「ブドウの摘粒」 みつき

6月22日

●ブドウの摘粒

 さやちゃんと何人かのみんなで、ブドウの摘粒をしました。
 この間、ジベレリン処理をしたときは、まだ、ブドウの房は、小さい紙コップに入るくらいの大きさでした。
 それが今では、小指の指の爪くらいの大きさになっていました。
「今の段階では、かじってみると甘くはないけれど、ブドウの皮の食感ができているんだよ」
 と教えてくれました。

 将来、どのようにブドウが大きく膨らんでいくのかをイメージしながら、はさみで粒を切り落としていきました。
 一度切った粒は戻ってこないから、慎重に選ばなくてはいけないし、ものすごく緊張が走りました。粒はぷっくり大きくて上等だけれども、混み合いすぎていたり、粒同士がぶつかってしまっていたりして、切り落とさなくてはいけない、という状況に出くわしたりもしました。みんなと「うぅ~ごめんね!」と、粒に謝ることもありました。

 初めは罪悪感もあったけれど、摘粒された房は、ゆとりがあって、さっぱりしたように見えました。
 これからもっと大きくなるんだもんね、これで良かったんだな、と、納得してきて、残った粒に願いを込めるようで、なんだかうれしかったです。
 さやちゃんが、次は防除と袋がけをしたら、もう収穫のときを迎えるのだと、笑ってくれました。わたしも、一粒ひとつぶに願いを込めて、見守りたいです。

 夜、えみちゃんが読み聞かせをしてくれました。
『シートン動物記』です。
 自分のお母さんも、きょうだいも居なくなって、ひとりぼっちになった灰色グマのこども、ワーブ。コヨーテ、ヤマアラシ、松リス、さまざまな動物に出会うけれど、敵として攻撃されてしまい、転々と移り住んでいきます。そんなワーブがどうなるのか……。
 と、いうところまでを、今日は聞かせてもらいました。
 お母さんグマのやさしさ、ワーブの心細さが、じわあっと伝わってきました。えみちゃんの気持ちがこもった声に、わたしも子供に返ったように、どきどきわくわくしました。
 明日、続きを聞かせてもらえるのも、とても楽しみです。