「マラソンカメラマン」 なつみ

2月15日

 わたしは今日のフルメニューで、ランニングの時にカメラマンをさせてもらいました。

 最近は、いろんな人が時々列から抜けてダッシュでみんなの前を走って写真を撮ってくれていて、わたしはそういうみんなが、疲れ知らずの逞しい馬の様にしか思えません。
 そして……いざ自分が皆の様に軽々走って写真を撮る姿を想像すると、どこまで走れるか、楽しみと不安を感じました。

 自分の中でプランはありました。
 わたしは体力がないので、心臓破りの坂は絶対に列から抜けず、皆の列の中で走って、坂が終わってから、カメラマンの仕事に励むこと。
 必ず撮りたいのは、梅の木コースでかりんの木が植わっている坂道を遠くから撮る構図。
 この2つを念頭に、カメラを斜めがけして走り始めました。

 今日はあけみちゃんと先頭を走らせてもらって、みんなが走る背中を追うのも好きですが、景色が拓ける、変わっていく光景を見られる先頭も、気持ちが良かったです。
 わたしはあけみちゃんの足半分ほど後ろを走って、ペースを揃えました。

 何とか今日も心臓破りの坂を登り切って、下り坂。
 ここから、わたしはカメラマンとして、みんなの走る姿をカメラに収めなければなりません。今までのカメラマンの先輩方の様にダッシュ。
 今まで時速7.5キロから8キロペースでしか走ったことがなかったけれど、下り坂を思いっきり風を切って走るのは気持ちが良かったです。

 しかし、下り坂の後は登り坂。後ろからみんなの「いっち、に」の掛け声が迫ってくるので、登り坂も、ダッシュ。「スースー、ハーハー」と呼吸をリズムに乗せて、登り切り、梅の木の前で、みんなを待ち構えました。
 待っている間に、ピントを合わせたり、どういう風に撮ろうか、試行錯誤している間にみんなが来てしまって、撮るには撮れたけれど、次はもうちょっと上手に撮りたいです。

 梅の木の蕾とみんなを撮って、次は、かりんの木の坂。
 走り始める前は、石生一周で疲れ果てて、そのまま梅の木コースを走らず古吉野玄関に自分が吸い込まれるんじゃないかと思っていたのですが、意外と走れる。
 500メートルほどみんなと一緒に走って、そこからまた、ダッシュ。と言っても、そんなに速くないですが、自分が走れる最速で走って、みんなを待ちます。
 待っている間は、ちょっと休憩できるので楽です。特にかりんの木の坂は遠くから坂の傾斜をみんなが登っていく構図を横から撮るために、トータル4,5分以上は休憩タイムでした。
 写真の方は、やっぱりもうちょっと上手に撮りたかったなと思う出来ですが、またの機会に頑張ります。

 そして、3個目のお題回しにわたしも参加したいので、休憩タイムで開いてしまった5分の距離を縮めるべく、ダッシュします。
 平坦はまだ走れます。でも、もう坂道ダッシュは辛いのなんのです。みんなとわたしの間には3つの坂があって、その3つ全部、全力で走って間に合うかどうか。
「スーハー、スーハー」必死に酸素を吸って、ぐんぐん坂を登ります。いや、実際は全くぐんぐんではないかもしれないけれど、気分は馬です。
 上がらない脚を必死に上げて走っていると、みんながお題回しを始める声が聞こえました。
(なんとか間に合いたい!!)最後の力を振り絞って、やっとみんなに追いついたときは、すごく嬉しかったですが、もう二度と走れないと思いました。
 念願のお題回しも参加できたけれど、ろれつが回らず伝わらない……。

 マラソンカメラマンの感想「カメラマンさんが本当にすごい」その一言に尽きると思いました。

 本当に大変でしたが、でも、極限まで自分の体を使って走って、限界突破できたことは、ものすごく嬉しいことでした。

 明日、自分の身体がどうなっているか、想像すると恐ろしいのですが、今日でフルメニューが始まって一か月が経ち、「継続は力なり」というのは本当だなと思いました。
 毎日のフルメニュー、しんどい時もみんながいるから続くし、楽しみな時間です。

 今日は、頂いたピーカンナッツを食べたのですが、それが本当にチョコレートみたいな香りと、自然の甘さに驚いて、すっごく美味しかったです。
 わたしは、小さい時、初めてのお給料でスイカをひと玉買って、ひと玉一人で全部食べる。というのが夢でしたが、変更して、ピーカンナッツを山ほど買って、みんなで好きなだけ食べることにします。
 そのくらい、ほんっとうに美味しかったです。
 そして、のぞみちゃんとやすちゃんからのバレンタインチョコも、癒されました。ホワイトチョコはやっぱり一番好きです。

 心も身体も満たされた一日。幸せでした。
 おやすみなさい。