「最高のヨモギデー」 みつっき

3月4日

●最高のヨモギデー!

 土曜日、家族みんなが居てくれる1日。
 それだけでも十分ハッピーな気持ちになれるのに……今日はとくべつ、「こんなにうれしくていいのかなあ」と思ってしまうくらい、心が躍っていました。

 なぜかというと、午後からは、お楽しみイベントが待っているからでした!
「絶好のヨモギデーだ!」
 そうなのです、ついに、待ちに待っていた、「ヨモギ摘み」に行ってきました!

 バディのあんなちゃんとみみちゃんと、ずっとずっと楽しみにしていたこの日。
 昨日のおしゃべりタイムの時間には、ヨモギスポットを探しに歩いてきたりと、わたしたちは、気合十分、準備万端でした!
 ということで、今日は、目星を付けておいたヨモギスポットを、回ってきました。

 中庭、畑の畦、そして意外だったのは、水やりのタンクの設置してあるふもと。
 タンクのふもとのヨモギは、日光があまり当たらないのか、新芽だけでなく外葉も柔らかくて、おいしそうなものがたくさん採れました。

 いま桃の剪定を進めてくれているあんなちゃんが提案してくれて、いくつかの桃畑にも行ってきました。
 桃畑までの坂道を、よっこいしょ、と3人で登っていきました。
 息を弾ませて、「もしかしたら、ここまで来るのは、わたしたちだけかもしれないね」なんて、話しながら……。
 開墾26アールの畑が見えてくると、遠くからでも分かる、ヨモギのやさしい黄緑色が、桃の木の下にびっしり広がっていました。

「あったー!」と3人で叫びました。そしてしゃがみ込んで、ヨモギを摘まむと、ある異変に気がつきました。
「あれ、新芽がない!」
 なんと、あのふわふわの新芽が、すでに無くなっているのです。あれも、これも、それも……!
「もうすでに、他の子たちが採りに来てくれてたんだね!」
 はっと気がついて、3人でくすくす笑いました。

 ヨモギ取りに夢中になってしまって、はじめは3人で並んで採っていたはずが、気が付けば、それぞれあちこちに広がって、もくもくと探しているわたしたち。
 黙ってひたすら採っているのも楽しいけれど、それでもやっぱり、3人がいいなあと思いました。
 だからか、最後は「採れた~?」と言って、3人が集合して元に戻っていくのも、あたたかくて、うれしかったです。
 ヨモギも寂しがりやなのかも。ぽつんと生えているヨモギはどこにもなくて、みんな、びっしり固まって、ぎゅうぎゅうと生えていました。

 思っていたよりも早く、食堂でヨモギとご対面することができました。
 りゅうさんが揚げてくださった、ヨモギの天ぷらです。外はさくっと、中はモチッとしていて、最後に、ヨモギの爽やかな味と香りが、ふっと通り過ぎていきました。
 みんなでヨモギ摘みも楽しむことができて、こうしておいしく頂くこともできて、すごくありがたいことだなあと感じました。

 今日で、またさらにヨモギが好きになりました。
 なのはなに来る前のわたしだったら、ヨモギを見ても、何も思わなかったと思います。
 そっと道ばたにたたずんでいる野草だし、見逃す人も、もしかしたら、踏んづけてしまう人もいるかもしれません。
 でも、気が付く人もいる。喜んで摘んでいく人もいる。誰かにとっては、宝物になる。
 こうやってわたしたちに喜びをくれて、わたしたちに春を運んでくれる。
 ヨモギが、話しかけてくれたようでした。ヨモギが、わたしたちの仲間のように感じました。

 こうやって、自然の中にはいくらでも楽しさと、いくらでも仲間がいてくれるんだと教えてもらえることが、本当に幸せです。
 とっても楽しい1日でした!これから、「特製ヨモギ風呂」に入ってきます!
 おやすみなさい。