【6月号⑦】「新ルールで大逆転のチャンス!? ―― 恐竜の鳴き声には従おう ジュラシックブリッジ ――」 えみ

 

 山小屋キャンプ二日目の夜は、セブンブリッジ。

 今回は、子供組のみんなと一緒に実行委員をさせてもらい、準備の過程から本番まで、みんなに楽しんでもらえるようにと考えながら作っていく時間や、みんなと遊べた時間がとても嬉しかったなと思います。

 四月の中旬ごろ、山小屋キャンプに向けての準備が始まりました。初日にみんなで集まった時には、さっそく、テーマの恐竜について調べたり、リーグ表の制作を進めました。でも、ここまででは毎月七日にしているセブンブリッジとあまり変化がありません。

 昼食の席で、お父さんお母さんが、
「これまでの枠にとらわれず、子供組ならではの面白いアイデアを盛り込んだらどうか」
 といったことを話してくれたのを聞いて、その日からは、いつものセブンブリッジのルールにプラスして、どんな新ルールを加えたらいいかということをみんなと話しました。

 

 

■特別なカード

 まず最初に出たのは、カードゲームのウノにちなんだウノルール。全員プラス二枚、スキップやリバースなどのカードを加えることで、新しい展開で面白くなるのではというアイデアが出ました。

 それをもってお父さんのところに相談に行かせてもらった時、それもいいけれど、新しいルールを加えるなら、いつものルールだと、カードの運によって勝てたり負けたりしてしまうところを、例え最下位であっても最後までみんなが楽しめるようにしてはどうか。ということを教えてくれました。

 そうして生まれたのが、
「ポン・チー禁止カード」と
「ジョーカー・七引き渡しカード」です。前者の
「ポン・チー禁止カード」は、誰かが鳴いたとき、でもそれを阻止したい場合に、ポン・チー禁止カードをみんなに見せて、
「○○禁止!」と叫ぶと、叫ばれた人はその時に鳴くことができなくなるカード。また、後者の
「ジョーカー・七引き渡しカード」とは、各ゲームの初めの時点で、リーグ内で一人選んだ人がジョーカーまたは七を持っていた場合、自分のいらないカードと交換できるというカードです。

 準備の時間に、子供組のみんなで実際に二種類の新ルールを試してみました。
「私たち、準備のはずなのに遊んでるだけじゃん」と自分たちでツッコミを入れていたけれど、実際にトランプを使って遊んでみることで、どう面白くなるのかや、ルールを適応するタイミングや回数など、どれくらいにしたらちょうどいいのかなどが見えてきたなと思います。

 四人などの少人数で遊んでも、新しいルールはかなり盛り上がって、みんなと本番に遊べるのがとても楽しみになりました。

 

 

■十のクレド

 そして、迎えた本番当日。直前の会場の準備などでバタバタしてしまうところもありましたが、けいたろうさんやえりさちゃんなど卒業生のみんなも手伝ってくれたりして、みんなの気持ちがとてもありがたかったです。

 みんなが会場に集まってきて始まる前には、四人でエイエイオーのハイタッチをしてスタンバイしました。
「それではー、これより、セブンブリッジ大会をー、始めるー」
 実行委員の四人で応援団になり切って、ももかちゃん指導のもとみんなで外で練習した寸劇。
「その一、判断に困った時は相手の利益を優先して考えること」
「その二、常にポーカーフェイスであること」
「その三、自分の誇りにかけて、泥臭く罰ゲームをすること」
「その四、恐竜時代の弱肉強食なセブンブリッジを作っていく一人であること」……。

 体育館に集まったみんなが温かい目で見守ってくれていて、自分たちの緊張もどんどんほぐれていくのを感じました。

 十個目のクレドの中の、
「その六、恐竜の鳴き声には従うこと」というところでは、みんなの中にざわめきが起きました。

 いったい、その意味は何なのか。それは、後々分かる、お楽しみです。

 そして、ここで今回のセブンブリッジの新ルール、その名も
「最下位哀れみの令」を発表しました。
「ポン・チー禁止カード」や
「ジョーカー・七引き渡しカード」について、りなちゃんがみんなに説明をしてくれました。

 ルール説明が完了したところで、さっそくリーグごとにゲームスタートです。

 今回は実行委員のみんなもゲームに入らせてもらうことになり、私はふみちゃんと一緒のペアでした。

 

 

