
3月28日のなのはな
OMTを終えた夕方の作業、わたしたち4人に託されたミッション。それは、梅林奥と奥々畑の2枚の畑の草刈りでした。
冬の間、しばらく遠ざかっていた草刈りですが、春になって、暖かい日と雨が繰り返される内に、雑草も冬眠から目覚めるようにじわじわと伸びてきました。秋以来の草刈り作業に、少し緊張する気持ちがあって、畑2枚、しかも梅林の畑は大斜面があるので、意外と手強いなと思いました。
草刈り機置き場に行き、これもまたしばらくぶりに会う、草刈り機。調子はどうかなと思いながら混合油を入れて、エンジンをかけると、すぐに手応えを感じ、チョークを開くと、ブルルンと音を立てて、エンジンが勢いよく回り出しました。草刈り機の調子は良さそう。刃のチップもしっかりと揃っています。草刈り機たちも、冬の間、出番がくるのをじっと待ち望んでいて、待ちに待った今日の出番に、「僕たちも頑張るぞ」と張り切っているように感じました。
肩からかけるホルダーに草刈り機を引っかけて、熊手をもって、出発です。
畑に向かう道中、さくらちゃんが、「1時間だね」と言いました。4人で立てた作戦は、さくらちゃんとあけみちゃんが大斜面を、ひろこちゃんが奥々畑の外周、そしてわたしが奥畑の外周を担当。畑に着くと、各自の場所に散らばって、わたしたちのミッションがスタートしました。
雑草は伸びたといっても、まだ草丈が高いもので20センチ内だったので、軽い力でさくさくと刈ることができました。畑の畦道に沿って、進んでいくと、視界の前方で大斜面を刈る、あけみちゃんの姿が見えます。急な斜面でも振り幅を広くとって、どんどん進んでいく勇ましい姿に、わたしの背中も押されるような思いがしました。
しばらくすると、後ろのほうで気配を感じて、振り向くと、ジャガイモの草取りに来たみんなの姿がありました。それも最初は8人くらいだったのが、次から次へと人が増えていって、最終的には20人くらいになっていました。
昨年の秋に植え付けたジャガイモでしたが、芽が出なくて、秋ジャガとしては失敗したジャガイモたち。ですが春になって、挽回するかのように芽が出始めて、今日の時点では8割方、芽が出揃っていました。
みんながそのジャガイモを守るために、株周りの草取りを丁寧にしてくれています。草取りと草刈りでやることは少し違うにしても、みんなとジャガイモ畑をきれいにしていっているんだと思うと、団結力が湧いてきて、改めて大人数作業は好きだなと感じました。
気がつけば、大斜面を刈ってくれていたあけみちゃんと行き合って、さくらちゃんとも合流して、3人でひろこちゃんの元へ向かいました。畑の奥を刈ってくれていたひろこちゃんも、わたしたちの姿に気がつくと、「終わったよ」と言ってくれました。
時間は、1時間内でミッションクリア。4人で顔を見合わせて、「終わった~!」と言いました。近くにいたまえちゃんたちも、「すごいね」と一緒に喜んでくれました。
正直、時間内に2枚の畑と大斜面は厳しいかなと思っていたけれど、自分たちでも予想を上回るスピードに驚きました。「4人でやる力は大きいね」と、これからますます本格的になっていく、夏の草刈りに希望を感じるスタートにできました。
最後に草取りのみんなと、今晩の霜予報の対策として、ようやく出てくれたジャガイモの芽を守るために、防寒用のビニールがけもすることができました。畑中にみんなの姿があり、活気がありました。
終わってみると、あれは本当に1時間だったのだろうかと、タイムスリップしていたような気分になってしまうくらい、たったの1時間だったとは思えないほど充実感と達成感を感じた作業。ものすごく気持ちがよくて、時間に関係なく、気持ち1つで味わえる密度はいくらでも変えられるんだと思いました。
(るりこ)
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「春が来たぞ、目を覚ませ!」
土の中でお互いにそう呼びかけ合ったかのように、一斉に芽を出しすくすくと育っている、秋に植え付けたジャガイモたち。大きいもので草丈約5センチ、ほぼ全てのジャガイモの芽が、深い緑色で丸々と健康的に育っています。そんな粘り強いジャガイモたち。
あたたかくなって、目が覚めてきた。しかし、少し、くすぐったいぞ。あっ、雑草が僕たちの体をくすぐっている! おーい草を抜いてくれー。
そんなジャガイモたちの声を聞いて、私たちはジャガイモたちの住処を綺麗にするためにかけつけました。最初は8人くらいで、並んで草取りをしました。土が柔らかくて、スルスルと草が抜けて気持ちが良いこと! 畝の上を綺麗にすると、ジャガイモたちもすっきりとして気持ち良さそうでした。
夢中になって草取りをして、ふと振り返ると、気がついたら他の作業が終わった人たちもヘルプに来てくれていました。みんなで強力して終わらせて、最後はジャガイモたちを寒さから守るために、ビニールがけまで出来ました。
みんなに綺麗に草取りしてもらえて、そしてなにより、芽が出たことをみんなに祝福されて、ジャガイモたちは誇らしげです。
ジャガイモたちを見ていると、お父さんがミーティングで話してくださった、「自然は楽観論で出来ている」という言葉を思います。秋に植え付けられ、秋には芽は出なかったけれど、冬の間は土の中で眠りながらも生きていて、春に芽を出した、粘り強くて前向きなジャガイモたち。ジャガイモたちの希望の目覚めに、拍手! これからの成長が、楽しみです。
(えつこ)
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スイートコーンが畑にやって来てから、もうすぐ2週間が経ちます。
本葉4~5枚ほどの、若き小さなスイートコーンたち。
そのスイートコーンの担当になった、新米リーダー目線で、お伝えします!
