1月15日(月)「小正月、風吹くとんど焼き & フルマラソン物語のはじまり」

1月15日のなのはな

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 小正月のこの日は、とんど焼きをしました。
 玄関前に置いていた門松、食堂に貼られていたみんなの書き初めを燃やして、年神様を送り、お正月気分ともお別れをします。

 中庭に集まると、ひゅうっと、冷たい風が強く吹き付けてきました。
 早く、火の元で暖をとりたくなるような寒さですが、ドラム缶の火は、風に吹かれて消えてしまいそう……。
 手に持っている書き初めも、風で吹き飛ばされてしまいそう。ああ、待ってー!

 わたしの知っているとんど焼きでは、「今かな? そろそろかな?」と、火の様子をうかがって、じっくり、慎重に燃やしていたような気がします。
 けれど、今回は違いました。

 

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「火が消える前に、急いで!」
 みんなの手がにゅっと伸びてきて、次々と書き初めを火の中に投入していきます。ドラム缶の中は、何人かの子の字でぎっしり。

 書き初めで書いたのは、「行雲流水」の字と、一人ひとりの抱負の字です。書き初めを燃やした灰が空に舞い上がっていくと、文字が上達すると言われているそうです。
 チリチリと燃えていき、みるみるうちに縮んで真っ黒になります。さあここから、灰は空へと昇っていくのか……?

 今日の強風が、わたしたちを応援してくれました。ふわふわと浮いていき……おっと、身体に当たりそう!
 どの書も、火に入れたそばから、空に舞い上がっていくではありませんか。

 

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「あの子のも上がった! この子のも上がった!」
 誰の字が上がったのか、覚えているのも難しいくらいです。
 一度に5人くらいの子の字が燃えているなんてこともあり、もはや、誰の書が舞い上がったのか、わからない。
 みんなの字が、お互いに助け合って空に昇っているようです。
 今年は、みんなの字が上達するのではないかなあ、と思えます。

 

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 最後に、燃えたあとの炭を指ですくい取り、それぞれの額に付けていきました。
 わたしの額には、ももかちゃんが、しっかりと力を込めて炭をつけてくれました。
 わたしの顔を見るなり、「みつきちゃんのおでこ、濃いねー!」と、みんなが笑ってくれました。これは本当に『無病息災』で、元気でいられる効力抜群だろうなあ、と感じました。

 

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 食堂に入ると、おぜんざいが並んでいました。鏡開きした鏡餅も入った、おぜんざいです。
 心身ともにあたたまって、これから始まる1年に、パワーが湧いてきました。

(みつき)

 

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***

 

 “ここから始まる、まだ見ぬ誰かにつながる42.195キロ。”
 昼食前の中庭では、とんど焼きをしています。皆の書初めの書が空に高く舞い上がるその隣、グラウンドで、この日は、フルメニューが始まる前のランニングフォームとシューズの確認を行いました。
 第31回津山加茂郷フルマラソン全国大会に出場します。本番は4月21日。本番までおよそ3か月です。

 

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 昨夜の集合で、お父さんお母さん、あゆちゃんが、なのはなで私たちがマラソンを走る意味や、フルマラソンでのエピソードなどについて話をしてくれました。

「健康な身体には、健康な心が宿る」
「フルマラソンを走ることで自分の身体をコントロールしたり、目標やプランを立てて積み重ねる練習にもなる」
「気持ちや身体、体力にねばりが出る」
「皆の走る姿を見ると、本当に涙が出そうになるんだ」
「フルマラソンの当日の皆の空気が好きなんだ。誰も保障を求めていない」

 実際に走った卒業生たちの話もしてくれました。緊張する気持ちや、不安な気持ち、楽しみな気持ち、皆それぞれの気持ちがあったと思います。でも、皆で気持ちをそろえて、何のために走るのか、何を積み重ね自分たちのものにしていくのか共通認識を持ち、イメージを持ちながらスタートできるように感じ、嬉しかったです。

 

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 そしてこの日は、ランニングフォームとシューズの確認を行いました。フルマラソン当日までおよそ3か月の期間、身体を故障しないようにすることも、とても重要です。ランニングフォームやシューズの確認は、身体の故障を防ぐためでもあります。

 8人程度のチームに分かれて走り、お父さんにフォームを見てもらいました。
「もう少し肩をリラックスさせて」
「膝から下をもっと伸ばしたほうが良い」
 皆の走り方の癖をみて、お父さんがアドバイスをしてくれました。一人ひとりの癖や走り方をみて、負担がかかりやすいのかどうかを判断して、一番身体に優しい走り方を伝えてくれました。短い時間でも、その人の癖、走り方を理解しつつ、あるべきフォームをイメージし、一番身体に優しいフォームを見つけられるお父さんが、すごいなと思いました。お父さんの姿から、常にイメージや理想を持つことの大切さを感じ、吸収したいと思いました。

 

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 1チームおよそ3分間、走りました。短い時間でしたが、皆と走ると身体の中に冷たい空気が入り、とても気持ちが良かったです。

 今回、フルマラソンや、フルマラソンの練習自体も未経験のメンバーが多いです。緊張する気持ち、不安な気持ちもあります。でも、42.195キロまでのこの3か月は、きっと皆にとっても、私にとっても、まだ見ぬ誰かの新しい道を拓く、小さな一歩の積み重ねの連続なのだと思います。

 生きることも、フルマラソンを走ることも似ているように感じます。ゴールは遠くて、不可能に感じることもあるかもしれないけれど、いま自分の目の前の一歩を祈る気持ちで、地道に積み重ねていく。途中で息切れそうになったときは、仲間の声や姿、人や自然の植物や生き物、風や太陽の存在にも助けてもらいながら、力や癒しをもらいながら前に進みます。
 おごりを持ったり、焦ったり、競争したり、走る目的の軸がズレてしまうと、ペースが乱れスタミナが切れてしまったり、自分自身の故障の原因にもつながります。

 

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 皆の中で、走るという表現をしながら、自分の気持ちや身体と向き合い、つくれることがとても嬉しいです。
 目の前の一歩を大切に、祈る気持ちで積み重ねます。

(あけみ)