
3月3日のなのはな
今日から始まった、朝食前の30分間のお楽しみ。
みんなが、ぞろぞろとグラウンドに集まってきます。さあ、グローブとボールを持って……。
投げるぞ! 受け取るぞ! バディとのキャッチボールが、始まりました!
久々のキャッチボール。まえちゃんが、グローブの付け方から、ボールの持ち方、ボールの投げ方など、ひとつひとつ教えてくれました。
「ソフトボールって、こんなに硬くて重かったかな?」と感じたり、始めは怖さもあったのですが、まえちゃんの説明で、少しずつ思い出してきました。 投げるときは、利き手の反対の手を前に真っ直ぐ伸ばすこと、腰をひねること……。そのフォームが決まるだけでも、投げるのがうまくなったような気がして、わくわくしました。
わたしは、バディのあんなちゃんと、ボールを繋いでいきました。
わたしの投げたボールは、足元の方に行ってしまったり、予想外の方へ行ってしまうこともあったのですが、あんなちゃんは、サッと動いて、受け取ってくれました。
わたしの番になって、あんなちゃんの投げてくれるボールを受け取ると、「パシッ」という音とともに、グローブには、ものすごい衝撃が伝わってきました。
取ってもらえるのも、取ることができるのも、どちらもすごく気持ちがいいなあと思いました。
あんなちゃんと、ずっとキャッチボールを繰り返していると、まるでボールにも気持ちがあるように感じられてきました。
あんなちゃんのボールがわたしのグローブへと、吸い込まれるようにやって来てくれる。わたしのボールがあんなちゃんのグローブへと、目がけて飛んでいく。
あんなちゃんが、ずっと笑顔で、「ナイスボール!」「ナイスキャッチ!」と声をかけてくれて、すごくうれしかったです。
「会話とキャッチボールは同じ」とよく言われているけれど、本当にそうなんだなあと思いました。思いきり投げ合って、思いきり受け取っていると、わたしたちの気持ちも外へと解放されていって、軽くなっていくのを感じました。
「楽しかったね!」「暑いね!」と言いながら、高揚感いっぱいのまま、朝食の席に着きました。バディの子とキャッチボールをしてから迎える1日は、明るい希望のエネルギーに、満ち溢れていました。
これから毎朝、キャッチボールをできることがうれしいです。
バディと、ボールも気持ちも、もっと繋がることができたらいいなと思います!
(みつき)
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いつものように、昼食後「モナリthe」3人と、たけひろ君とたいち君と、おしゃべりタイム。太陽がキラキラと光っていて、春らしい日和。(編注:「21世紀のモナリThe」は、ももかちゃん、ななほちゃん、りなちゃん3人のバディ名です)
外で、お散歩、おしゃべり。なのはな畑にいると、見覚えのあるダンプが目の前に止まりました。運転席には……ニコニコ笑顔の永禮さん!!
永禮さんが、第2弾の牡蠣殻を届けに来てくださりました。ダンプの荷台には、溢れんばかりの牡蠣殻が入っていました。でも、それを降ろすのは、あっという間。永禮さんが、ワンプッシュボタンを押すと、荷台がゆっくり傾き始めます、そのままガーーっと雪崩るように蛎殻が荷台から、地面に移動して行きました。その迫力に全員、口をあんぐり。牡蠣殻の山や、ダンプから、ふわーっと、鼻をくすぐる海のよい香りがしました。
そのまま、帰られるのかな、と思ったら。私たちを期待させる、質問が私の耳に届きました。「午後の作業、何やるの?」収穫と嫁入りとブロッコリーの手入れをすることを伝えると、「僕も、一緒にやってよい?」と。もちろんに決まっているじゃないですか! 今にも、宙に浮いてしまいそうなくらい嬉しくなり、ダッシュでみんなのもとに伝えに行きました。
「永禮さんも作業に入って下さるそうですっ!」
そう伝えると、みんな表情がパ――っと明るく跳ね上がりそうなくらい、やったオーラ全開。その反応にますます嬉しくなりました。
そして、永禮さんと私とさきちゃんで、セロリの収穫を行うことになりました。崖崩れハウス、歩いていくかと思っていた私とさきちゃん。しかし、永禮さんが提案してくださったことに、笑いと興奮が止まらなくなりました。ブォーン、ダンプ!? 私、いや、みんなの中でダンプと言えば、大型作業に出動するもの。野菜の収穫とダンプが頭の中で結びつくことはありませんでした。なので、驚きが止まりませんでした。荷台にコンテナを積んで、GO!
