「美意識を持つこと」 ふみ

5月11日

 この仕事はどのくらいで終わるだろうと考えるときに、お父さんは、このくらいで終わらせることができるという美意識が自分のなかにあることを教えてくださいました。
 この人数ならこのくらいで終わるだろうという、自分のなかの美意識に沿った仕事をする。

 そのお話を聞かせていただいて、少し前のミーティングのときに、お父さんが、
「これまで苦しんできた価値観のなかでの“出来る人”になるのではなくて、これからは自分の美意識にかなった、できる人になるんだよ」
 と教えてくださったことを思い出しました。

 お父さんのお話を聞かせていただいて、自分でどういうプランを持って、仕事を進めていくか。そこに、自分のなかでどういう風に仕事を終わらせたいかと美意識を持つことが必要なのだと感じました。
 今までだったら、失敗をしないように、臆病になって、怒られないようにということが頭の大半を占めていて、それが、お母さんのおっしゃっていた“出来る人”の像に囚われることなのだなと思いました。
 そうではなくて、これからは、そこには囚われないで、自分で目の前の仕事をどう進めていくか。今、目の前にいる人とどう進めたら、どのくらいの時間で仕事が終わるのかということを考えて、評価には囚われないで、自分のなかでどうありたいかという美意識にかなう人になるということを、お父さんは教えてくださったのだと思いました。

 評価には囚われないで、美意識を持つことと、そして、最近の作業だったら、私は桃の摘果に入らせてもらって、なのはなの桃を楽しみにしている人や、まだ見ぬだれかのために、摘果を頑張りたいです。
 硬核期になると、人間でいったら妊婦さんのような状態で、そのときに、桃に触れたり刺激を与えてしまうと、流産をしてしまうようなイメージだと、あんなちゃんが教えてくれました。
 だから、今年は5月20日頃から硬核期がスタートするので、そのちょっと前には、摘果を終わらせる目標で、今、あんなちゃんやみんなで摘果をしていて、スピード感を持ちながら、虫くいや変形の実に気を付けながら、残すべき実をちゃんと残していきたいです。

 桃の摘果をしていて、集中していたなかでも、時折、若い桃の香りを感じました。若い桃の香りがすると、なのはなの桃を楽しみにしている人だったり、なのはなを応援してくださっている方がいることを、ふと思って、よし、頑張ろうと思いました。
 枝の近くで集中していると、自分が残しすぎているのか、落としすぎているのか、というのが感覚がわからなくなってくるときがあって、そのときはあんなちゃんが作業をしているところを見たり、あんなちゃんがみんなの摘果したところを見に来てくれるときもあって、教えていただけることが有り難く思いました。
 自分の感覚だと間違っていたことを気がつかせてもらって、正しく摘果を進めていけるように、感覚を自分のなかに落としていきたいです。

 桃の木に触れると、太陽の光を浴びて、少し暖かかったです。
 桃の枝に太陽の光が直接あたって、光を遮る葉とかがないと、桃の木の肌がはげてしまうということを、あんなちゃんに以前教えてもらったことを思い出して、桃の実も、できれは養分を吸える葉の近くであり、日焼けしないように、葉の下にある実をできるだけ残して、丸くて美しい形をした桃の実に出会えると、すごく嬉しかったです。

 摘果をしていると、すごく考えることがたくさんあると感じるけれど、迷う時間を極力少なく、決断力をもって、桃に向き合っていきたいです。潔く、美しく作業をしていきたいです。