「袋掛けをしながら」 つき

5月18日

 桃の袋掛けをしました。私は今季初の袋掛けで最初は緊張しましたが、あんなちゃんが大切なポイントや注意点を説明してくれて、やっていくうちに袋掛けをする感覚も思い出してきました。

 あんなちゃんがいつも一番大事だと教えてくれることは、雨や虫が入らないようにするために袋の口をきっちりと閉じて隙間が入らないようにすることです。もう収穫までこの袋は開けないと思うと、袋が風などで取れてしまわないように、一つひとつしっかりと隙間なく付けていけるように気を付けて付けていきました。自然と、袋についている針金を止める指にも力が入りました。

 次、袋を開ける時にはどんな姿になっているだろう……と想像しながらやっていると、本当に収穫まですぐなんだな、と思いました。考えてみたら、あと約1か月後には、はなよめの収穫が始まります。緊張感も増していくけれど、楽しみにもなりました。

 今日は、午前に開墾17アール畑のはなよめと日川白鳳の袋掛けを終わらせて、午後には加納岩白桃を進めることができました。はなよめと日川白鳳はオレンジ袋だったので、腰袋からオレンジ袋をとって開くときになかなかめくれない対策として、あんなちゃんが指サックを用意してくれました。付けてみると、一発で袋をめくることができて、すごくストレスフリーでやりやすくなりました。

 けれど、暫くはめていると指が締め付けられてうっ血しそうになってくるのが問題になってきて、休憩の時間に、なにか良い方法はないかと話していると、濡らした布を腰袋に付けておいて、指を湿らせられるようにするのはどうかと、あんなちゃんが提案してくれました。

 そこで午後は、濡らした布と指サックを両方付けてやってみましたが、午後からは加納岩白桃になったので袋が二重袋になって素手でもめくれやすい袋だったので、結局、効果はよく分かりませんでしたが、袋掛けも、よりやりやすく効率が良いように工夫しながらやっていける空気感がすごく嬉しかったです。

 袋掛けをしていると、時間があっという間でした。終わって車に乗ると、一気に力が抜けてしまうような感覚で、頭がボーっとしてきました。こんなに集中してたのか……と驚くくらいずっと集中しているんだな、と感じました。それほど夢中になって集中できることが、今はすごく幸せなことだなと思います。

 摘果も同じメンバーで、あさから夕方までずっと当番も抜けさせてもらって作業をしていて、終わらせることができて本当に嬉しかったです。みんなでいっぱいの達成感を感じられたことが、大切な成功体験になりました。あんなちゃんのきれいな笑顔もすごく嬉しかったです。
 同じメンバーで袋掛けも回っていると、スピードや空気が一つになっている感じが心地良かったです。

 午後に、袋掛けをしながら去年の桃の嫁入りをしている時のことを思い出しました。選果ハウスにお父さんとお母さんが笑顔で来てくれると、いつも安心して嬉しい気持ちになって、頑張ろうと力が湧いてきていました。そのことをたまたま思いだしていて、今もお父さんが来てくれたらいいなぁ……とふと思っていた時に、丁度お父さんがトラクターに乗って開墾17アールに来てくれて、あまりのタイムリーさに驚いたけれどすごく嬉しかったです。「順調そうだね」というお父さんの笑顔に、また安心した気持ちになりました。

 そんなこともあって、お父さんお母さんがいてくださって、なのはなファミリーという恵まれた場所で過ごさせてもらっていること。そして大好きな仲間がいて、毎日さりげなく助けてもらっていること、自分もその中で力になれるように頑張れること、上手く言葉に表しきれないけれど、そんなことが本当に尊いことだなぁ、としみじみと思いました。私は幸せ者だと思いました。