新鮮な感触がありました。何株かまとめて手に持つと、コマツナのブーケのようで、嬉しい気持ちが胸に広がりました。

 周りのみんなからも歓声が上がりました。みんなと育ててきたコマツナの収穫が嬉しかったです。

 

 

■ひと月も経たずに

 

 続いては、水菜についてです。
 ミズナは、なのはなで育てている野菜の中でも、一番くらいに成長が速いです。この間定植したと思ったら、あっと言わないうちに、収穫の時期になっています。

 ミズナは、トレーで種まきをして、ある程度の大きさになった段階で、畑に定植します。水菜が植わったのは中畑全面で、二千株ほどの数が定植されました。

 

 

 ミズナは、成長が早いのと同時に、強い、という印象が強く、追肥を一回もしないうちに、くたびれた葉が一枚もなく、綺麗に大きく育ったことが、過去に何度かあります。
 今回も、その例のひとつでした。

 ミズナが、育っているかな、と思う前に、植え付けからひと月も経たず収穫適期の大きさに成長していました。思わず、(いつの間にそんなに大きくなったの)と言いたくなります。

 

 

 迎えた収穫の日。ミズナが防虫ネットの中で、勢いよくピンと葉を伸ばしていました。
 まるで、(僕、成長速いでしょ)と、自信満々に話しかけてくるようでした。

 なら、喜んで収穫しましょう、という、嬉しい気持ちで、収穫しました。どの株も、くたびれた葉や虫食いのある葉がなく、元気に育ってくれていました。収穫した水菜を手に持つと、ずっしりとボリューム感や存在感があり、その分、喜びが募りました。

 なのはなの春夏野菜には欠かせないミズナとコマツナ、今年も畑で活き活きと成長してくれました。

 収穫されたものを見ると、(ありがとう)という言葉が浮かび、胸がいっぱいの気持ちになります。

 葉物野菜が収穫できる豊かな季節が嬉しいです。