6月22日(木)「育つ果実、変身する果実 ―― ブドウの摘粒と、梅干し・梅サワーづくり & 栗の赤ちゃん発見!」

6月22日のなのはな

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 ブドウの摘粒をしました。
 卒業生のやすよちゃんも一緒に入ってくれて、5人での作業になりました。
 まず、イメージをつかむために、みんなでブドウの摘粒動画を見てから作業に入りました。
 房を育てるというより粒を育てるというイメージで、粒を間引いてきます。

 間引く粒は、“ショットベリー(明らかな小粒)”、“傷のある粒”、“内向きの粒”、“軸に対して平行についた粒(上向き粒、下向き粒)”です。
 
 ブドウは、粒のかたまりがいくつかまとまって房をなしているのですが、その一つのかたまりを「車」といいます。
 房を上段、中段、下段、と分けて考えて、だいたい1つの車に4~3粒くらいつくようなイメージで、摘粒をしていきます。

 

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 横に張り出た粒はあまりつぶし合う心配がないのですが、内向きの粒は、周りの粒が大きくなったときに中でつぶれてしまうし、房の中段にある車で、上向きや下向きについている粒は他の粒と邪魔しあって、やっぱりつぶれてしまいます。

 上段の車の粒は上には空間があるため、上向きについている粒はほかの粒を気にすることなく大きくなれます。そのため、上段では、上向きの粒や、横に張り出た粒は残し、下向き、内向きの粒をはさみでカットします。
 中段の粒は、上にも下にも粒があってスペースがないため、基本的に横に張り出た粒だけを残します。
 下段は、下には空間があるので下向きの粒は落とす必要がなく、横向きと下向きの粒を残して、上向きの粒はカットします。

 

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 まず古畑のシャインマスカットからスタートしました。
 花のときはどこにあるか見失ってしまうくらいふわっと軽かった房が、粒の重さで軸から垂れ下がり、ブドウらしい顔をして、ぽん、ぽん、と棚下のあちこちで灯るようにあるのを見ると、すごくうれしい気持ちになります。
 みんなでもう一度確認してから、互いを追い越し、追い越しして、一方向に向かって摘粒をしていきました。

 房がある場所に目印としてつけた赤いスズランテープを、摘粒が終わったものは、房から3センチほどの位置にずらしてとめて、お互いに摘粒が終わった房をわかりやすくしました。
 実際には、車が一部、抜けてしまっている房があったりして、そういう房は、スペースが空いていればそこを下向き粒や上向き粒を残して補いました。
 最終形が35粒くらいになる房が多いかなと思いました。

 

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 池上のオーロラブラックは、品種の特徴として、シャインマスカットよりも粒が大きく成長している房が多いです。
 オーロラブラックは、シャインマスカットよりも軸が短く、粒が大きいです。
 1粒にかける期待を、シャインマスカットのときよりもすこし大きく持つ気持ちで、間引きました。

 

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 みつきちゃんが、摘粒した粒の立派をだったのを、かわいいと言って集めて持っていたのを見せてくれたり、みんなからときどき緊張の吐息が聞こえたり、立派なのに下向きなので切らなければいけないのが心苦しい……という呟きがあったりするなか、みんなと摘粒できたことが、すごくうれしかったなと思います。

(さや)

 

 

【果実とつぼみの写真館】

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〈ブルーベリーは、もうすぐ収穫の季節です〉
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〈ハウスで栽培しているミニトマトの実も色づいてきました〉
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〈ピーマンには可憐な蕾がつき、もうすぐ花が咲きそうです。今日は、先日追肥した牛肥をより効かせるため、中耕も行いました〉
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〈ユーノス畑のそばにある栗の木は、今、花が咲き誇っていますが、雌花の根元に、まだ緑色で柔らかな栗のイガの赤ん坊ができていました!〉
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〈ジャガイモの貯蔵や、草刈り、草取りなどを進めることのできた1日でした〉

 

***

 

 ふんわりと心地の良い匂い、黄の淡い色が、包み込むような和やかな気分にさせてくれます。
 香りと色の持ち主は、「梅」。
 今日は、収穫してきた梅を加工する作業を行いました。

 梅の加工は、3つの行き先があります。
「梅サワー」と「梅干し」と「梅ジャム」です。
 梅サワーは、夏の火照った身体を梅の酸味と共に癒してくれて、なのはなの夏には欠かせないです。

 今日は、なつみちゃんと一緒に、河上さんに教わりながら作業を進めました。
 収穫された梅の甘い匂いが漂ってきて、夢のような気分になりました。
 早速、爪楊枝を持って、一つひとつの梅のヘタを落としていきました。
 くるっと爪楊枝を回すと、すぽっと取れていくのが面白いな、と思いました。

 河上さんが、梅の用途によって変わる、梅の選別基準を教えてくださいました。加工するものによって、適した熟れ具合が違ってきます。
 今まで私は、収獲した作物の加工に携わることはあまりなかったけれど、その過程や工程も学ばせてもらえることが、興味深くて、ありがたいな、と思いました。
 実際に加工に携わることで、作物を見る目も、今までになかった視点で見られたり、視野も広がっていくなあ、と思いました。

 その流れで、河上さんに梅干しの漬け方を教わりながら、作業しました。
 大きめのボウルに果実酒を適量入れて、そこにどんどん洗い終わった梅を入れて、塩をもみ込みます。
 塩が絡まった梅を見ていると、こうやって梅干しになるのか、と目新しさを感じました。
 よく、食品屋さんのポスターなどで見る光景だな、と思いました。

 すべて塩をもみ込むことができたら、樽に詰めて、重石を置いて、しばらく漬けておきます。
 そのとき、塩分が梅に染みわたってしわしわになっていくようすが、凄く想像できました。
 河上さんが、
「今後も、漬かり具合を2人で見てくれたらいいよ」
 と話して下さいました。

 またなつみちゃんと一緒に、随時、梅干しができていく様子を見られるのが凄く楽しみだな、と思いました。
 3日後には、重石を半分の重さにしようと、なつみちゃんと話しました。

 梅干しを漬け終えると、次は、梅サワーを漬けます。
 梅サワーは、果物やラッキョウを漬けるときにつかう大きなガラス瓶に漬けます。
 大きな実が漬けられて瓶に入っているのが、見た目にも華やかで可愛らしいな、と思いました。

 

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 その瓶の中に梅、砂糖、酢の順番で入れていきます。
 最後に酢を注ぐときが醍醐味だと感じ、嬉しい気持ちが溢れ出てきました。

 今日、教わったことをしっかり覚えて、次回も確実にできるようにしたいな、と思いました。

 明日は、梅ジャムの加工を河上さんとする予定です。
 明日も、この梅の気分が続くのが嬉しくて、心地よく目覚められそうだ、と思いました。

 梅サワーと梅干し、時間をかけて、じっくりと熟成してくれたらいいな、と思います。

(ほし)