「自分の置かれた場所で」 みつき

7月4日

●自分の置かれた場所で

 朝から日差しが強くて、汗をかいてしまいました。7月になってから、一気に夏の暑さに変わったことを感じます。
 食堂の席に着いて、朝ご飯のプレートを目にしただけで元気が出ました。
 レタスサラダ、キュウリ、2色のミニトマト、茹でトウモロコシ、たまご……。『農家のとれたて朝ごはん』というようなメニューで、これは畑を作っているからこそ味わえる朝食、という贅沢さを感じました。みずみずしくて色とりどりの夏野菜が美味しくって、嬉しかったです。

 今日で竹取りが終わりました。日は飛んでいたけれど、4日間ほどだったと思います。
「あと30本、竹を切り出したい」「午前中で竹のカットなどは終わらせて、午後は片付けをしたい」とまえちゃんから目標を聞いていました。

 まえちゃんとさやねちゃんが現場で竹を切り出してくれていて、すにたちゃんとわたしで竹を運び出していきました。
 もうかなりの竹を取りつくしてきたし、竹の切り出しにも運び出しにも、時間がかかるのではないかと思っていました。
 斜面を上って、すにちゃんと、1本の竹をよいしょよいしょと引っ張っていきました。すにちゃんのパワーがすごくって、一緒に「せーの!」と声を合わせて力を込めると、驚いてしまうくらいに竹がグーンと動き出しました。
 長くて太くて、これはちょっと手強いかな、と思うような竹でも、すにちゃんが一緒に居てくれると、大丈夫だと思えました。すにちゃんと一緒なら、どんな竹でも運び出せるように思えました。

「倒れまーす!」という声で、ハッとして、どこに竹が来るのか準備して待っていました。1本1本の運び出す作業が試合のようで、心臓がバクバクするような興奮や高揚感が、楽しかったです。
 まえちゃんがカウントしていってくれて、気がつけば30本取り終えていました。本当に早かったです。すごく楽しい、最後の竹取りでした。

 最後の最後になってしまったけれど、やっと枝払いするのにも慣れたような気がします。その瞬間だけに思いきり力を込めること、そのときに「1発で打つ」と心に決めること……お父さんに教えて頂いた言葉や、自分の中でのコツを思い出しながら枝払いをしていました。すべての竹が綺麗につんつるてんになって、みんなでトラックに積み込むのが嬉しかったです。

 竹取りを始めたばかりのころは、「本当に自分で良いのか」というような、半信半疑の気持ちがありました。今の自分で竹取りの作業に入らせてもらうことに自信がありませんでした。
 もちろん上手く動けなくて注意してもらったり、自分で納得いかなくて悔しくて、帰ってきてから涙を流したこともありました。
 けれど、それはちっぽけでした。本当に竹取りのこと、作業のこと、一緒に動くみんなのことだけを考えたとき、どうでもよくなりました。今のわたしの役割はこれだ、今のわたしの居場所は、ここだ。そう思えるようになって、どれだけ失敗しようが、未熟だろうが、動くことをやめようとは思わなかったです。
 竹取りの作業に入るのがありがたくて嬉しくて、頑張ろう、と思えました。

 明日からサマータイムが始まります。
 夏休みが始まるみたいで、サマータイムが大好きです。来て間もない人とも一緒に過ごせることが嬉しいし、とびっきり楽しい夏になったらいいなあと思います。
 自分の置かれた場所で、もっともっとみんなのために心と身体を使えるようにします。