「トロンボーンが全てを教えてくれる」 えつこ

7月2日

 今日、一番嬉しかったことは、しなこちゃんのトロンボーンの音色がガラリと変わったことです。今日もいつものように、英会話教師ロングトーンをしました。

 しなこちゃんの番がまわってきて、しなこちゃんの音を聴いたとき、私は感動して心を打たれました。ずっと、音が弱いことが課題だと感じていたのですが、今日、いきなり、しなこちゃんの音が強くなりました。なにより、理想の音を吹きたい、もっと良くありたい、というしなこちゃんの誠実な心が、音から伝わってきて、私は感動しました。だから音楽が好きなんだと思いました。聴かせたいのは、技術じゃなくて、心。心が音に表れて、その音に共感したとき、心が震えます。ロングトーンではあったけれど、今日、それを感じました。

 最後は、角のある演奏ができるようになるようにと、タンギング練習をしました。超絶シンプルな練習で、テンポ60で、四分音符で、スタッカートの音を刻みます。かなり簡単なように感じるけれど、美しく角のあるタンギングを究めようと思うと、どこまでも深めることができます。変に、高速タンギング練習をいきなりやるよりも、かなり効果があると感じています。今は、ゆっくりなテンポで、四分音符で、美しくタンギングができるようになってから、テンポを速めていき、四分音符から八分音符と、ステップアップしていく予定です。

 最後の15分くらいは、ひたすら、タンギングをし続けました。最後5分はリップスラーの練習もする予定だったのですが、しなこちゃんの音色を聴いて、このタンギング練習が有効だと感じて、ひたすら最後まで、タンギングをし続けました。大きな手応えを感じた今日でした。

 夜、音楽室からは、毎晩、やよいちゃんが個人練習をコツコツと続けている、誠実な音が聴こえてきます。やよいちゃんのトロンボーンが大好きなので、音だけでやよいちゃんだとわかってしまいます。日に日に、美しさに磨きがかかっていて、やよいちゃんの音色を聴くと、私も頑張ろうと、やる気が出ます。これが、切磋琢磨ということなのでしょうか。
 今年のトロンボーンチームは、最強のチームになること間違いなしです。

 夜は、お母さんとのお話の時間が、とてもとてもとても嬉しかったです。
「トロンボーンが全てを教えてくれる」心の辞書に、宝物が増えました。

 話すときにオドオドとした態度をしてしまうことは失礼だと、教えてくださいました。私は、失礼なことは絶対にしたくないと思っているのに、失礼なことをしていたということが、とても悲しくて申し訳なかったです。自覚はあったけれど、直せずにいたことです。でも、教えてもらえたことが、とても嬉しかったです。
 今ここから、直します。トロンボーンを吹くときのように、堂々とまっすぐに相手に気持ちを向けて話します。教えてくださって、本当にありがとうございます。

「音楽を奏でるときのように、毎日を過ごしたらいい」
 そう考えると、生きるということが、とてもわくわくする楽しいものに感じました。周りの音をしっかりと聴いて、調和した音色を奏でるように、話し、演じて、仕事をする。それは、心をかなりオープンにして、繊細かつ粘り強い心が必要なことです。私は、元気いっぱいなように見えて、心は内にこもっていると思いました。私の生きにくさはそこにあるように感じています。美しいハーモニーを奏でるには、周りの音をしっかりと聴かなくてはいけません。

 今日のロングトーンで、3人で音が1本になったときの気持ちよさ。普段の生活でも、誰かと心の音が1本になるという感覚を、感じてみたいです。そのために、アンサンブルを奏でるときのように、心を開いて周りを感じて、自分を調和させます。

 フォルティッシモばかりではなく、ピアニッシモ、ピアノ、メゾフォルテ、フォルテ、クレッシェンド、デクレッシェンドを、心に持って、音楽性のある人生を生きたいです。音楽を奏でるように生きる、その言葉に、とてもわくわくした気持ちになりました。

 トロンボーンが全てを教えてくれる。トロンボーンを吹くように、生きていきます。