■負けているけれど嬉しい

 前半のトリケラトプスリーグには、卒業生ののぞみちゃん親子やあゆみちゃん一家もいてくれて、とても賑やかなリーグでした。たけちゃんやゆりちゃんも一緒になって遊んでいて、その空気がとても暖かかったなと思います。

 ふみちゃんとのペアでは、大負けもしないけれど順調に小さなマイナスを積み上げていて、特別カードがもらえる回では、何と最下位で権利を獲得できることに。負けているのは悔しいけれど、カードをもらえるのは嬉しい。何とも複雑な気持ちでした。

 問題は、いつのタイミングでこのカードを使うか。少しでもチームに貢献できるように、慎重にチャンスを選ばなければいけません。でも、待ちすぎるとそれも逃してしまう。

 同じリーグでは、さきちゃんどれみちゃんペアが順調に上がりを続けていたり、あけみちゃんももかちゃんも、顔色を見る限り何だか毎回カードの運がいいみたいです。

 特別カードを手にした次の回では、使うタイミングを見つけられず、次の回へ。

 次こそは、絶対にこれで阻止しよう!

 そう、ふみちゃんと言い合って、待ちました。

 

 

■ポン禁止令発動

 次の回。あけみちゃん・ももかちゃんペアの勢いのいい「ポーン!」という鳴き声を聞いて、これは一発上がりをされてしまうかも。そんな危機を感じて、ポン禁止令発動! あけみちゃん、ももかちゃんの悔しそうな顔を見て少し申し訳ないような、でもカードのおかげで大失点を逃れることができてほっと一安心しました。

 それでも、そのすぐ後には、あけみちゃんももかちゃんペアが一発上がりをして、何とのぞみちゃんが七百点ほど献上することに。セブンブリッジでは、最後まで何が起こるか分かりません。

 それぞれのリーグで前半戦が終わったところで、集計に入ります。休憩時間には、えりさちゃんがお土産に持ってきてくれたチョコクッキーを頂いたり、恐竜の豆知識クイズで盛り上がりました。

 そして、いよいよ中間発表。全リーグの結果を集計し、一位から発表していきます。一位から順に、青、ピンク、黄、オレンジ、白、赤の順。最下位の赤チームは、何とお父さんお母さんや、あゆみちゃん一家、相川さん、そしてまえちゃんもいるリーグです。

 最近のセブンブリッジでは罰ゲームが恒例だというまえちゃん。一体今回はどうなるのでしょうか。

 

■卵の中身は……

 でも、各チームの点差は後半で十分に埋められる程度。まだまだ試合はこれからです。ここで、お待ちかねの救済ルールの時間です。
「あっためて、あっためて、卵を孵化させよう! こちらにある、六つの恐竜の卵。あなたの子供はどーれ?」
 各チームで一つ、丸椅子の上の風船卵を選んでもらい、代表の人にお尻で割ってもらうというものでした。中に、何が入っているかはお楽しみです。

 

 

 せーの、バーン!

 の掛け声で、一斉に卵が割れました。中に入っていたのは……救済ルールのかかれた、一枚の紙。黄チームは得点三倍、赤とオレンジチームは得点二倍。そして、白チームは、「勝ったらみんなからウインク」、青チームは、「みんなから愛のコメント&投げキッス」。この二つは、得点には関係なくとももらって嬉しい権利です。

 それから、ラストのピンクチームは、「ガウォー権」!
「ガウォー権」とは、ポンよりもチーよりも強い、恐竜の鳴き声で鳴ける権利のこと。それだけでなくて、チーをするときに限って、マークが違っても数字が揃っていれば鳴くことができる。寸劇の中の「恐竜の鳴き声に従うこと」の意味は実はこのことでした。

 

 

 後半は、前半戦とはリーグが変わってまた新鮮なメンバーで試合が再開しました。

 私のいたリーグは、有賀さんよしえちゃん、のんちゃんみつきちゃん、りんねちゃんえつこちゃん、さやねちゃんさくらちゃん、るりこちゃんのいるアンキロサウルスリーグでした。一体どんな展開になるのか、期待を込めて、さっそく試合に入ります。

 けれど、試合が始まってすぐの僅か二試合目で、私とふみちゃんの間では大波乱が起こりました。

 