ハウスまでは、本当に1、2分。その距離の中で、ハウスの修繕メンバーや、イチジクの剪定をするりんねちゃんとほしちゃん、カブの収穫をする、よしみちゃんたちの姿がありました。通るとみんな手を振ってくれました。さきちゃんと、「なんかビップみたい……」落ち葉拾いのときに乗らせて頂いたときとは違う、不思議な気分でした。
そして、到着。ハウスの前にドーンとダンプが止まると、それだけで迫力満点。コンテナを持って、セロリの元へ、大きく成長させるために2,3週間、収穫を控えていたセロリ。久しぶりの収穫です。そのセロリたちは、私が今まで見た中で一番大きく、立派に成長していました。
永禮さんは、なのはなで葉物野菜をとるのは初めてだと、おっしゃっていました。いざ収穫。立派なセロリをポキポキ……。
収穫しながら、たくさんお話をして下さりました。一番驚いたのは、永禮さんの記憶力でした。誕生日を聞いたことのある子の月日は完璧に覚えていらっしゃいました。自分のお誕生日以上に、みんなのお誕生日を楽しみにしてくださっている、永禮さんの姿がとても、温かくキラキラして見えました。
また、「なのはなのみんなと一緒にいたから、優しくなっちゃったよ」と、照れながらもそう言って下さり、胸が一杯になるほど満たされた気持ちになりました。そして、本当になのはなのみんなを好きでいて下さっているのだなと、強く感じ嬉しい気持ちになりました。
そうして、収穫完了。3コンテナ、ぱんぱんに立派なセロリが採れました。ダンプに載せると、ありゃ……広い広い荷台に載る、セロリ。可愛く見えました。高級料理みたい……大きなお皿に、ちょっぴり。久しぶりのセロリ、立派な大きなセロリ。高級野菜。そう、3人で話していました。
古吉野に戻り、嫁入り。次の作業もあるので、少し急ぎ目、みんなでてきぱきと進めました。切羽詰まってしまいそうなときでも、永禮さんのユーモアある言葉に、一気にその場の空気がなごむことを感じました。そうして、一先ず完了。ブロッコリーの手入れへ!
次は、よしみちゃんとダンプに乗って向かいました。行きの車でも、途切れることのない会話。
遠めの畑であっても、移動時間があっという間に感じました。
ブロッコリーの河原大畑に到着。既に、午前中の時間によしみちゃんが進めておいてくれていたため、後は土寄せだけ。「エイエイ、オー!」1スパンに1人ずつ入って、行いました。
私の大好きな道具、鍬。大好きな作業を、永禮さんと力強いメンバーと。そう思うだけで、不思議と絶対終わる。そんな確信が持てました。
必死に鍬を動かすと、汗がにじみ出るほど。身体がぽかぽかしてきました。
作業をしながら、時々、永禮さんがみんなにお話をして下さったのですが、そのお話に、暑さも、疲れもすべてが笑って吹っ飛ぶような感じがしました。また、以前の誕生日会をものすごく喜んで下さっていて、会う子会う子に感想とお礼を伝えてくださりました。
それだけではありません、時々永禮さんのスマホから、音楽が。最後のほうには、お誕生日会と永禮さんと言えばの曲、『フラガール』を流してくださいました。ますます、パワーアップ! ブロッコリーを思って土を寄せ続けました。
時々、永禮さんがヘルプにさりげなく入って下さって、安心する気持ちでいっぱいになりました。
そして、終了目標30分前に終わりました。やったー!
最後に、よしみちゃんと永禮さんと私の3人で、最終手入れを行いました。撤去した株から、頂花蕾の収穫と、葉摘み。今日2度目の収穫。手入れはあっという間に完了。よしみちゃんが、「やりたかったブロッコリーの手入れ、今日で全部終わった―」と満面の笑み喜んでくれました。そのことが、とても嬉しかったし、達成感を感じました。
畑からGO! 足取り軽くダンプへ向かいました。ブロッコリーをダンプに載せると、セロリよりも高級野菜。ダンプの一角にチョコン。最後にまたまた、大笑い。
車内の扉を開けると、永禮さんが驚かれていました……何かと思い座席をみると、そこには桃の花枝とセロリのプレゼントが。みんなからの感謝の贈り物です。それを見て、永禮さんが、「お雛様からのプレゼントだ」とすごく喜んでくださいました。
今日はひな祭り。ひな祭りに永禮さんとたくさん作業ができて、私たちもとってもとってもハッピー!
最高のひな祭りでした。
(ももか)
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