「遊びまわって、料理を作って」 さき

 おじいちゃん、私たちは今からサバイバルの旅に出ます。
 演劇メンバーによる寸劇とともに、山小屋キャンプ2泊3日の旅が始まりました。

 今回の日程は、1日目と2日目は山小屋で、3日目は古吉野でキャンプを過ごします。
 そして、さらに中日を挟んで土日には、第4弾の謎解きゲームとライブもあり、盛りだくさんなゴールデンウィークのスケジュールとなっていました。
 私はちさとちゃんチームで、吹き矢の実行委員として担当させてもらいました。

 1日目は、なのはな恒例のウォークラリー。やはり一番印象的だったのは、新アトラクションの「あ~ああ~」です。ジップラインで、山の木から木へと下っていくターザンのようなアトラクションは、須原さんが設置して下さり誕生しました。
 ジップラインで下りながら、一瞬見えるお題の文字をチームの全員が正解するとポイントがもらえるということで、やってみると想像以上にスピードがはやくて難しかったです。
 けれど、「あ~ああ~」といいながら下っていくのがとても面白くて、爽快で楽しかったです。

 ウォークラリーの道中では、タケノコを掘ったり、山菜を見つけたりと山の春を感じることができました。タケノコを掘るのには時間がかかったけれど、卒業生のちあきちゃんも一緒につるはしで掘ってくれて、とれたときの感動は計り知れず、大事に大事に持って帰りました。

 その日の夜は、お父さんとお母さんのライブ。野外でのライブで、山の中の雰囲気を楽しみながら、お父さんとお母さんの歌を聴いていると、思わずうっとりとして幸せだなと感じました。

 私は、『チューリップのアップリケ』という曲を久しぶりに聴いて、(あれ、こんなに切ない歌詞だったっけ)と思うくらい、歌詞をよく聴くととてもしんみりとした切ない曲だということに気づきました。お父さんとお母さんが歌われる曲は、深みがあって、それもまた今聴いても、やっぱりいいなと思う曲ばかりでした。

 気が付けば外は真っ暗に。いよいよ、山小屋キャンプの醍醐味、テントでの就寝です。ちさとちゃんチームでは、6人全員が川の字になり、場所をじゃんけんで決めて固まって寝ました。どうやら、みんなが手のやり場に困ったようで、前ならえをする人もいたときいて、テントの端っこで寝た私は普通に寝られたので、少し申し訳ない気持ちになりました。この日山小屋のテントで寝たことのない人がたくさんいて、自分も新鮮味を感じながら、みんなと山の中で寝られることがうれしかったです。

 2日目は、吹き矢大会。お父さんが一番楽しみにしているというゲームが吹き矢でした。
 前日の夜に、たき火をしながら綿密な作戦会議をして、本番を迎えました。私はテントで寝ながら寸劇のシュミレーションをしていました。
 吹き矢の毎年の課題が矢です。しかし、これまでのキャンプや夏の縁日で作りためた矢の状態がよく、それを再利用できてとても助けられました。

 今回実行委員をしてみての正直な感想は、矢作りに一番頭を悩ませるかと思いきや、まず的の設置がうまくいかず、倒れたことが唯一の心残りで、それ以外のゲームでは盛り上がって楽しめたのではないかと思います。
 
 的は、お父さんから設置方法を教えていただいて、後ろに砂袋を重しにして引っ張りたいと思いました。それと、お母さんがゲーム中に提案してくださった、ツイストバルーンのバナナが当てるのが難しいため、点数を通常の風船と同じ50点でなく、300点にするというのが非常に盛り上がってうれしかったです。最後は、バナナ狙いが続出し、お父さんとさやちゃんが見事バナナに命中していてすごいなと思いました。

 白熱した吹き矢の戦いが終わった午後からは、これまたなのはなで初の、料理の鉄人です。今回サバイバルということで、自分たちで火おこしから、調理までを限られた材料でやるというミッションにワクワクしました。
 私は全く料理したことがなかったため、みんなの話についていけなかったけど、レシピを考えた時間が楽しかったです。ちさとちゃんチームでは、「情熱のナポリタンとコンソメスープ、小松菜のカレー炒め」を作りました。

 1つの鍋とフライパンを駆使して、野菜を切り、パスタを湯で、スープを作りと大忙しだったけれど、にぎやかな空気の中で、バタバタしながらも自分たちで作れるということに大きな喜びを感じました。

 あっという間に最終日に。最終日は、新聞紙ファッションショー。今回のテーマは、あらゆるハラスメントの抑圧に負けない、女性戦士のファッションでした。
 チームのモデルは、せいこちゃん。あらかじめ決めたデザインは、新聞紙で再現するには難しい大振りのフレアスカートでした。私は、ゆかこちゃんとペアになり、下半身のスカートを作り、途中訳が分からなくなって迷走したとき、ゆかこちゃんがひたすらパーツを作ってくれたり、手を貸してくれて本当に心強かったです。

 制作時間のギリギリまで、みんなと切り貼りをして衣装を作り、ようやく完成しました。
 一時はどうなるかと思ったけど、無事スカートのフレアも再現でき、ちさとちゃんとかにちゃんが作ってくれたオレンジの飾りがつけたら、とてもかわいくなってうれしかったです。

 最後にモデルの登場で、新聞紙ファッションショーのお披露目をしました。今回、れいこちゃんが身にまとった新聞紙で作ったブーツが話題となり、次回からブーツを選ぶかもしくは作るということになり、新聞紙で靴を作るのが楽しみになりました。

 山小屋キャンプを終えて、山の自然の中で、遊びまわって、料理を作って、テントで寝る。これが本当の楽しさなのか、としみじみと感じるキャンプでした。今までだったらなかなか経験することのできない自然の中のサバイバルを体感でき、充実した時間を過ごすことができたと思います。実行委員をして、新たに出た課題も見つかり、それをまた次回のキャンプで役立てられると思うと、しっかりと記録に残しておきたいと思いました。
 また数か月後、おじいちゃんの山に夏のキャンプ(?)に遊びに来る日が楽しみです。