「自分を鍛える喜び」 えつこ

11月23日

 昨日は、1日たっぷりと、お父さんにアンサンブルを見てもらえた時間が、本当に本当に楽しくて嬉しくて、表現する喜び、そのために自分を鍛える喜びをたくさん感じました。

 このアンサンブル合宿で気がついた自分の課題は、強弱の弱の幅をもっと広げることです。音量を思い切り落とすところでは、自分が思っている以上に、本当に微かに音がするくらいにまで落とさなくては、強弱がついた演奏には聞こえないのだと感じました。思い切り小さくても芯のある音を吹くには、思い切り大きな音を吹く以上に、腹筋と下半身の筋肉と、肺活量を必要とします。それから、心の筋肉も使います。

 この課題に気がつけたことが本当に嬉しいです。もっと練習して、音の幅を広げられるのが、嬉しいです。音の幅が広がれば、心の幅も広がるように思えて、そのことが嬉しいです。小さな音をより小さく吹くことで、一番聴かせたいメロディーや曲の盛り上がりがより引き立ち、曲全体がより聴きやすくなります。

 低音パートは、コンサートで役を演じているなおちゃんのような役割だと教えてくださいました。メロディーのつなぎ目では、思い切り前に出て、またスッと伴奏に入り、小さな音で吹きながらもみんなの音を支える。クレッシェンドで盛り上げるところでは、小さな音をより小さく吹くことで、盛り上がりがより大きくなり、曲全体の強弱の幅を広げることができる。
 なおちゃんの演劇、という例えがとてもわかりやすくて、低音パートがもっと好きになりました。なおちゃんの演劇のように、メリハリがあって、舞台に深みを出せるような表現をしたいです。

 難しいのは、1発目で、美しさを失わずに限界まで小さな音を吹くことです。何度も練習して楽器と身体があたたまってきたら吹きやすくなるけれど、本番は、1発目で成功させなくてはいけません。1発目でベストな音を吹くために、常に満員の客席をイメージして、吹きます。毎日が本番です。

 

 『ブエノスアイレスのマリア』の練習をしているとき、お父さんが、「これは何を言いたい曲なのだろう」と問いかけました。私は即答ができませんでした。そのことが悔しかったです。大好きな曲なのに、「この曲でこれを伝えたいです」という気持ちをハッキリと持って演奏できていなかったことが悔しかったです。

 お父さんが、神様が人間を可愛がるようになったことに嫉妬して、悪魔になるしかなかった天使の気持ちを話してくださいました。
 その後で演奏すると、気持ちを入れやすくなりました。どこまでも、表現する気持ちを持っていなくては、音楽にはならないのだと思いました。

 『ホーンテッド・ハウス』も、『ブエノスアイレスのマリア』も、お父さんが教えてくださる度に、演奏の雑味が取れて、音楽がクリアになってよりメロディーがはっきりと浮き上がりました。

 もっと書きたいことがたくさんあるのですが、消灯時間になってしまいました。明後日はついに通し練習です。明日も、1回1回の練習を本番だと思って、満員の客席をイメージして向かいます。おやすみなさい。