3月22日(水)「栗山の手入れ、一段落 & 桃の開花と『ジンチョウゲ・チャレンジ』 & 日本優勝! WBC特番を観た夜」

3月22日のなのはな

 1日かけて、栗の木の剪定と、前に間伐した栗の木の根の回収をしました。私は、主に須原さんと剪定をしていきました。栗担当の、まなかちゃんたちが剪定したい枝にスズランテープで印をつけてくれていて、それを目印に、枝を切っていきました。

 

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 太い枝は須原さんがチェーンソーで、細い枝は私がノコギリで切っていきました。間伐のときには木の幹の下のほうを切ったので、地面に立ってできたのですが、剪定は高い場所が多く、桃の摘蕾などで使う8段の脚立を使っての作業になりました。

 須原さんが脚立に登ってチェーンソーを使うのを見たり、大きな枝が倒れて落ちてくるときは危険で緊張するけれど、須原さんが太い枝を落としていくところは本当に格好いいし、数メートルもある大きな枝が倒れるところはダイナミックで気持ちよく、とってもエキサイティングな作業でした。

 

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 倒したい方向に傾いでいる枝はそのまま切り倒しました。真っ直ぐ上に伸びていたり、倒したい方向と違う方向に傾いでいる枝は、ロープで引っ張りながら切り、地面に下ろしていきました。

 この、ロープを高い枝にかけてくる作業が、また面白いのです。
 木登りをして、切りたい場所より1~2メートルほど上にロープをかけていくのですが、この木登りが意外と楽しく、ちょうど足をかけたいところか、少しだけそれより高いところに枝分かれしている部分があって、上手い具合に登ることができるのです。

 

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 自分が木登りする日が来ると思っていなかったし、できるとも思っていなかったのですが、やってみると、子供の頃にアスレチックで遊んでいるみたいに、とても面白くって、少しはまってしまいました。もちろん、安全は確保しながら登ります。

 須原さんにロープの結び方も教えてもらって、最初は戸惑いながら結んだのですが、それもだんだん速くできるようになって、面白かったです。そんなふうにして結んで、須原さんが切るのに合わせて引っ張って、綺麗に倒れたときは快感です。

 

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〈お父さんや須原さんが、ユンボを使って、切り株や根をトラックへ載せてくれました〉

 

 今日で一通りの剪定を終えることができて、根運びも、永禮さんがダンプを出してくださって、みんなで手で載せたり、お父さんが須原さんがユンボを使って載せてくださり、運び出すことができました。どちらも大がかりな作業だったけれど、面白くて、切りよく終えることができて、嬉しかったです。

(のん)

 

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「本日、開墾17アール行きのステップワゴンは、午前9時30分に出発いたします。桃の摘蕾メンバーのみんなは、しだれ桜を見てから、ステップワゴンにご乗車ください」
 ひろこちゃん運転で出発したステップワゴンは、桃畑に行くかと思ったら、その前に『ジンチョウゲチャレンジ』駅に止まります。
 そう、畑に向かう道中にジンチョウゲの花が咲いているスポットがあり、3日前から、畑に行くたびに、そこで15秒くらい止まって、香りを感じてから畑に行くということをしています。

 朝の『ジンチョウゲチャレンジ』の結果は……。
「う~ん。花が咲いているのは見えるけれど、香りがいまいち分からないね」。
 ということで、作業の後にもう一度、そこを通るのを楽しみに、桃畑へ向かいました。

 桃の摘蕾ではスペシャルゲストで、あきこさんも来て下さり、この日から17アール畑に入りました。
 17アール畑に着くと、思わず「わぁ」と声が出てしまうくらい、蕾がぷっくりと膨らんでいて、蕾の先端からピンク色の花びらが今にも弾けそうに、顔を出していました。

 

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 あきこさんも、「蕾1つひとつが、桃の実になるんだよね?」と言いながら、摘蕾をしていて、私も改めて、今はまだ小指の爪にも満たないくらい小さな蕾だけれど、これから、花が咲いて、実になって、最終的には手のひらサイズの桃になるのだと思うと、蕾1つひとつも愛おしく感じました。

 摘蕾2巡目では、枝の下側の花芽を最終着果数の4倍程度に厳選していきます。
 1つの蕾を落とすのにも、勇気がいるのですが、桃は花を咲かせるのにものすごいエネルギーを使うため、桃のためにも、厳しく、蕾を落としていきます。

 

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 この日は、最高気温が23度という、とても春らしく暖かい陽気で、午前中は5年生の樹を摘蕾していきました。

 あきこさんも、
「こんなふうに桃の手入れをしていたら、桃のことが、より愛おしく感じるし、次に桃をいただいたとき、嬉しさが倍増するね」
「みんなが真剣に桃に向かう姿が、可愛くて、綺麗だなと思った」
 と話して下さり、一緒に摘蕾をできた時間が嬉しかったです。