今日は、急遽、スイートコーンに、鶏糞の追肥と土寄せをできることになりました。
わたしは、さきちゃんと軽トラックに鶏糞を積んでから、畑へと向かいました。
「1畝2袋で行けるかなあ……」と、何袋分の鶏糞が必要なのかどうか迷っていると、さきちゃんが、「そのくらいだと思うよ。だから計算すると、12袋必要だ!」と話してくれました。
「じゃあ少し余分にして、14袋にしよう!」と、さきちゃんの力強い言葉に背中を押してもらって、鶏糞を用意することができました。
畑に着くと、よしみちゃんや何人かの子が、ネット開けと敷き草の回収を進めてくれていました。かりんちゃんも居てくれて、すごくうれしかったです。
さっそく、トウモロコシの畝肩に、筋状に鶏糞を撒いていきます。
肥料袋から、さらさらさら……と流れていく鶏糞は、その量をコントロールするのがなかなか難しいですが、みんなが絶妙な量を撒いていってくれて、みんなの姿が、頼もしかったなあと思います。
鶏糞の入った大量の肥料袋も、2袋残して、全ての畝に撒き終わりました。
すごい! さきちゃんの読み通り、12袋でちょうどだったようです。ほぼぴったりの量の鶏糞を用意することができて、気持ちが良かったです。
続いて、土寄せをしていきます。
鶏糞を隠して虫が来るのを防ぐ目的と、スイートコーンの株が安定して伸びられるようにする目的で行いました。
しかし、いざやってみると、畝間にネットがあったり、株がまだ小さめのものもあったりして、クワを動かしにくい……。
ここで、新米リーダーは焦ってしまったのですが、ちさとちゃんやえみちゃんが、「この向きで、ここに立ってやると、やりやすいかな」などと、いっしょに考えてくれて、みんなに伝えてくれました。成長点を残して、すっぽりと土に包まれたスイートコーンを見ていると、わたしもとっても安心した気持ちになりました。
最後に、ネット掛けと霜対策用のビニール掛けをしていきます。
作業時間も残りわずかになってしまい、わたしは、「これは終わるかな?」とドキドキしていました。
そのとき、よしみちゃんが、「ネットとビニール、いっしょに土をかけて留めたらいいよね?」と声をかけてくれました。
なんて名案なんだ! 今までマルチ止めを使って留めていたビニールも、ネットといっしょに一度に掛けてしまうことができました。吹いてくる風に少し苦戦したものの、効率よく終わらせることができて、とてもうれしかったです。
すべての作業が終了!
わたしは、最初から最後まで頼りない指示になってしまったのですが、どんなときでも「はーい!」という明るい声が返ってきました。
みんなの優しさが、すごくありがたかったです。みんながいっしょに考えてくれて、気持ちを添わせてくれて、
(わたしだけではなくて、みんなで、わたしたちのスイートコーンを育てているんだな)
と感じました。
スイートコーンとともに、わたしも成長していきたいと、強く思わせてもらえました。
とにかく、今日は、みんなの力で、やりたかった手入れをすべて終わらせることができて、本当にうれしかったです!
みんなの気持ちを感じて、美味しいスイートコーンになってね。いっしょに頑張ろう!
(みつき)


