「ハウス修繕ファミリー」 なつみ

4月5日

 今日はついに、雪の災害で崩れてしまった5棟のハウスの再建築がすべて終わったという、とってもおめでたい日でした。

 夕方には、須原さんとさくらちゃんが、お母さんや河上さん、まちこちゃんと一緒に「ハウス修繕完了祝賀会」を、作業開始、作業終わりにいつも集まる籾摺り機倉庫で開いて、招待してくれました。

 5時に籾摺り機倉庫に向かうと、ドアには祝賀会の案内と内容が書かれた紙が貼ってあり、ハウスメンバーみんなで集まれる、それだけで、とても嬉しいことでした。

 中に入ると、親方(須原さん)とミニ親方(さくらちゃん)がコンテナと道板でコの字にベンチを作ってくれていて、その上には、お母さん、河上さん、まちこちゃんからのおめでとうの気持ちのプレゼントもおかれていて、みんなの話を聞きながら、美味しく頂きました。ありがとうございました。

 みんなが揃ったところで、須原さんがまち子ちゃん特製の「ドクダミ茶」という名の「リプトンティー」を温めたやかんを回してくださり、みんなの紙コップが満たされたところで、ハウスの修繕完了を祝って「乾杯!」をしました。
「かちゃん」「かちゃん」
 紙コップだから、グラスのようないい音はならないけれど、みんなで、嬉しい気持ちを「かちゃん」と言いながら乾杯をして分かち合いました。

 それからまず、さくらちゃんの、「みんながハウス修繕の中で一番好きな工程は何ですか」という質問に、一人ずつ答えていきました。
 わたしは、棟、母屋パイプの取り付けか、妻面のビニル張りでものすごく迷いましたが、妻面のビニル張りで、るりこちゃんと採寸が上手くいかなくてやり直しになったり、逆に、ものすごいぴったりで、つぎはぎのビニルがまるで一枚の綺麗なビニルに見えたりと、もっと沢山、大変で、でもそれ以上に面白い思い出がいっぱいあって、やっぱり、妻面のビニル張りが一番だなと思いました。

 意外に、あけみちゃんとるりこちゃんとよしみちゃんも妻面のビニル張りで、さくらちゃんとさやちゃんは、棟、母屋パイプの取り付けで、
「一人じゃできないけど、みんなで出来るところが好き」
 と話していて、それもとても共感しました。

 親方は、
「やっぱり、ハウスが完成したところが一番うれしいですね」
 とおっしゃられていて、修繕一棟目の吉畑手前ハウス以降、一緒に修繕をがっつりすることはなく、困ったときや、方針を決めるときは快く助けてくださって、実際に建てるのは、わたしたちに任せてくださっていました。

 ずっと一緒に作業していたわけではないけれど、いつも、須原さんがハウスメンバーを気にかけてくださっていたのは、わたしも良く分かるし、その須原さんが、一棟建ったら、いつも私たちと同じかそれ以上に喜んでくださっていて、須原さんという親方の元で、弟子入りさせていただけて、幸せな自分たちだと思いました。

 好きな工程の次は、「ハウス修繕を終えての感想」でした。
 これは、聞いていても話していても涙が出そうで、ますます解散が名残惜しくなりました。一人ひとり、言葉は違うけれど、さくらちゃんが言っていたように「家族」の様なハウスメンバーに、自分だけでなく、みんなが救われてきたのだと思います。
 
 わたしは二重ハウスを一重にする作業から今日まで、約2か月半強、須原さん、さくらちゃん、るりこちゃんと一緒にハウスの作業をさせてもらってきました。

 最初は、何が何だか全くわからなくて、須原さんに「こうして」「ああして」と言われながら、足場を作るところから始まって、「自分がどうしたいか言う」「やること宣言」など、いろいろ、本当に基本のところまで教えてもらいました。

 吉畑手前ハウスの再建築の時は、自分が我を張ってしまって、須原さんに失礼な態度をとってしまっても、須原さんが変わらず冗談を言ってくださって、わたしは最後まで職人さんにはなれなかったけれど、須原さんが、ハウスメンバーの様子を現場まで見に来てくださると、とても嬉しかったです。

 わたしがポカをして、さくらちゃんに頼まれた工程がやり直しになってしまったことも度々ありましたが、「大丈夫! できるよ!」と言って、いつも前向きに居てくれて、なよなよしないで、リーダー、ミニ親方として、いつもテキパキ動いて、より良いハウスを作ることに全力を傾けて、且つ、仲間をいつも労わっていて、さくらちゃんの細やかな気持ちに、いつもいろんなところで助けてもらったと思います。

 そして、この2か月半強、ずっとペアで作業してきたるりこちゃんには、わたしの作業のフォローから精神面のフォローまでしてもらってきました。
 作業では、2人でよくやり直ししました。でも、いつもるりこちゃんや、メンバーのみんなが「なせばなる」を信じて、実現してきたから、やり直した後は、やり直す前よりずっと、ずっと綺麗で整然としたものになっていて、ハウスの修繕は全部、成功体験となりました。

 わたしが落ち込んでいると、「大丈夫? わたしで良かったら何でも話してね」と、無理に話せというわけでは全くないけれど、いつもどんな私でも理解しようと受け止めてくれて、るりこちゃんにはきっと、みんな以上にたくさん迷惑かけてしまったなと思うのですが、わたしはるりこちゃんとペアで、ハウスの修繕を長い期間やらせてもらえて、本当に嬉しかったです。

 わたしは、長い期間同じメンバーで同じような作業をするのがとても苦手で、いつも中途半端だったけれど、ハウス修繕で初めて、わたしは「やり切る」ということが出来ました。
 それは、わたしの中で、ハウスメンバーに作ってもらった大きな成功体験で、大きな自信になったと思います。
 わたしはハウスが終わったので、これからは桃チームに入って動いていくのだと思います。これまで、桃の作業は続いたことが無くて、正直とても不安です。
 でも、今思えば、ハウスの作業も同じでした。いつ自分が、もうやめたいと言い出すか分からないような不安と、今回は絶対やり切りたいという、ほぼ執着のようなものですが、そんな気持ちで食らいつくようにやっていて、やり切った今、本当の本当に嬉しいです。

 桃作業もやり切りたいです。ハウスがやりきれたから桃作業もやり切れるか、それは分からないです。だから大きな声では、この目標はいえません。
 でも、もし自分が躓いたときは、きっと、また須原さんやさくらちゃん、るりこちゃんがわたしを拾ってくれると思います。
 だから、わたしも思う存分、桃作業を楽しんで向かいたいです。

 ハウスのみんなとしばらく一緒に作業できないのを思うと、とたんに寂しくなってきました。わたしは、ハウス修繕ファミリーが、大好きです。

 ハウス修繕のチームに入れてくださってありがとうございました。
 とても、とても、とーっても楽しかったです。