 

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 そして帰り道。みなさん、お忘れになっていないですね、『ジンチョウゲチャレンジ』を。
 帰り道も、ひろこちゃんがゆっくり車を走らせてくれて、みんなと鼻を敏感にクンクンしてみたものの、「これぞ、ジンチョウゲの香り」といえるものは分からずじまいでした。

 その代わり、ひろこちゃんが、
「ななほちゃん、早生の桜が咲いているから写真を撮ってきたらいいよ」
 と言ってくれて、今年初めて、桜を近くで見ることができ、穏やかな気持ちになりました。

 今日は天気がいいので、午後も引き続き、桃の摘蕾へ。
 外に出ると、朝には咲いていなかった枝垂れ桜がポツポツと咲き始めていて、みんなと少しの間、枝垂れ桜の下で上を見上げて笑いました。
 古畑を見れば、黄色い菜の花にピンク色の花桃が満開に咲いていて、なのはなファミリーの周りには、何か所ものお花見スポットが季節ごとにあるのを感じて、嬉しくなりました。

 

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 そして、3度目の『ジンチョウゲチャレンジ』。
 今度こそ、(ジンチョウゲを感じたい!)という思いを胸にその前を通ると、ふわっと華やかな甘い香りが車の中に入ってきて、みんなと、「わあ~。この香りだったのか!」と喜びました。

「ジンチョウゲチャレンジも成功だね!」
 りなちゃんがジンチョウゲを一枝、とってきてくれて、生まれて初めてジンチョウゲのピンク色の花を見ました。

 

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「何だか、春の香りだね」
 誰かが言ったその言葉が、しっくりくるような香りに、思わず目を閉じてうっとりとしました。

 午後の摘蕾は、開墾17アール畑から始まり、開墾26アール畑の浅間白桃、新桃畑へと進みました。

 

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 開墾17アール畑の『はなよめ』を摘蕾しているとき、えみちゃんが「あ、咲いてる!」と言って、摘蕾した一輪の桃の花を見せてくれました。
 桃の花を見ていると、本当にピンク色が上品で、華やかで、桃の花に憧憬の念を抱いてしまうほどです。
 明日になったら、もっと桃の花が咲くと思うと、それだけで気持ちが上がるし、春を真っ正面から感じられる今が幸せだなと思いました。

 

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 桃は、花が咲いてからは霜に当たると花が枯れてしまうため、氷点下になる日は霜対策をしなければいけません。
 花が咲き始めると嬉しいと同時に、霜の被害で少し緊張もするのですが、私は密かに、夜の桃畑を周り、火をつけて駆け回り、みんなで満天の星空や朝日を見る桃の霜対策を楽しみにしているのも事実です。
 できるだけ、霜の被害がなければいいなと願うのですが、霜が降りた日は、桃を守る戦士になった気分で、夜の桃畑を回りたいと思います。

 

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 午後は少し風も吹いていたのですが、とても気温が高く、開墾17アール畑から新桃畑までは脚立を持って歩いて移動しました。

 道中ではタンポポやツクシ、スミレの花が咲いていて、桃の樹も、周りの景色もすっかり、春らしくなっているのを感じて、私も春に置いて行かれないように、桃の摘蕾もスピード感を持って進めていきたいなと思います。

(ななほ)

 

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  WBCの決勝戦、日本チームがアメリカに3-2で勝利し、世界一となった!

 今日の午前の作業の途中には、なのはな中をニュースが駆け巡りました。
 かねてから、テレビで試合を観たり、お父さん、お母さんから、たくさんの話を聞かせてもらっていました。
 日本チームの活躍、その名プレーの数々について。大谷選手や、ダルビッシュ選手、村上選手のこと、栗山監督のこと。日本のチームワークが素敵なこと、選手たちが仲間を思う気持ちや、相手の選手を尊ぶ気持ちがいつもあること、選手の誰もがスターであること……。

 夜には、今日の決勝戦の特番が放送され、食堂のテレビで、選手たちの活躍を観ました。金時太鼓の練習から帰ってきたメンバーも徐々に集まり、9回表、大谷翔平選手が多くのものを背に、投手を務める姿を見ていると、私たちの瞳も心も明るく輝きました。

 

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 試合さいごの投球がされるとき、画面の向こうの球場も、画面のこちらがわも、しんと息を詰めていることを感じました。その直後、大谷選手が大きな身体で全力のボールを放ち、日本の優勝が決まった瞬間、思わず手を上げて飛び跳ねてしまうほど、胸がいっぱいでした。

 格好良く、勇気に満ちた選手たちの姿を胸に、眠りにつく夜でした。

(かに)

 

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