【3月号⑭】「アコースティックギターから流れる星 ―― 新曲『流星』の練習 ――」りんね

  
 アコースティックギター教室では、岸部眞明さんの『流星』という曲を練習しています。

『流星』は、前回のウィンターコンサートで演奏した『ハート・ストリングス』や、『花』と同じ作者、岸部眞明さんの曲です。

 岸部さんの曲は、指使いは弾きやすく、その洗練された音の中に、情緒がこもっているな、と感じます。

■繊細な情緒

 特に今回の『流星』は、チョーキング、ハンマリング、プリング、スライド、と指使いのテクニックが多用されているのですが、その技が、せつなくて繊細な情緒を表現しているように感じました。

 原曲を聴いていると、曲の始まりからぐっとくるものがあって、一番の高音に差し掛かると、涙が出そうな気持ちになりました。

 星空を見ていると、日常のあれやこれや、雑味のある気持ちが、ちっぽけにどうでもよく思えてくるくらい、宇宙の壮大さ、美しさを感じます。

 なのはなでも、よく星が見える日は流れ星を見ることがある。すーっと夜空を流れていく星は、束の間、目に見えて、消えていく。あまりにも儚くて美しいもの。

 『流星』という曲は、そんな流れ星と、この世界に今を生きる私たちとが重なって感じられるな、と思いました。
  
  
 私たちも四十六億年の地球の、長い長い歴史のほんの一瞬でしかない。けれどその一瞬は永遠であるように、生きるということは本来、希望に満ちていて、美しくて、優しさで溢れている。

 日常の中に過ごしていると、そんな風に感じることは中々ないけれど、この曲を演奏していると、心でこの世界の美しさを感じられるように思いました。

 ギター教室の空気も、どこかこの曲にみんなが癒されているな、という温かい感触がすると思いました。

 一月から練習をはじめ、今は大体のメンバーの譜読みが一通り終わって、指に形を覚えこませる練習をしています。

 一人ひとり、藤井先生に現段階の弾き方を見てもらって、それぞれの進捗に沿ったアドバイスを頂きました。

■流れ星が流れるよう

 曲の中のニュアンスから、ギターを弾く腕の角度といったことまで。曲の味わいをしっかりと出して、ギターで出せる一番いい音で演奏ができるように、ポイントを教えてくださいます。

 藤井先生に曲を通して聴いていただくとき、イントロの何でもない開放弦を弾いただけでも、「ああ、ええなあ」と言ってもらって、それだけで安心した気持ちになって、今の自分なりに伸び伸びと演奏することができました。

 一曲を終えて、曲の中で気になったことを細かに教えて頂きました。
  
  
 この曲には、五連符が出てきます。それもチョーキング、プリング、という技が多用されていて、難しいところです。

 そこを流さずに、最後まで音を出して、次の音へ入ること。チョーキングは、上がり切ったところの音を覚えておいて、その音を毎回出せるようにすること。

 また、音は同じだけれど、あえてスライドを用いて味をつけてある箇所があることを教えていただきました。まさに流れ星が流れるようだと、思いました。

 それから、いつも指が甘くなってしまうところ、ここが弱点で、しっかり練習すべきという箇所も、教えていただきました。

 次に演奏するときは、また一つレベルアップをして、先生に聴いていただけるように、練習に励みたいです。

 藤井先生の温かさをに包まれながら、ギター教室の場に居られることが、とてもありがたくて、嬉しいです。

 まえちゃんが、この曲は五月に発表する目標で練習していこう、と教えてくれました。

 五月。私たちが今取り組んでいるミーティングが終わって、新しい気持ちで進んでいく新緑の季節。そこへ向かって、ギター教室全員で『流星』を練習していけるんだな、と思って、すごく嬉しいです。ミーティングを経て、さらにギターも伸び伸びと演奏できるように、なっていきたいなと思います。

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