■カードを駆使して

 さやねちゃん・さくらちゃんのペアが一発上がりをし、さらに赤チームは二倍の券を持っている。それだけでなくて、手札の中にはジョーカーが一枚。

 なんと一気に二十倍の失点で、一気に千点以上を失ってしまいました。オレンジチームの皆さん、ごめんなさい。まだ諦めたくないけれど、罰ゲームを覚悟したなと思います。

 当然のごとくリーグ内ではしばらく最下位を貫き通して、「ポン・チー禁止カード」と「ジョーカー・七引き渡しカード」をもらい続けました。

 これらのカードを駆使して、何とか挽回しようとふみちゃんと一緒に作戦を練りました。
「ジョーカー・七引き渡しカード」が使えるのは、試合の始め。誰が持っていそうかな。そう思ってみんなを見ると、ひとり、口元がにやにやと嬉しそうな人がいます。
 このペアにしよう! とえつこちゃん・りんねちゃんペアに「ジョーカー・七引き渡しカード」を渡しました。

 すると、見事予想が的中して、ジョーカーを一枚、交換してもらうことができました。「分かりやすすぎ!」とりんねちゃんがえつこちゃんに突っ込んでいて、そのやり取りも面白かったなと思います。

 

 

■ガウォー権を使って

 後半の試合では割とジョーカーや七がもともと手札に回ってくることも多くて、さらにジョーカーと交換してもらって一発上がりを出来ることが何度かあり、ふみちゃんとハイタッチをして喜びました。

 また、このリーグで「ガウォー権」をもっていたのはピンクチームののんちゃん・みつきちゃんです。後半の三試合目では、この二人はガウォー権を使って一発上がりをしていたり、他のリーグでも今までにない展開が起こっていたようです。

 

 

 試合に夢中になっていると、時間の過ぎるのはあっという間で、気づいたら後半戦も終わりの時間。
 全リーグのラストゲームが終了したところで、ドキドキの前半・後半合わせての得点の集計です。

 発表のために実行委員で結果を覗きこむと……すごいことになっています。
 自分たちでも少し驚いてしまうくらい、前半とは大きく順位が入れ替わっていました。

 総合順位は、四位からの発表です。四位は、白チーム、三位ピンクチーム、二位青チーム。そして、栄えある一位は、何と前半では最下位だったピンクチームでした。後半戦で、私たちも大きく献上した、さくらちゃん・さやねちゃんペアの千四百十五点がチームを救っていたようです。

 そして、残る二チームのうち最下位を逃れたのはオレンジチーム。惜しくも黄色チームが罰ゲームという結果になりました。

 誰も予想できなかった結果に、あちこちから驚きの悲鳴が聞こえてきました。

 

■前世、恐竜だったんです

 今回の罰ゲームのお題は、「実は私、前世恐竜だったんです……」ということで、黄色チームのみんなには恐竜のくじを引いてもらい、くじにかかれた恐竜をイメージしてなり切ってもらうというものです。

 一つ目のテーマは、「卵から生まれてくる様子」。二つ目は、「その恐竜が大人になってティラノサウルスに襲われて食べられる直前のひとあがきのジェスチャーと鳴き声」。

 罰ゲームの時間は、お父さんが実況中継をしてくれました。

 盛りだくさんでちょっと難しい罰ゲームだったのかなとも思うのですが、思い切り恐竜になり切って演じる、みんなの姿がとてもかっこよかったです。

 

 

 卵から生まれてくる瞬間は、実際に新聞紙で作った大きな卵に入って、そこから殻を破って出てきてもらいます。

 本当に前世恐竜だったのではと思うくらいの見事な再現ぶりのプテラノドンのさきちゃんや、パキケファロサウルスのどれみちゃん。とっても可愛らしい鳴き声のよしえちゃんは、何とティラノサウルス。

 中にはゲストの有賀さんの姿もあって、初めてとは思えないくらいなり切って演じてくれていて、とても素敵だなと思いました。

 生まれ方も、襲われ方も、恐竜によって本当に様々で、それもみんな再現度がすごかったです。ちょっと当てるのは難しいかなと思っていたものも、みんなが次々と当ててくれていました。

 

プテラノドンの誕生!!恐竜が卵から生まれるシーンを再現

 

 ここ最近で一番というくらいお腹を抱えてみんなと思い切り笑って、最後の最後まで夜の時間でした。

 午前中のウォークラリーから始まって、盛りだくさんのキャンプ二日目。新しい特別ルールも盛り込んだジュラシック・ブリッジも、みんなと楽しめて嬉しかったです。