味噌ノ家ファミリーには、こんな秘話が!?
普段は表に出ないけれど、
ここにも、なのはなの味噌の美味しさの秘密があるのかもしれません。
その1つひとつには、いつも、みんなが糀を思う気持ちがあります。
そして、あったかい気持ちが広がっていきます。
その1:【チーム愛】
手入れをするとき、育苗機から糀箱を取り出し、
上にかかっていたタオルをはぐります。
すると、米糀を見たチームのみんなからは、
「うわぁ!」「ふわふわだ!」「お花がたくさん咲いているよ!」
と、感嘆の声が上がります。
なかには、米糀に顔をぐっと近づけて、
「いいにおい!ずっと嗅いでいたい」と、
しばらくかぎ続けている姿も。
糀箱は全部で40箱もありますが、
1箱1箱タオルをはぐるたび、感嘆の声は止むことはありません。
そして手入れが終わると、再び糀箱を育苗機内に戻し、毛布で覆います。
それでも味噌ノ糀くんへの愛情は収まらず、
「寒くないか?」と声をかけてしまうほど、
チームのみんなが味噌ノ糀くんのことが大好きでした。
○ ○ ○
その2:【「何のにおい?」】
米糀の発酵が進んでくると、甘い良い香りがしてきます。
栗の香りに近い、と言われることが多いです。
なおと:「うわっ!いいにおい!」
ちさと:「栗の香りみたいだよね」
なおと:「え?栗? 栗ではないような……」
れいこ:「嗅いだことのある香りなんだけど、何だろう……。
あっ!わかった!小学校の給食のご飯のにおい!
オレンジの食缶に入っているやつ!」
るりこ・ゆりか・さくら:「えーーーー!!!」
れいこちゃんの思わぬ解答に、みんなの反応はびっくり。
でも、大好きな香りだということはみんなが全一致。
出糀を迎えたころには、キノコのような香りへと変化していました。
その3:【『田園』】
手入れ2日目と3日目の夜は、
家庭科室の隣の音楽室で寝泊まりをして、
夜中も1時間おきに米糀の見回りをします。
真夜中でも目覚めよく起きたい! ということで、
目覚ましのアラーム音を『田園』というメロディにしました。
思わず、広々とした青空と草原を思い浮かべてしまうような
軽快なアラーム音です。
さて、その結果はどうだったのかというと……。
はっとしてすぐに目が覚めたという子と、
逆に穏やかすぎて全く気がつかなかったという子の
2つに分かれてしまいました。
ペアの子と声を掛け合い、
夜中もみんなで見回りができて嬉しかったです。
○ ○ ○
その4:【名言?】
2日目に、『引き込み』という手入れを行ないます。
米糀を糀箱の中に入れ、
なまこ型のような楕円の形に整えるという作業です。
引き込み時の米糀はチャーハンのようにパラパラとしています。
その米糀が糀箱のふちに付いてはしまうのはNG、
細やかな手つきが必要な意外と難しい作業です。
ゆりかちゃんは、手早くなまこ型に整えていました。
その横で苦戦していた、なおとさんとるりこちゃん。
思わず、
(ゆりかちゃんの持っている糀箱の中の、
米糀の量が少ないから早いのではないか?)と思いました。
そして出た、なおとさんの名言。
『隣の糀は少なく見える』。
あることわざを文字ったものです。
なおとさんの名言を聞いたみんなからは笑いが起こりました。
でも実際は、どれも同じ量。
ゆりかちゃんの手入れが手早く、奇麗だったからです。
その5:【魔法の握手】
1時間ごとに行う、米糀の温度や湿度の見回り。
夜中も米糀を思う気持ちは、みんな同じ。
チームプレイで、米糀を見守ってきました。
ある夜、見回りに向かうと、
なのはなファミリーから税理士事務所で努めている
なおちゃんに会いました。
なおちゃんが「米糀へパワーを!」と言って、
笑顔でかたく握手をしてくれました。
なおちゃんのパワーを両手にして見回りへ。
米糀たちにも、なおちゃんのパワーを伝えました。
この夜は、米糀の温度上昇が予想される山場でしたが、
なおちゃんの魔法の握手で、
温度上昇の山場を乗り越えることができました。
その6:【気持ちが味になる】
米糀作り、味噌作りは、
作った人の気持ちが味になると言います。
米糀作りチームには、毎回、それぞれのチームの
かけがえのないドラマが生まれます。
どのチームにも変わらないのは、
メンバーと協力して糀と過ごす時間は、
暖かく優しい空間だということ。
米糀は、私たちに嬉しい気持ちをたくさんくれます。
そして、大人数での味噌の仕込みの時間は、
キラキラとした笑顔がいっぱいです。
たくさんの笑顔に送られて、
みんなの気持ちを乗せて仕込まれた味噌玉は、
3年後に必ず美味しい味噌になると強く思います。