「掘るごとに嬉しさ」 ななほ

6月20日

 昨日はハウスミーティングでお父さんのお話を聞かせてもらえたことが嬉しかったです。

 私は最初に運動神経について質問させてもらいました。
 私は6歳の頃、二重跳びが数回跳べたのですが、それからというものずっと、二重跳びが跳べず、前跳びや後ろ跳びも平均値より大分、跳べないくらい、縄跳びが苦手でした。

 それ以外でも、学校でやるような体力テストが大嫌いだったり、走るのも遅ければ、スポーツ全般何もできなくて、だから勉強で挽回しようとしてきた部分があったのですが、ついこの間、たけちゃんとゆりちゃんと縄跳びで遊んでいたら、急に二重跳びが12回も跳べて驚きました。

 考えてみたら、なのはなに来てから物理的に筋肉もついて、体力や筋力が強くなったということもあるのですが、足が速くなったり、運動しやすい、身体が動きやすくなったと感じています。

 球技はまだ苦手意識も強いけれど、それでもみんなと試合を普通にできるくらい、ソフトバレーもソフトボールもできるようになり、なのはなに来て初めて、スポーツを楽しいと感じられるようになったような気がしています。

 また、ついこの間の泥んこ運動会の時も、泥の中はグラウンドやアスファルトとは違うけれど、リレーで、「ななほちゃん、足速いからアンカーお願いね」と言われて、驚きました。

 私はずっと、足が遅いのがコンプレックスだったのですが、私でも足が速いと言われることがあるんだなとびっくりしたし、確かに今、畑に出ていても持久力、持続力がいくらでもあって、ものすごい全力を出して疲れてもすぐに回復したり、走るのも走りやすくなったと感じています。

 それについて、お父さんがまず初めに、「うつ病の人は握力が低い」と話してくれました。

 気持ちが弱い時は思いっきり動けない、全力を出せない、どこまでが限界か分からなくて限界まで力を出すのが怖いと思ってしまうこと。

 その握力の話を聞いていて、私は8歳ごろの時、握力が右が9,左が7くらいだったことを思い出して、その時は気持ちが弱っていたんだなと思いました。
 なのはなに来てからも、最初は弱かったけれど、今は右も左も36くらいはあって、8歳の頃より4倍、握力が強くなっているから、4倍、人のために動けると思うと嬉しいなと思いました。

 他にも、楽しみの持ち方や、表現についての話も聞かせてもらえてうれしかったです。

・河上さんのお誕生日

 昨日は河上さんのお誕生日でした。
 食堂の黒板には河上さんの素敵な似顔絵に、私たちが思う、「河上さんと言えば……」がたくさん詰まっていて、見ているだけで嬉しくなります。

 河上さんとは普段は作業をすることは少ないのですが、晩白柚やユズの加工、桃ジャムつくり用の桃カット、加工品つくりなどをする中で、河上さんから正しい道具の使い方、身なりの整え方、野菜や果物の切り方などを1から丁寧に教えていただけることが嬉しいです。

 台所に入らせてもらう時や、当番の時、河上さんから、日本人としてのあるべきマナーや、礼儀、長幼の序などを教えてもらったり、季節の変わり目になると、河上さんから衣類の調整や体調管理についてのアドバイスもいただけることがとても嬉しいなと思います。

 いつも、なのはなの私たちのために美味しい食事を作ってくださる、河上さんとの配膳はいつもものすごく速いけれど、いつも以上に綺麗にすることができて、その時間が大好きだなと思います。

 ずっと、私たちがより生きやすく、自立してからも困らないように生活に必要なことをたくさん教えてくださる河上さんと過ごさせてもらえることがありがたいなと思うし、河上さんのユーモアや笑顔が大好きです。

・私にとって、一大イベント

 山畑西、山畑と連日、ジャガイモ堀りができてとても楽しかったです。
 ジャガイモ堀りと聞くと、どうしても身体がウズウズとして畑に飛び出さずにはいられません。
 そう、私の中でジャガイモ堀りは一大イベントのようなもので、ただ、掘るだけなのにそれが楽しいんです。

 山畑西は父の日の会が終わった後に掘りました。
 この畑は、赤い芋の品種、アンデスとデストロイヤーだったのですが、植え付けたときは種イモ1つだったのに、掘ってみると大きな芋がゴロゴロと出てきて、とても嬉しかったです。

 山畑西は土もフカフカとしていて、はずれのないお宝探しをしているようで、1回掘るだけで、1回ずつ嬉しさを感じられる作業は何でこんなにも楽しいんだろうと思いました。

 山畑西は1時間半もかからずに堀り終えることができ、軽トラックいっぱいに芋の入ったコンテナが積まれているのを見ると、満たされた気持ちになりました。

 私はよしみちゃん、ゆりかちゃん、ほしちゃんと一緒に芋ほりをしたのですが、よしみちゃんと掘っていくと、すぐに2人が芋を手早く回収してくれました。

 また、たくさん芋が付いているときは、ゆりかちゃんとほしちゃんが数えながら芋をコンテナに入れていき、多い時で20数個の芋が1株から取れて、嬉しかったです。

 山畑は1畝が長いのですが、少し暑いなと思っていた時、まりこちゃんがニコニコしながらあるものを持ってきてくれました。
 それは、マクワウリスムージー? いや、黄緑色ではなく、黄色に見える。

 そう、今日は特別、シュガームーンスイカのスムージーでした。
 そのスイカスムージーの甘さや瑞々しさにエネルギー補給されて、みんなと畦に座りながらスムージーを飲む時間がとても嬉しかったです。

 飲む前と後では身体の軽さが違っていて、ジャガイモ堀りのスピードも上がり、持久力も、いつまでも長続きしそうなくらいでした。

 そのこともあり、無事に5時までにジャガイモを掘り終えることができて達成感を感じました。山畑は入り口側は少し土も固く、ゴロゴロしていたのですが、奥に行くにつれて土がフカフカになり、出てくる芋の量も増えていきました。

 やっぱり、土のコンデションによっても芋の生育がだいぶ違うんだなと思ったし、お父さんが夕食の時に、「牛肥の追肥をたくさんしたほうが芋が豊作になるね」と話してくださりました。

 同じ芋でも、サツマイモやサトイモは牛肥などの窒素をやりすぎると、葉はものすごく大きくなるけれど、収量は少ないということになることがあったり、豆類は根から窒素を取り入れることができるため、あまり窒素を必要としないけれど、ジャガイモは追肥したら追肥した分の、結果が出るのかなと思いました。

 また肥料の違いを見ながら生育や収量を見るのも楽しみだなと思ったし、大豊作のジャガイモ堀りが嬉しかったです。

 本当にジャガイモ堀りが楽しくて、なのはなのみんなにとって、一大イベントだなと思いました。