【8月号⑬】「歌とギターの演奏会、思い描いて ―― 『シンキング・アウト・ラウド』 ――」 りんね

 

 藤井先生が来てくださる毎週火曜日のアコースティックギター教室では、新曲の練習が始まりました。
 曲はエド・シーランの『シンキング・アウト・ラウド』。実はこの曲、なのはなのお父さんがお母さんへ向けて歌うかもしれない……という、素敵なラブソングです。
 ギター教室に新しく入ってくれた子もいるため、改めて、基礎的なギターの弾き方を重視して、一か月限定で、この曲を練習していくことになりました。

 譜読みを進めながら、アコースティック・バージョンの原曲を、聴かせてもらいました。アコースティック・ギター一本で、それも、小気味よい少ない音数の中で、エド・シーランが情熱的に歌っていました。
 主なコードは、D、DonF#、G、Aの四つ。変わり目で別のコードも出てくるけれど、この四つのコードが主に繰り返されます。たった四つのコードで、少ない音数の繰り返しで音楽になっていくこと、エド・シーランの演奏がかっこいいなと思いました。
 メイン・テーマでは、弦を叩いて鳴らす技が多用されています。エド・シーランは、それを二つの方法で音を出しているということを教わりました。

 

■スラム奏法

 一回目は、右手の親指を弦に打ち付けて止める、という方法。二回目は、右手の爪を払う、ネイル・アタックという方法。それぞれ、「スラム奏法」という奏法の一種で、弦を叩いて音を出すには、多くの奏法があることを教えてもらいました。
 小気味よい「チャッ」、という音を出すために、左手と右手を共にミュートする必要があります。ミュートを意識しながら、二つの方法で弦を叩いて、曲の流れで練習していると、シンプルに見えて、意識することが多くて難しかったです。
 繰り返し繰り返し、メイン・テーマの二小節を練習しました。弦を叩くとき、毎回同じ音を出すことがかなり難しい。ただ叩くだけのようで、しっかりと小気味よい音だけれど、汚い音にはならないように、均質な音を出すには、感覚を手に覚えこませることだと思いました。

 

■技の音をしっかりと

 そんな難しさがあるから、繰り返しでも、ずっとやっていられるくらい練習も楽しかったです。少しだけ慣れてくると、ちょっとエド・シーランになったような気分にも、なりました。
 曲中には、ハンマリング、プリングという基本の技も出てきます。ソロ・ギターの曲の中では、メロディの中でしっかりと音を出すことを、流してしまいがちです。シンプルな繰り返しの中で、確実にこういった技の音を、流さずに出していけるようにも、練習していきたいと思いました。
 もしかすると、発表会ではお父さんが歌ってくれるかもしれないという噂もあります。そうなったら、すごく嬉しいなと思います。
 『流星』と合わせて、『シンキング・アウト・ラウド』をいい形でみんなに発表できるように、コツコツと練習を頑張りたいです。