3月21日(火)「3人で1人になれるくらいに ――なっちゃんの新しい訓練プログラム & あきこさん、りゅうさんとスペシャル・ソフトバレーの夜」

3月21日のなのはな

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 今のなっちゃんの身体に一番あった、新しいプログラムでの訓練が始まりました。
 テーマは『全身の硬さをとる』ということ。
 今日は、お父さんお母さん、あきこさんたちが組んでくれた8種類のメニューを身体で試してみながら覚えていきました。

 

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〈脳性麻痺によって脚が不自由ななっちゃんの、動きやすく生活しやすい身体を作るために、ハートピーのセラピストである、あきこさんと、お父さん、お母さんが新しい訓練プログラムを作ってくれました〉

 

 上半身のストレッチ、腿の内側のストレッチ、足首のストレッチ――。
 そのストレッチの伸ばしたい場所はどこなのか、どんな効果を期待しているものなのか、どんな癖があり、どう力を入れるとより効果的か、一つひとつ教えてもらいました。
 その中で、
「子供を抱くときも、自分が心地よい体制のときは抱かれている子も心地よく、自分が気持ち悪いときは、抱かれている子も気持ち悪いと感じているのと同じで、補助の体勢も自分がやりやすい体勢がいい」
 と教えてもらったことが印象に残りました。

 

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 映し鏡なんだな、と思いました。確かに、自分が補助をするときも、力が入りやすい体勢というのがありました。そのとき、なっちゃんと3人で、3つのパズルのピースがかっちりとはまって一つになるような、3人が一体となって伸ばしたいところだけに意識が集中しているような、そんな感覚がありました。補助をしているけれど、どこが伸びているのか伝わってくるような、そんな一体感が、とても嬉しいなと思いました。

 

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 なっちゃんと、お手伝いの私たちと、3人がそれぞれ別の人間ではなくて、3人で1人になれるくらいに、身体のことをちゃんと理解して、体に一番合った形で行えるようにしたい、と思いました。
 きついものも、歯を食いしばりながらも最後まで笑顔で頑張るなっちゃんが、すごくかっこよかったです。

 なっちゃんの身体がもっと自由に動けるように、みんなと毎日、積み重ねていきたいです。

(ちさ)

 

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 今日は春分の日で、休日。
 休日と言えば、りゅうさん。
 そして、あきこさんとりゅうさんがいる休日と言えば……?

 そう、ソフトバレー!!

 

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 お父さんが、
「今日はギター教室がありますが、折角、あきこさんとりゅうさんが来てくれているので、自由参加でソフトバレーをします!」
 と発表してくださって、ももかちゃんも夜に、「ソフトバレーを、一緒にやりませんか?」と可愛く放送をかけてくれて、お父さんお母さんチーム、あきこさんチーム、りゅうさんチーム、ちさちゃんチームの4組に分かれて、総当たり戦を行いました!

 

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 16人以上の人が来てくれて、古吉野体育館は悲鳴や歓声、ファインプレーへの拍手で大盛り上がり。
 あきこさんは、なのはなへ来る前にソフトバレーを練習されたのか、そう思うほど身軽にフットワーク軽く動いていて、高身長を活かした鋭く力強いアタックを決めていました。これは要注意プレイヤーです。

 りゅうさんはいつものように、大きな声と、大きな身体と、その身体から溢れんばかりのエネルギーをボールにぶつけていて、その迫力ある声とプレーに、相手チームはたじろいでしまいます。しかしみんなも、思いっきり声を出して対抗します。
 プレーをしていると、どんどんみんなの心が開いていって、全力で喜んで、悔しがって、勝ち負けを味わっている姿が、見ていても嬉しくなりました。

 

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 そうそう、勝ち負けと言って忘れてはいけないのが、なのはなソフトバレーの新ルール。相手に3点差以上を付けて勝った、つまり相手が12点以上を取らずに勝った場合はそれは負けとみなす。
 この、お父さん考案の新ルールが、新しいソフトバレーの難しさと面白さを生んでいます。

 自分たちは勝ちたい、でも相手には必ず12点をとらせなければならない。
 こちらのチームが優勢の試合では、自分たちが12点、13点を取るまで、流れのままに取り続けて、その後からは、相手が12点になるまで、“相手に点数を取ってもらう時間”となりました。

 相手の気持ちも考えて、適当にプレーすることはできないので、慎重に相手が取りやすい球を返し、アタックを決めてもらう。そうやって点数が縮まるのを待っていたのですが、敵チームに対して、(どうかこの球を拾ってください)と思いながらボールを返して、(さぁ、良いアタックを打って点を取ってください)と応援していると、(あれ、わたしどっちのチームの仲間だっけ!?)と思えてきて、今までにない、不思議な感覚でした。

 

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 それでも、相手が12点になるまで、応援していると、なんと11点のところで、あー? 相手チームのコートでボールが落ちたー!

 

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「勝ったのに負けたー!!」そう言って、ちさちゃんたちとコート内に突っ伏して笑っていて、今までにない面白さや悔しさや難しさがあって、それはそれで面白いし、いかに協力して、相手と自分たちが、勝っても負けても面白い、楽しいと思える試合を、プレーする中で作っていくか、それがみそだなと思います。精神力やソフトバレーの技術も磨かれて行きそうです。

 さぁ、明日も夜バレーが開かれます。いったい、どんな試合が生まれるか、楽しみです!

(なつみ)

 

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〈ミーティングを後押ししてくれるような雨模様の1日でした。午前、午後と、回復のためのミーティングを進めました〉

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〈夜7時からは、藤井さんが来てくださり、アコースティックギター教室がありました。図書室からは、『流星』の曲を、教室のメンバー全員で合わせる演奏が響いていました〉