「桃におまじない」 ほのか

5月22日

 朝起きて、時計を見たら7時20分で、やばい! みつきちゃんと水やりをしに行く時間だ! と思ってドアの所を見るとゆきなちゃんと目があって、ゆきなちゃんがまた布団に入るから、「あれ? 朝食当番なんじゃないのかな?」と思って、自分も起きようとして体を起こすと、あれ? みんな寝ている。もう一回時計を見たら、6時20分だったことに気がついて、「なあんだ」となった朝でした。ちゃんと7時すぎには起きて、みつきちゃんと白大豆の水やりとニラの草取りをしました。朝食前の1時間だけでいろんな畑に行っていろんなことをして、すごく充実した朝でした。

 今日から、桃の袋掛けが始まりました。今日は、午前と夕食までで奥桃畑の全ての樹と、開墾26a畑の「はなよめ」3本のうち2本目にとりかかるところまで進みました。

 最初はおぼつかなかった手つきも、1日たてば格段に速く、確実になりました。すべての実をひたすら覆えばよい、というわけではなくて、袋掛けの段階でも位置関係や大小差などを考慮しなければならなくて、頭を使いました。それに加えて袋掛けした数を数えなくてはならなくて、ずっと集中力が必要になりました。がんばって数を数えながらかけていても、ふとした瞬間に抜けてしまったり、違うことをかんがえてしまったりすると、もう大変。みんなで木を離れる前に、余った袋数をそれぞれあんなちゃんに伝えれば、あんなちゃんが計算してくれますが、かなり大変だと思うので、自分でも数えるということを意識して、少しでもあんなちゃんの負担を減らせるようにしたいです。

 たくさんの実に袋をかけていって、桃におまじないをかけているようでした。時間が飛ぶように過ぎていき、気づいたらもう18時近くをまわっていました。桃の作業は、楽しくて永遠にやっていられそうです。

 夕食の席に着くと、数時間ぶりに座って一気にほっとしたのか、力が抜けて体からぷしゅ~っと空気が抜けていくような感覚になりました。自分では気づかなかったけれど、1日中、緊張していたようです。食堂にはとれたての国産サーモンのお刺身、おいしい里芋の煮物、ズッキーニ、レタスと、お吸い物と白ご飯が待っていて、いつもの1.2倍増しでおいしく感じました。

 さて、明日の朝7時15分から、また袋掛けが待っています。緊張感をもちつつ、楽しむことを忘れず、意識高く明日もがんばります。