
ついに、今日が来ました。
数日間、今日までみんなと見守ってきた麹が大豆と出会い、味噌となる日です。
朝7時から、せいこちゃん、なるちゃん、しなこちゃんが、台所の大鍋で白大豆を煮てくれていました。
豆が茹で上がるのは、約2時間半かかり、9時半から味噌の仕込みが始まりました。
私は、今回、ななほちゃんと、ゆでた大豆をミートチョッパーにかけていく役割を担当しました。
このミートチョッパーの役割として、柔らかく煮た豆をミンチ状にして、味噌玉を作りやすくします。
ななほちゃんが上から豆を入れてくれて、私は、しゃもじでミンチ状になったものをもろ蓋の上に下ろしていく役割をさせてもらっていたのですが、ミートチョッパーからミンチ状になったものが、うねうねと出てくるのが、面白くて、夢中になりました。
「大豆、上がりました!」
次々に、茹で上がったものを、なるちゃんやひろこちゃんが運んでくれて、そのたびに、気持ちが高まりました。
今回は、黒大豆味噌と、白大豆味噌を作りました。
黒大豆は今回のみで、味噌玉にすると、大理石のような見た目になり、手触りもすべすべとしています。
「このチームはお姉さんのチームだね」
と初日にリーダーさんが言ってくれたので、米糀の名前は、白大豆用の麹を白百合米華(しらゆりべいか)、黒大豆用の味噌の名前を味噌川黒美(みそかわくろみ)と、大人のお姉さんらしい名を付けました。
味噌玉づくりの際には、ちょっとしたパフォーマンスを披露しました。
「御米~豆(およねーず)」で登場します。
みんなに覚えてもらえるように、「白百合米華」、「味噌川黒美」という名前を繰り返し面白可笑しく紹介しました。
みんなもこのパフォーマンスを温かくみてくれて笑ってくれて、みそ玉づくりをしてくれているみんなも、楽しそうに丸めてくれていて、その明るい空気が嬉しかったなあ、と思います。
樽に「味噌川黒味」、「白百合米華」と書かれたラベルを張るとき、今まで見てきた麹がついに味噌になるんだ、と少し切ないけれど嬉しいような、そんな気持ちになりました。
全ての味噌玉を作り終えて、樽の蓋を占める時、3年後には、この子たちを頂くんだなと思うと、今日までみんなと味噌づくりに向かってきた過程が思い返されました。
今回、このチームで味噌づくりをさせてもらって、みんなとメリハリのついた作業の向かい方に、私もその中に居させてもらって、同じ気持ちにさせてもらって、みんなと朝晩、夜中も一緒に過ごして、とても濃い時間で、この時間がずっと続いてほしい、と思うくらい楽しかったなあ、と思います。
今回の米糀の名前を考えたのは、夜12時前の2番手入れの時で、夜遅くまで作業した時間が凄く楽しかったことだったり、大きなハプニングもなく、みんなが手早く自分の役割に向かっていて、そんなみんなの姿をみて、さすがお姉さんだな、大人だなと思うことがよくありました。
1時間しかないときでも片づけが終わったり、自分が気づかない間にみんなが他の事をしてくれていたりしました。
今回は本当に面白おかしくお姉さんチームを演じて米糀を作ったのですが、そのなかでも大人として仕事をすることの大切さや、そうやって密にできた仕事の結果はいいものになるという成功体験をつくることができて、また一つ自信にできました。
米糀の成長を見回われるのが嬉しくて、味噌づくりの期間中、ずっと明るい気持ちにさせてもらったなあ、と思います。
自分たちで育てた麹で出来た味噌は、きっと私たちの思いを感じてくれて、美味しいものになってくれる、と思います。
この経験がとてもありがたいことで、幸せな時間だったなあ、と思います。
(ほし)
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1月末の大寒波。
大雪の重みでパイプが折れ曲がった吉畑手前ハウスの修繕を完成目標で進めました。
ハウスメンバー8人で、6人と2人に分かれて、さくらちゃんチームはクロスバーの修正、わたしとなつみちゃんは妻面のビニール張りを午前に行いました。
妻面のビニール張りはハウスの組み立ての中でも特に好きな工程で、パッカーとスプリングを使ってしわが出ないように丁寧に張っていくのが楽しかったです。
午後にクロスバーが完成して、これで骨組みができあがり、全員で防虫ネットと畦シートを巻き上げのビニールを付けていきました。人数が少ないと時間がかかる工程も、人数がいればあっという間にサイドのビニールがハウスを囲いました。
16時30分からは今日のメインの大屋根のビニール張りをしました。昨日、仕込みをしておきました。約25メートルあるビニールに両サイドと真ん中2カ所にロープを結び、両サイドの妻面に足場に各2人、ロープの先端にそれぞれ一人ずつ付いて、「せーの」の掛け声でロープを引っ張りました。
ビニールはこれまでハウス修繕をしてきたもののなかでも1番くらいに重たかったけれど、力の強いメンバーが揃っていたので、スムーズにハウスを超えていきました。ビニールの押さえとなるマイカ線はロープに50センチ間隔で取り付けておき、作戦通り、一度にハウスを超えました。マイカ線は時間の都合上、仮止めまででした。
時間は夕食の直前までかかってしまいましたが、メンバーのみんなが快く最後まで残ってくれて、完成の目標には届かなかったけれど、85%まで修繕が進みました。
朝の時点ではパイプの骨組みだけだったハウスに、大屋根のビニールとサイドのビニール類が付くと、元のビニールハウスが戻ってきたように感じました。
ハウスの修繕を教えてくださる須原さんが、
「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり(やればできる。何事もならなければできない。できないのはやろうとしないからだ)」
と何度もおっしゃってくださいました。一度は大胆に潰れて、折れたパイプを解体してバラバラになったハウスを元に戻そうと、みんなの手で再び立て直してきて、いよいよ明日には完成という間近まで持ってこられたことが嬉しいです。
(るりこ)