卒業生のりかちゃんが『セニョリータ』のダンスを考えてくれる、と聞いてから、ずっと楽しみにしていた振り入れ。
金時祭やコンサートに向けての練習のなかでも、いつ、りかちゃんが帰って来てくれるかな、はやく踊ってみたいな、とうずうずしていました。
そんなときに、りかちゃんからの連絡が。帰って来てくれるのは鵜の羽フェスティバルの前日。午前に帰って来てくれて、午後にみんなが場ミリに行く前に振り入れしてくれて、その日のうちに戻ってしまうということ。
りかちゃんが忙しい仕事の合間を縫って時間を作ってくれているんだ、と感じて、りかちゃんのためにも何が何でもこの日で吸収しないといけないな、と思いました。
自分たちにとっても、鵜の羽フェスティバルがあったり、音楽合宿まっただ中で、『セニョリータ』の振り入れをしている時間には、その他の人はオブリビオンの振り入れを同時に進めていたりして、集中して振り入れの時間を使わないといけない状況でした。無駄にできる時間はありません。
そうして待ちに待った、りかちゃんが帰って来てくれる日。体育館では『オブリビオン』の振り入れをしているので、図書室に踊れるスペースを準備しました。朝食後にりかちゃんが帰って来てくれて、『セニョリータ』の振り入れがスタートしました。
■ダンスは言葉
りかちゃんは、カウントではなく、曲の音に合わせて振りを伝えてくれました。この、「音に合わせた振り入れ」が、自分にとっては難しい、と最近気がつきました。まえちゃんに『ナチュラル』の振りを教えてもらったときにも思ったのですが、カウントは曲を知らなくてもできるけれど、音に合わせるというのは、振りを考えた人と同じくらい、よほど曲を聞き込んでいないとできません。また、カウントで振り入れをしてもらったことのほうが多くて、音での振り入れに慣れがない、というのも大きいです。
でも、今までも、りかちゃんの振り付けてくれるダンスを踊らせてもらっていて、りかちゃんのダンスに慣れてきたお陰か、りかちゃんのダンスを覚えやすくなっている、とも感じます。りかちゃんのダンスに出会ったときは、初めての言語に遭遇したみたいな感覚になって、本当にダンスは言葉なんだと思ったことを思い出します。
■進化していく
りかちゃんのダンスが変わっていくことも感じます。ステップや動きのジャンルが、ストリート系のダンスのなかでもどんどん広がっていっていることを感じます。りかちゃん自身が、どんどんダンスで新しいものを取り入れて進化しているんだ、と感じます。
最初は、ワックというジャンルのダンスの、速い腕の動きがこれでもか! と力強く盛り込まれたダンスで、次いでハウスダンスのステップが入ってきて、今回は曲がラテン系なこともあり、サルサの腰の使い方も入った、ちょっとゆったりした、女性らしい動きが特徴的なダンスでした。
ワックの腕を回すような動きも何カ所も出てくるけれど、それさえ女性らしいしなやかさの一部にしてしまうような、そんな雰囲気のダンスでした。
手を身体や顔に沿わせてなぞるような動き、タッチする動き、フラダンスともまた違った柔らかい腰の動き。ダンスが言葉だとするなら、どんな情熱的な愛の言葉なんだろうと思うくらい、曲になりきって踊らないとこっちが照れてしまうような振り。今までにないような曲調とダンスを表現することで、自分の幅が広がっていく気がしました。
■研究しながら
卒業生ののんちゃんが教えてくれるジャズダンスのような振りや、ゆりかちゃんが教えてくれるフラダンスの振りと全然違うので、鏡に映るりかちゃんの身体の使い方をなんとかコピーしようと自分なりに体重のかけ方や、顎の引き方、身体の傾きを試行錯誤して、どうやったらりかちゃんと同じ形になるかを研究しながら、振りを覚えていきます。
りかちゃんがある程度のフレーズを振り入れしたら、分かりにくいところとかありますか、と聞いてくれるので、質問したりしながら、あとはとにかく何回も繰り返させてください! と言って練習を進めていきました。
■コピーする気持ちで
りかちゃんの動きは不思議です。腕や腰の使い方は柔らかくて、でも体幹がしっかりしているからなのか、柔らかいけど、芯のない感じは全然なくて、見ていて心地が良くて、面白い。
柔らかく使うところと引き締めて使うところのメリハリが一つの動きの中にも利いていて、どうやったらそういう動きになるんだろう、と思います。
力を入れると全身に力が入ってしまって、柔らかさが出なくなったり、抜くとくねくねになったりしてしまって、柔らかい動きをしながら体幹だけ締める、というのがすごく難しいです。でもそれをしている動きの見本が目の前にあることがすごくありがたいな、と思います。
りかちゃんの形を、身体の使い方ごとコピーする気持ちで、なるちゃんやゆずちゃんと覚えていきます。誰かが質問してくれた分からないところの説明を聞いて、分かってないことが分かっていなかった部分で、そうやってるのか、と理解できたりすることもあります。
午前中で三分の二くらい振り入れしてもらって、午後はお昼ご飯を食べてすぐから場ミリに出発する十五分前までやって、帰って来てから当番も抜けさせてもらって夕食までまたやって、一曲一通り教えてもらうことができました。
その日は、原曲の〇・七倍速で、りかちゃんが目の前にいてくれたら踊れる、というところまで漕ぎ着けました。りかちゃんのダンスで一日でここまでできたらもう快挙です。
あとは三人で振り入れをしてくれた映像を見ながら練習していくのみです。
二週間後に『ダンス・モンキー』の振りを考えて来る、と言ってくれたりかちゃんと、二週間後には原曲のスピードで一緒に踊れるように毎日練習しています。この記事を書いている朝、三人で初めて原曲の速さで踊ることができました。形もりかちゃんが踊っている映像を見ながら、手の先まで真似て練習しています。次に会って練習するときには、もっとクオリティ高く揃えていく練習ができるよう、あと数日で詰めておきたいと思います。
早く一緒に踊りたい!