2月1日(水)「やってやれないことはない ハウス修繕スタート & 米糀作りの日々へ」

2月1日のなのはな

「やってやれないことはない。やらずにできるわけがない。
 今やらずしていつできる。わしがやらねばだれがやる」

 平櫛田中、という明治時代の彫刻家の言葉です。籾摺り小屋に集った7人に、須原さんがはじめに伝えてくださいました。
 その言葉を聞くと、はっと目を覚まされたように、これからの作業に向かっていく気持ちが、作られていきました。

 

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 今日から、大雪で骨組みが曲がってしまったハウスの修繕準備が、動き始めました。
 大雪の降った朝、ハウスが潰れてしまっている、という知らせを聞きました。9棟の内、被害があったのは5棟。去年、須原さんやさくらちゃんを中心に、みんなでハウス修繕を完了させたばかりだったため、余計に胸は痛みました。

 残念で、悲しさもあるけれど、もう一度、修繕をするしかありません。今回の修繕は、1からハウスを建てるよりも、ある意味難しいかもしれません。けれど、やってやれないことはない。
 はじめに取り掛かったのは、吉畑手前ハウス。みんなで、ハウスを修繕していく一歩を踏み出せたことが、嬉しかったです。

 

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 籾摺り小屋での作戦会議で、須原さんから、修繕するに当たって必要な準備の工程と、担当する区画ごとのチームを伝えてくださり、それに従って作業を進めました。
 妻面のビニール外しをする2ペア。そしてマイカー線などを外していくトリオ。このチームがそれぞれのことを終えたら、側面の巻き上げ機、ビニール、防虫ネットを外していきました。うずら小屋も、一旦2重ハウスへと引っ越しさせました。

 

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 ここまでくると、残っているビニールは大屋根です。大屋根には、中央にハウスを潰した重い雪が、溜まっていました。
 この雪を取り除くために、須原さんがシュート作戦を立ててくださいました。
 波板トタンを半円状にして繋げた滑り台を、ハウス骨組みに立てかけて、屋根からハウスの外へ、雪を流していく、という作戦でした。
 はじめにその作戦を聞いたときは、本当にそんなことができるのかな、と思ってしまいました。けれど須原さんの指示に従っていくと、滑り台を使った、やっていても面白くて楽しい、画期的な仕組みが出来上がっていきました。

 

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 大屋根の上で、雪をてみに入れていき、それを滑り台へシュートしていきます。その雪を、滑り台に1人がついて滑らせていき、出口では1人が雪をてみに受けて、外の斜面へと投げていきました。
 私は、滑り台の入り口で、みんなからてみを受け取って、滑り台に流していく場所についていました。雪は、軽いばかりではなく、固く締まっているところが大半でした。てみでは歯が立たないような、ガチガチの雪は、須原さんが角スコで砕き、砕かれた雪を、なつみちゃんが持ち上げて、渡してくれました。

 なつみちゃん、さくらちゃん、るりこちゃんから受け取る雪は、時には一抱えもあるずっしりとした雪の塊でした。それを滑り台へ、次々にシュートしていくと、しなこちゃんが滑らせて、最後にはのんちゃんが、斜面へと投げてくれました。
 その流れがとても気持ちよく、夢中になって雪を送り続けていると、30分ほどで全ての雪を、きれいに外へ出すことができました。
 大屋根のビニールをハウスから外したところで、午前中の作業は終わりました。人数がいたこともあり、予想以上に順調に進んだ、と須原さんやさくらちゃんが教えてくれて、嬉しかったです。

 

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 午後は、大屋根のビニールを綺麗に拭いて、穴をテープで塞ぐ作業を主に進めました。
 大屋根のビニールは、長さ約20メートルの大きなビニールでした。この作業も、はじめに須原さんがどのように進めていくかを、みんなに伝えてくださいました。
 関係者駐車場に、ブルーシートを敷いて会場を作り、1メートルずつパタンパタンと折りながら進めることで、表、裏を確実に拭いて、穴を塞いでいくことができました。

 ビニールの4分の1ずつを1人が受け持ち、ウエスを使って泥などの汚れを拭き取っていき、るりこちゃんが強力ビニールテープで、穴を塞いでくれました。
 確実に汚れを落とし、ビニールを綺麗にしていける流れが、やっていても気持ちが良かったです。須原さんから、効率よくやりがいのある作業のやり方を、毎回教えていただけることが、とてもありがたいなと思いました。

 

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 ビニールを綺麗にして、畳んで籾摺り小屋へしまい、最後の時間に、ハウス内にあったものを外へ出す作業を進めました。
 明日から、いよいよ骨組みの解体が始まります。ハウス修繕の道のりは、まだまだ長いけれど、初日から大きな達成感が感じられました。
 みんなとやれば、きっとできる。そう信じて、粘り強く気持ちを持ち、これからも修繕に向かっていきたいです。

(りんね)

 

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 今日は2月の始まり。
 今日は大寒波が過ぎて、少し暖かくなり始める日。
 そして今日は味噌づくりが始まる日。

 2023年の味噌づくりがいよいよ始まりました。今回は、白大豆味噌を3樽、黒大豆味噌を1樽の全4樽を仕込む予定です。
 始まりの日の今日は、家庭科室とのご挨拶。そして、お米とのご対面。
 明日の蒸米に向け、最低でも15時間は水に浸す必要があるため、まずは16時を目標に30升のお米研ぎを行ないました。

 

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 初めの糠のあらすすぎは、できるだけ糠をさらい、そして染み込まないように優しく、サッと。
 そして、50回×5回戦の計250回を、1回1回、心を込めて研いでいきました。
 お米が欠けてしまっては菌が繁殖しにくいため、普段のお米研ぎよりもさらに丁寧に。

 お米の気持ちに降りて、自分だったらざるとこすれると痛そうだからあまりこすれたくないな、落とした糠はサッと洗い流してほしいな、そうやって想像しながら。
 米同士がこすれ合って糠が落ちていく様子を想像しながら。
 この一粒一粒が、艶やかに綺麗になる姿を想像しながら。
 そして、この一粒一粒が、やがて新しい生命として生きていく姿を想像しながら。

 

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〈明日からの、糀の手入れ場所となる作業台も用意しました〉

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 思いを込めて研いでいると、いつも目にしているお米だけれど、とてもいとおしく感じられました。この子たちとこれからどんな時間が待っているのか、この子たちはこれからどんな風に育ってくれるのか、考えるだけで暖かい気持ちで満たされました。
 今回は、そのモチモチさゆえに、糀には最も不向きと言われてはいますが、甘くておいしいミルキークイーンでの糀づくりです。年によってお米の状態も違うし、日によって温度なども違います。特に蒸し加減などを、みんなと慎重に頑張りたいです。

 

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 温度計をセットしたのに電池を入れ忘れてしまったというミスも犯してしまいましたが、みんな協力して家庭科室も味噌用に最終セットし、心の準備も整いました。
 明日はいよいよ種付けをし、糀の命が誕生します。
 気を引き締めて、良い糀をつくりたいです。

(ちさ)